表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
58/188

第58話 婚約相手(仮)と顔合わせ

前回のあらすじ

ジュリウスが模擬戦をした

 

「……うん? おぉう……」

「……? どうかしたの、カストール?」


 執務室に紅茶とクッキーを持っていくと、執務机で何かの書類に目を通していたカストールが変な声を出している所に出会した。

 わたしに気付いたカストールは顔を上げ、書類をわたしの方に差し出してくる。


「ポルクスも読んでみなよ。面白いよ」

「面白い?」

「うん。ポルクスって『オルレアン商会』って知ってる?」

「知ってるよ」


 オルレアン商会と言うのは、色々な雑貨を扱っている商会で、最近は若い女の子向けの商品を次々と発表して一躍人気ブランドの一つとなっていた。

 本店は帝都にあるけど、小規模の支店もこの街に存在する。

 何なら、ジェシカ達が足しげく通っているお店でもあった。


 何で今その名前が? って疑問に思っていたけど、すぐに解決した。

 その書類の差出人がオルレアン商会の会長で、しかも会長の娘さんをウチのジュリウスの婚約者にして欲しいと言った内容だった。


「えっ? 婚約の申し込み?」

「そうだよ。ジュリウスももうそんな年かぁ……」

「いやいや。コレ、どうするの?」

「まずは本人の意思を確認したいけど……ああ。そろそろあの時期か」

「クラス対抗戦?」

「そう。父兄の観戦は出来たハズだから、その時に聞いてみようか」

「良いんじゃないかな?」


 そう肯定しつつ、再び書類に目を落とす。

 ジュリウスの婚約者になるであろう相手の名前は、レティシア・オルレアンと言うようだ―――。




 ◇◇◇◇◇




 学年別クラス対抗戦当日。

 このイベントでは、父兄が観戦出来るようになっている。

 だから父さん達が来るのは予想出来てはいたんだけど……。


「えっ? 今何て?」

「だから、ジュリウスに婚約の申し込みが来てるんだよ」


 一戦目のD組との対戦をアーニャと委員長だけで危なげ無く勝利した後の休憩時間、父さんと母さんが僕の下にやって来てそんな事を言ってきた。

 ちなみにジェシカとジェニカの二人は、観戦しているティアにべったりとくっついてこの場にはいなかった。


「何で僕なんかに?」

「ディオスクロイ家の長子だからでしょ。家督を継ぐのは長子のジュリウスなんだから」

「それは分かるけど……」


 貴族家に産まれた以上、家は絶対に存続させなくちゃいけない事くらい僕でも理解してる。それが長子ならなおさら。

 でも、見ず知らずの相手と婚約する気は無い。


「でも僕、見ず知らずの相手とは結婚……と言うか婚約する気は無いよ?」

「それでも良いから、一先ずこの書類に目を通してくれないかな?」

「……分かった」


 やや釈然としないながらも、父さんから書類を受け取って目を通す。


 婚約を申し込んできた相手はオルレアン商会の会長で、僕と会長の娘であるレティシア・オルレアンを結婚させようと……って、うん? レティシア?

 僕の記憶が間違いじゃなければ、委員長の家名もオルレアンだったハズだ。


 何て考えていると、その委員長がパッと見は質素な、その実分かる人には分かる一級品のスーツに身を包んだ男性と共に僕達の前に現れた。


「どうも。初めまして、ディオスクロイ子爵、子爵夫人」

「こちらこそ初めまして。オルレアン会長ですか?」

「ええ……申し遅れました。私はドンレミ・オルレアンと申します。以後お見知り置きを」

「カストール・ディオスクロイです。こちらは妻のポルクスです」

「初めまして。カストールの妻のポルクスです」


 父さん達はそう名乗り、父さんとドンレミさんは握手を、母さんはその場でお辞儀をする。

 その間に僕は、委員長に近付く。


「委員長、何でここに?」

「それはこっちの台詞よ。パ……父に逢わせたい人がいるって言われてついてきただけだもの」

「……今『パパ』って言いかけてなかった?」

「きっと気のせいよ」

「……まあ良いや。……って、うん? それじゃあ聞いてないの?」

「……?」


 委員長が首を傾げた所で、ドンレミさんが口を開く。


「どうやら貴方方のご子息と私の娘は面識があるようですね」

「そのようですね。……ジュリウス。見知った相手みたいだけど、それでも駄目かい?」

「いや、でも……と言うか、委員長はまだ状況を理解してないみたいなんだけど?」


 そう言うと、ドンレミさんがやってしまったと言わんばかりに自分の頭を叩く。

 実は意外と愉快なおじさんなのかもしれない。


「おお。これは私とした事が」

「えっ、何? どういう事?」

「レティ。実はパパな……ディオスクロイ子爵家に婚約を申し込んだんだ」

「ふぅ〜ん………………えっ、婚約? 誰と誰が?」

「子爵家のご子息と、レティがだ」

「私と、ジュリウス君が……?」


 委員長は驚きで目を見開き、何故か僕の方を見る。

 そして自分の父親に視線を戻した後、今まで聞いた事の無いような大きな声で驚きの声を上げた―――。






今からどうやって婚約破棄させようか悩んでるのは誰? そう、作者です(←オイ)。




評価、ブックマークをしていただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ