表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/188

第39話 盗賊の王 中編

前回のあらすじ

『アラジン』のアジトに乗り込もう

 

 大盗賊団『アラジン』がアジトにしている洞窟、その最深部。

 後付けのドアを激しく叩く音で、『アラジン』の頭領であるアリババは目を覚ます。

 そしてベッドから起き上がり、ドアの方へと向かう。


 昨夜は夜遅くまで自身の右腕で恋人でもあるモルジアナと性行為をしていた為、アリババは一糸纏わぬ姿であった。

 地面に落としていたローブを拾い上げ、それをバスタオルのように身体に巻き付けてからドアを開ける。


「どうした?」

「お頭! 知らねえ二人組が、俺らのアジトにカチコミしに来やがりました!」

「二人組だあ? テメエらで撃退出来ないのか? そんなヤワじゃねえだろう」

「それが奴等、俺らには手に負えない強さで!」

「はぁ……分かった。オレが直々に相手してやる。テメエらは出来る限り時間稼ぎをしろ」

「へいっ!」


 そう返事をすると、アリババの手下は足早に立ち去って行った。

 アリババはドアを閉めると、地面に落としていた自身の服を拾い上げて着替える。

 丁度その時、ベッドで眠っていたモルジアナが目を覚ました。

 こちらも当然、一糸纏わぬ姿であった。


「どうかしたの……?」

「ネズミが二匹紛れ込んだらしい。手に負えないってんで、手を貸してくれだとよ」

「手伝った方が良い?」

「そうしてくれると助かる」

「分かったわ」


 モルジアナはそう答え、ベッドから起き上がる。

 そしてアリババと同じように、脱ぎ散らかした自身の服を拾い上げて着替える。


 着替えを済ませた二人は、一度深いキスをしてから現場へと向かった―――。




 ◇◇◇◇◇




 出て来た盗賊達を、あたし達は返り討ちにしていく。

 と言っても、ロビンが全員倒しちゃってたけど……。


 すると、ゾワッ! と全身の毛が逆立つくらいの大きなプレッシャーを感じ、反射的に刀をプレッシャーの発生源へと向ける。

 その発生源から、二人組の女性が悠然と歩いてくる。


 片方は、何処ぞのお姫様と言われても通用しそうな見た目の、ゆるふわっとした雰囲気の女性。

 もう片方は、如何にも盗賊ですみたいな雰囲気の、厳つい見た目の女性。


「全く……こんな奴等に手こずるとは、オレの手下達も使えねぇな」


 すると、厳つい見た目の女性から、雰囲気通りの言葉が飛び出てきた。

 あたしが相手の出方を窺っていると、ロビンが誰何する。


「アンタが『アラジン』の頭領のアリババか……?」

「そうだが……だったら何だ?」

「ここで死んでもらう。帝国の平和の為に……」

「そうか……お断りだ」


 女性―アリババはそう言うと、瞬きの合間にあたし達に接近して来ていた。

 そしていつの間にか引き抜いた、カトラスと呼ばれる湾曲した剣を横薙ぎに大振りしてくる。

 完全に意表を突かれた形だったけど、その斬戟をロビンは短剣で真正面から受け止めていた。


「ほぉう? 少しはやるみたいだな。テメエ、何処のどいつだ?」

「……」

「無視か……まあいい。殺せば万事解決だ!」


 アリババはそう叫ぶと、カトラスを振るってロビンの身体を吹き飛ばす。

 だけどロビンはその攻撃を利用して、彼女から距離を取っていた。


「頭領の相手は任せて……貴女はそっちをお願い……」

「分かったわ」


 ロビンの指示に従い、あたしはゆるふわな雰囲気の女性に一直線に接近していく。

 彼女は慌てる様子は無く、むしろゆったりとした動作で腕を上げ人差し指をこちらに向ける。

 それを見て嫌な予感がしたあたしは、反射的に横に跳ぶ。


「《ホーリーレイ》」


 その直後、白い光線があたしが一瞬前までいた場所を貫く。

 自分のカンを信じていなかったら光線の餌食になっていたかと思うと、背筋に悪寒が駆け巡る。

 と言うか、一節詠唱の魔術を放ってくるとか……凄腕の魔術師と言わざるを得なかった。


「なるほど……一筋縄ではいかなそうね。なら……《マジックスフィア》」


 再び魔術を発動させると、彼女の周りにいくつもの光の球が浮遊する。

 《マジックスフィア》は、そこから術者が唱えた魔術と同じ魔術を放つ、高難易度の魔術だった。

 本当に、只者じゃないようだ。


「《ダークレイ》」


 すると今度は、黒い光線が女性の指先と《マジックスフィア》から放たれた。

 雨のようなその攻撃を、あたしは致命傷になる攻撃だけを両手の刀で弾きつつ接近していく。


 すると、あたしのカンが危険を知らせてきた。

 気付くと、あたしの周りを取り囲むように《マジックスフィア》が浮かんでいた。

 そしてそこから、黒い光線が放たれる。


 回避も、魔法による迎撃も間に合わないと悟ったあたしは、己に待ち受けるであろう運命を受け入れるようにぎゅっと目を瞑る。

 だけど、いくら待っても光線があたしの身体を貫く事は無かった。


 恐る恐る目を開けると、あたしの身体は横抱き―所謂お姫様抱っこ―に抱き抱えられていた。

 そしてあたしを抱き抱えている張本人はと言うと、ロビン……で合ってると思う。


 何で自信が無いのかって言うと、ロビンの身長が伸びていて顔付きもキリッとした表情に変わっているのと、瞳の色が右目は青空のように蒼いのに対して、左目が夕焼けのように紅く変化していたからだった。


「ふっ、はは……あはははははははははははははははははっ!! そうか! そう言う事か!」


 アリババは高笑いすると、得心がいったとでも言いたげに凶暴過ぎる満面の笑みを浮かべる。


「悪運は強い方だと思っていたが、ここまで来ると最早豪運だな! テメエを殺せばオレの箔も鰻登りってわけだ! ええ、そうだろう! 『陰の皇帝』、『盗賊王』ロキ!!」






ロビンの正体はロキでした。

ロビンフッドとロキを合体させるとか、自分でもどうかしてると思います。




評価、ブックマークをしていただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ