表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/188

第27話 交流

前回のあらすじ

レムリア大陸の国々について説明した

 

「う〜ん?」


 私達に宛がわれた客室に入って早々、クリームヒルトさんが私に近付いて顔をまじまじと見つめてきた。

 彼女は、少しクセのある長いアッシュブロンドの髪と、サファイアのように蒼い瞳が特徴的な女性だった。


 そんな彼女が、何でそんなことをするのか分からず、少したじろぐ。


「あの……私の顔に何か?」

「気のせいなら良いんだけど……貴女、ユグドラシル皇家の関係者か何か?」

「えっ? 何でですか?」

「年近そうだし、タメ口で良いわよ。そうねぇ……皇家の人に多い、白髪とオッドアイだからかしら? 後、使える魔法が刻印魔法って言ってたでしょ? それも皇家の人に多いのよ」


 まさか出会ってまだ数日の彼女に、私がオッドアイと見破られるなんて思わなかった。

 確かに私はオッドアイだけど、右目がコバルトブルー、左目がサファイアブルーの、パッと見だと分かりづらい色合いだった。

 付き合いの長いシグだって、何年か経ってから気付いたくらいなんだから。


「たぶん関係者じゃないです……じゃないわよ。私って孤児だし、親の顔だって小さい頃に亡くなった母親の顔しか知らないから」

「それはその……ごめん」

「ううん、気にしないで」

「でもそっかぁ……気のせいか」


 クリームヒルトはそう言い、二つあるシングルベッドの片方にボスンと腰掛ける。

 私も反対のベッドに腰掛けると、船が大きく揺れた。どうやら船が出港したようだ。


「ねえ、ブリュンヒルデ……って長いわね。愛称で呼んで良い?」

「ならヒルデで。仲の良い人は皆そう呼んでるから」

「分かった。ヒルデって、あのシグルドって人と付き合ってたり……」

「あはは……まさか。私とシグはそんな関係じゃないわよ。同じ孤児院で育っただけだし、家族みたいなモノよ」

「そっかぁ……つまんないなぁ……」


 クリームヒルトはそう言うと、ボスンと仰向けになる。

 他に聞きたいことは無いみたいだから、今度はこっちから質問してみる。


「じゃあさ。クリームヒルトはあのジークフリードって人と一体どんな関係なの?」

「ん〜? 旅仲間、かな?」

「他には? ほら、二人共若いんだから、男女の関係になったりとかは……」

「あの朴念仁に期待なんて出来ないわよ!」


 そう言うと、クリームヒルトはガバッと起き上がる。


「ぼ、朴念仁……?」

「そうよ! アタシがいくらアピールしても、全然無反応なんだもの! 朴念仁って言って何が悪いの!?」

「いや、悪くはない……かな?」

「ああ……思い出しただけでもイライラしてきた……聞いてよ、ヒルデ! アイツったら……」


 それから豪雨のように、クリームヒルトは不平不満を並べ立てる。

 感情としては怒っているんだろうけど、ジークフリードさんについて語る彼女の顔は正に、恋する乙女そのものだった―――。




 ◇◇◇◇◇




「へあっ!」

「何だ、風邪か?」

「いや……誰か噂でもしてるんだろう」


 甲板で潮風に当たっていると、ジークフリードが盛大なくしゃみをする。

 この船は客船と言うだけあって大きく、客層もレムリア大陸に渡る冒険者風の出で立ちの集団や、旅行なのか家族連れらしき人影もちらほらと見える。

 そんな中、俺とジークフリードは手すりにもたれ掛かっていた。


「アースガルド帝国もレムリア大陸も初めて行くが……どうなんだ?」

「オレの主観ではあるが、良い所だぞ」

「そうか。楽しみだ」

「期待して良いぞ……うん?」


 すると、ジークフリードは水平線の向こう側に目を向ける。

 近付いてくる船が一隻、二隻、三隻……って、どんどん増えてくる!

 しかも、帆にはこれ見よがしに特徴的なドクロのマークが描かれていた。


 海の事に疎い俺でも分かる。

 アレは、あの船団は……。


「「海賊か!」」


 俺とジークフリードが同時にそう言った直後、船団から大砲の玉が飛んでくる。

 当たり所が悪いと最悪沈むその砲撃はしかし、こちらを威嚇するように船の大分手前に着弾する。

 だけど威嚇射撃としては十分で、余波で舞い上がった水飛沫が甲板を襲う。


「くっ……」

「運が悪いな。まさかこんな所で遭遇するとは……」

「……? あの船団について何か知ってるのか?」


 俺がそう尋ねると、ジークフリードは神妙な面持ちで頷く。


「ああ。あの海賊達は黒髭海賊団。『黒髭』の異名を持つエドワード・ティーチが率いる、ここら一帯の海域を支配する最低最悪の海賊だ」






船旅に海賊の襲撃は付き物(偏見)。




評価、ブックマークをしていただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ