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第51話 世話役

前回のあらすじ

学園長に呼び出された

 

 学園長室までやって来た僕とティアは、ドアを軽くノックする。


「失礼します」

「入りたまえ」


 許可が出たので、中に入る。

 正面の机には、学園長が腕を組んで座っていた。


 学園長は『影の皇族』とも呼ばれるラグナロク家の現当主で、この学園が出来た時にアースガルド帝国皇帝とミッドガル帝国皇帝から学園長になって欲しいと直々に頼まれたらしい。

 後嘘か本当か分からないけど、父さん達は昔一度だけ、学園長と会った事があると言っていた。


「よく来てくれた。今日は二人に一つ、任せたい事があるので呼び出させてもらった」

「何ですか?」

「今日、君達のクラスにニブルヘイム皇国の皇女が編入してきただろう?」

「はい。それが何か?」

「彼女には護衛の一人もいない。なので二人にはその護衛役を任せたい。まあ、堅苦しくない言い方をすると、世話役……という事だな」

「その役を僕達が? 荷が思いと思うんですけど……」


 僕がそう言うと、学園長は肩を竦める。


「冗談を。二人ほどの適任はいない。創造魔法と破壊魔法の良いとこ取りの複合魔法、創砕魔法の使い手、ジュリウス・ディオスクロイ。そして、母親である『魔術王』ソロモンと同じ召喚魔法の使い手、ティア・レメゲトン。そんな二人だからこそ、アナスタシア皇女の護衛を頼みたいと思ったんだ。頼めるか?」

「はい。わたしで良ければ」

「君は?」

「……はい。微力ではありますが、努力します」

「ではよろしく頼む」


 それからちょっとした連絡事項を受けた後、学園長に一礼してから僕達は学園長室を後にした―――。




 ◇◇◇◇◇




 大食堂に戻ってくると、アーニャはアルマを含む女子達と談笑していた。

 唯一の男子のオリバーは、デザートの二段重ねのホットケーキを食べて関わらないようにしているらしい。気持ちは分からなくもない。


 すると、アーニャが僕達に気付いた様で、僕達の方を振り向く。


「あら、お二方。お帰りなさい」

「ああ、うん」

「学園長から何を言われたのですか?」

「アーニャの護衛を任されたわ」

「そうなのですか?」

「うん。だからまあ、よろしく」

「はい、こちらこそ」


 アーニャはそう言い、座ったままペコリとお辞儀をする。

 チラリと女子達の方を見ると、「あの二人ならなぁ〜」みたいな表情を浮かべて納得したかのように頷いている。


「それと、学園長から言われてるかもしれないけど、アーニャは今日からわたしとアルマの三人部屋になるから。よろしくね」

「はい、よろしくお願いします」

「じゃあ、アタシ達部屋移るんスか?」

「そうなるね」

「それじゃあ午後は、部屋の引っ越しッスね」

「そうだね。ちゃっちゃとやらないと日が暮れるから、早めにやらないとね」

「分かりました。……それではわたくしはこれで失礼させていただきますね」


 アーニャはそう言い、席を立つ。

 アルマも席を立ち、ティア達は女子寮へと戻って行った―――。




 ◇◇◇◇◇




 その日の夜。

 新しい部屋への引っ越しも終わり、夜ご飯を食べた後部屋に戻ってアーニャと一緒にお風呂に入っていた。

 ちなみにお風呂は各部屋に一つずつ備え付けられている。


 いつもはアルマと一緒にお風呂に入るけど、三人一緒に入ると手狭になる事、そしてアーニャは今まで使用人に身体を洗わせてたから自分で洗った事から、自分で洗う事を教える事も含めてわたしがアーニャと一緒に入っていた。


 二人一緒にお湯に浸かり、チラリとアーニャの身体に視線を這わせる。

 北国出身だからか肌は色白だし、細身の身体や髪色も相まってまるで妖精みたいな印象を与える。


「……? 何ですか?」

「ううん。肌綺麗だなぁ〜って思って見てただけ」


 わたしの視線に気付いた様だけど、別に隠すような事でも無いから素直に白状する。

 するとアーニャは、フフッと微笑む。


「ありがとうございます。ティアさんもお綺麗ですよ?」

「そう? お世辞でも嬉しいわ」

「いえ、本当の事ですよ。本当に……わたくしよりも大きくて……」


 後半は声が小さくて良く聞き取れなかったけど、不意に自分の薄い胸元に手を当てたから、もしかしたら年相応に胸のサイズにコンプレックスでもあるのかもしれない。


「……のぼせる前に上がりましょうか」

「はい」


 お風呂から上がり、バスタオルで身体の水分を拭っていく。

 下着を着けて、パジャマに着替えようとした所で、アーニャが髪の毛がびちゃびちゃのまま着替えようとするのが目に映ってしまった。


「ああ、アーニャ。髪の毛しっかりと乾かさないと」


 そう言い、わたしのバスタオルでアーニャの髪の毛を拭いていく。


「あ、ありがとうございます」

「どういたしまして」


 ……うん。

 何だかでっかい妹が出来たみたいで、色々とお世話してあげたいなぁ……っていう気持ちが沸々と湧き上がって来ていた―――。






結構面倒見が良いティア。




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