第46話 十五年後
新主人公登場&新章開幕です!
前回のあらすじ
カストールが正式に領主になった
わたしとカストールがオリュンポス王国からアースガルド帝国に渡り、カストールがルージュ村の領主になってから約十五年の月日が経過した。
この期間に村の規模は大きくなり、街と十分に呼べるくらいに発展した。
それに伴い、カストールの……と言うより、ディオスクロイ家の爵位は男爵から子爵に昇格した。
ちなみに家名は、オリュンポス王国にいた時に賜った物をそのまま名乗っている。
わたし達の周りでも変化はあり、まずはわたしとカストールとの間には、わたしの当初の願望通り三人の子供を授かった。
まずは長子で長男のジュリウス。
今年で十四才になるわたし達の息子は、カストールに似た顔付きで髪色はわたしと同じ銀色だった。
ジュリウスも他の子供達も、両親共に碧眼だから全員碧眼だった。
ジュリウスは去年からわたし達の下を離れ、ソロモンさんが領主を務める交易都市、オーロラの街にある全寮制の学園に通っている。
今は長期休暇で、実家であるわたし達の屋敷に帰って来ていた。
次が、長女と次女のジェシカとジェニカ。
二人はジュリウスの二つ下の一卵性の双子で、髪色はカストールと同じ金髪だった。
ジェシカは髪を三つ編みに、ジェニカはポニーテールにしている。
性格はジェシカが大人しめ、ジェニカが活発と正反対だけど、姉妹仲はとても良い。
具体的には、もうお年頃なんだから部屋を分けようか? って何度も言ってるのに、いつも二人揃って「今のまま、二人一部屋で良い」と声を揃えて答えるくらいには。
後、若干ブラコン&シスコン気味な気がしないでもない。
わたし達以外でも、シグルド達やジークフリードさん達にも子供が出来、スルーズ達も各々家庭を持っていた。
シグルドとブリュンヒルデとの間の息子であるオリバーはジュリウスと同い年で、ジークフリードさんとクリームヒルトさんとの間の娘であるベルはジェシカ、ジェニカと同い年だった。
オリバーとベルの二人は、それぞれの従騎士として育てている。
だからか、シグルド達が直々に鍛練をつけていた。
それとついでに、ジュリウスにも鍛練をつけてもらっている。
その当の本人はと言うと―――。
◇◇◇◇◇
ジュリウスの上段からの振り下ろしを、シグルドは剣で受け止め受け流す。
ちなみに二人が使っているのは木剣だった。
振り下ろしを受け流されたジュリウスは一旦距離を取ろうとしたのか、後ろに下がろうとする。
だけどシグルドはその足を踏みつけ、逃げられないようにする。
そしてコツンと、木剣の腹の部分でジュリウスの頭を叩く。
「これで終わりですね」
「むっ……相手の足を踏みつけるのは反則なんじゃないのか?」
「実際の戦闘では反則も卑怯も無いですよ。最終的に自分が生きてれば良いんですから。その為にはどんな手でも使うのが得策です。分かりましたか、坊っちゃん?」
「……納得はしないけど、理解はした」
「なら良かったです。……次はオリバーだな。どれだけ上達してるか試してやろう」
「俺に負けて泣くなよ、父さん?」
ジュリウスと入れ替わり、今度はオリバーがシグルドと剣を交える。
ちなみにオリバーは仮とは言えジュリウスの従騎士として、一緒に学園に通っている。
だから今はジュリウスと一緒に、ルージュの街に帰って来ていた。
「ふぅ〜……」
「お疲れ様、ジュリウス」
「ああ。ありがとう、ティア」
ジュリウスは青髪の少女からタオルを受け取り、汗を拭う。
少女の名前はティアちゃんで、ソロモンさんとアルスさんとの間に産まれた子供だった。
オーロラの街とルージュの街はちょっと距離が離れてるけど隣街同士だから、小さい頃からよくお互いの家に遊びに行っていた。
だからまあ、ジュリウスとティアちゃんは幼馴染と言えるだろう。
そんなティアちゃんも、ジュリウス達と同じ学園に通っている。
「手も足も出て無かったね、ジュリウス」
「うるさいな。……シャワー浴びてくる」
ジュリウスはそう言い、一足先に屋敷の中へと戻って行く。
「ティアちゃん。クッキー焼いたけど、食べる?」
「はい! ポルクスおば様のクッキー凄く美味しくて、わたし大好きなんです!」
「うふふ……そう言ってくれると嬉しいな」
そう答え、わたしもティアちゃんと一緒に屋敷の中へと戻って行った―――。
じ、次回からきちんとジュリウスが主役で物語が進みます(震え声)。
評価、ブックマークをしていただけると嬉しいです。




