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第61話 テスト

新章開幕です!




前回のあらすじ

クラス対抗戦を優勝した

 

 クラス対抗戦から二週間後。

 冬の寒さも本格的になってきた所で、今年の授業も残り僅かとなっていた。


 この学園は九月に入学・進級があって新学期が始まり、年末年始と三月末から四月頭に掛けての約二週間ほどの短めの休みと、七月から八月末までの長期休暇がある。

 そして学期は一学期、二学期、三学期とそれぞれ分かれている。


 そして当然、学期末にはテストがあるわけで……。




 ◇◇◇◇◇




「は〜い、そこまでですぅ〜」


 マリー先生の合図で、僕はペンを置く。

 見直しも出来たし、ケアレスミスもしてない……ハズだ。


 先生が全員の解答用紙を回収して教室を出た後、アルマがぐて〜っと机の上に上半身を投げ出す。


「……終わった……」

「何で? 今回もわたし、きちんと教えたじゃない。わたしが教えた事を覚えてれば、アルマでもそこそこの点数は取れるハズよ?」


 三期連続で学年一位、しかも全教科満点を取っているティアの言葉とは裏腹に、アルマはずぅ〜んと重い空気を漂わせる。


「確かにティアちゃんの説明は分かりやすかったッスけど……分かるのと理解出来るのは別物なんスよ……」

「そ、そう……」

「わたくしはそこそこ、ですかね。ティアさんの教えて下さった所も出て来たので、点数はおそらく良いと思います」


 落ち込んでるアルマとは対照的に、アーニャは自信に満ちた笑顔を浮かべていた。

 そしてその笑顔のまま、僕達の方に話を振ってくる。


「ジュリウスさん達はどうでしたか?」

「俺もそこそこだな」

「僕はぼちぼちかな」

「とか言いつつ、高得点取るんでしょ? 前回学年二位のジュリウス・ディオスクロイさん?」

「学年一位にそんな事言われても嫌味にしか聞こえないね、ティア・レメゲトン様?」


 なんてやり取りをしていると、委員長……じゃなかった。レティシアが僕達の方――正確には僕に近付いてくる。

 まだ正式に婚約を発表したわけじゃないけど、あれからレティシアと関わる機会が多くなった。と言うか、あっちから絡んでくる。


「ジュリウス君。ちょっと手伝ってもらいたい事があるんだけど、良いかな?」

「分かった」

「……最近、委員長とジュリウスってよく絡んでるわよね? 何かあった?」


 無駄にカンの良いティアが、僕達の関係性を疑ってくる。

 でもまだ正式発表していない今の段階だと、たとえ幼馴染であったとしても教える事は出来ない。


「無いよ。強いて言えば、この間の対抗戦で親交を深めただけだよ」

「そうね」

「ふぅ〜ん、そっか……」


 興味が薄れたのか、ティアは僕達から視線を逸らして未だに項垂れているアルマを慰めるように頭を撫で始めた―――。




 ◇◇◇◇◇




「ごめんね、ジュリウス君。こんな事頼んじゃって」

「いや、大丈夫だよ。テストも終わって暇だったし」


 レティシアに連れて行かれたのは、図書室だった。

 彼女は学級委員の他に図書委員も兼任していて、今日は返却された本を元の棚に戻す作業のようだ。

 戻す本の量が多く、僕に手伝いを頼もうと思ったらしい。


 テスト前の期間は図書室で勉強する学生の姿もあったらしいけど、テストが明けた今では閑散としたものだった。

 下手したら、僕とレティシアしか図書室にいないのかもしれない。

 ……だからってレティシアに変な事する気は更々無いけどね……。


 なんて思っていると、レティシアが背伸びして高い所に本を戻そうとしているのが目に入った。

 彼女の背後に回り、その本を取って元の場所に戻す。


「あ……ありがとう、ジュリウス君」

「どう致しまして」

「ジュリウス君もやっぱり男の子だね。私より背が高いや」

「そう? 僕は普通くらいだと思うけどね」


 身体的には成長期とは言え、身長は父さんをまだ越えられてはいない。

 この間の夏休みにようやっと母さんの身長を越えたっていうのに気付いたくらいだった。

 まあ、母さんは一六三くらいの身長って言ってたから、大雑把に見積もって今の僕は一六五くらいはあるハズだ。


 閑話休題。

 レティシアから離れて作業に戻ると、彼女は口を開く。


「でも、男の子には身長は高くいて欲しいって思うけどね、個人的には」

「……? 何で?」

「だって、ヒールが履けなくなっちゃうから。男の子より身長が高くなっちゃうのは流石にダメでしょ?」

「レティシアでもそういうの気にするんだ?」

「そうよ? これでも歴とした女の子だもの。そういう普通の女の子が夢見るような事は私だって妄想するもの。……それにしても、今日寒くない?」


 確かにレティシアの言う通り、今日はいつもよりも寒く感じる。

 僕達の近くには、魔力を溜め込んだ鉱石である魔石を利用して稼働する魔道具の一つ、魔石ストーブを動かして暖を取ってるけど、それ抜きでも寒い。


 何でだろう? と思いつつ外を見ると、雪が降っている事に気付いた。


「あ……雪だ」

「雪? どうりで寒いわけね。それにそろそろ聖光祭の時期だものね」

「聖光祭かぁ……」


 聖光祭とは、その年一年を無事に過ごせた事を祝うお祭りだった。

 お祭りと言っても堅苦しい行事ではなく、家族や親しい人達と一緒にケーキや豪勢な料理を食べてワイワイ楽しく過ごすのが主な目的だった。

 それと、親から子供にその年一年元気に過ごしたご褒美としてプレゼントを贈るのも恒例となっている。


 だからと言っては何だけど、聖光祭当日の一週間前くらいから街中もそれに合わせた装飾が各所で施され、賑やかな見た目となる。


「ジュリウス君は何か予定でもあるの?」

「特に何も」

「じゃあさ。聖光祭当日私とデートしない?」

「うん、良いよ………………って、えっ?」


 ……今、何て?






聖光祭=クリスマスってイメージしていただければ。




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