第26話 新天地の国々
前回のあらすじ
レムリア大陸に行こう
途中休憩も挟みながら、陽が暮れかけた頃合いに今日の目的地である港町、カシオペアの街に辿り着いた。
道中ジークフリードさんに聞いた話だと、この街からレムリア大陸行きの船が出ているらしい。
そしてジークフリードさん達も、このアトランティス大陸にやって来た時に最初に来た街らしい。
街の外の開けた場所に着地し、わたし達は籠から降りる。
クリームヒルトさんもドラゴンから人の姿へと戻り、籠は邪魔でしかないからカストールの破壊魔法で粉々に破壊してもらった。
それからわたし達は、街の中へと入る。
夕暮れ時だからなのか、通りを足早に通り過ぎる人達が多かった。
そんな中で、わたし達は今日泊まる宿屋を探す。
十分くらい通りを歩くと、泊まれそうな宿屋を見つけた。
宿屋はそこに決め、わたし達はそこで夜を明かした―――。
◇◇◇◇◇
翌日。
レムリア大陸行きの船に乗り込み、客室へと向かう。
カシオペアの街から船の到着地であるブラウの街までは、一週間ほど掛かるらしい。
客室は三つ取り、一つはブリュンヒルデとクリームヒルトさんの女性陣、一つはシグルドとジークフリードさんの男性陣、そして角部屋がわたしとカストールが泊まることになった。
客室の構造自体はとてもシンプルなモノで、机と椅子が二脚、それとダブルベッドが一つだった。
たぶんこの部屋だけだと思うけど、ターゲット層は恋人や夫婦を想定したような内装だった。
「ふぅ……」
カストールは息を吐き、椅子に軽く腰掛ける。
わたしもベッドの縁に座る。
「アースガルド帝国か……いったいどんなところだろうね?」
「確か……皇帝は代々、初代国王の名前のオーディンを即位時に襲名するんだったかな?」
「何で知って……って、そうか。ポルクスは元とは言えポセイドン殿下の婚約者だったんだもんね。王妃になるための教育は受けてるか」
「まあね。こんな形で役に立つとは思わなかったけどね」
「じゃあさ。暇潰しにレムリア大陸にある国について、軽くでいいから教えてくれるかな?」
「任せて」
そこで一旦区切り、わたしは記憶を辿りながらレムリア大陸の国々の特徴を思い出す。
「レムリア大陸には九つの国があるんだけど、まず最初はさっきも言ったアースガルド帝国。帝国の皇帝にはそういうシステムがあるのと、レムリア大陸で一番の国土を持ってるの。でも歴史上一番の大きさってわけでもないの」
「……? 何で?」
「その理由が隣国のミッドガル帝国にあるの。この国は、初代国王の子供である二人の皇子が無駄な帝位争いをしないために、第二皇子のために当時のアースガルド帝国を分割して建国した国なの。国土面積も、今のアースガルド帝国とほとんど同じ」
「じゃあ、アースガルド帝国とミッドガル帝国は兄弟みたいな国なんだ」
「そうだね。文化も似通ってるし、交流も盛んな仲の良い国なの」
「へぇ〜」
カストールが感心したように頷く中、わたしは記憶をさらに辿る。
「三つ目が、そうだなぁ……ムスペルヘイム王国かな。この国は火山地帯が多くて、それに類する荒野や砂漠が国土の大半を占めてるの」
「じゃあ、国力はそんなに高くはないのかな?」
「それがそうでもなくて、ムスペルヘイム王国はレムリア大陸一の漁業大国なの。ムスペルヘイム王国はレムリア大陸の西海岸一帯を国土に持ってるんだけど、ちょうど潮目がある所だから種類の豊富な魚がいっぱい獲れるみたい。だからムスペルヘイム王国は、漁業で成り立ってる国かな」
「他は?」
「他は、そうだなぁ……あ。ニブルヘイム皇国かな。ニブルヘイム皇国はレムリア大陸の北部に位置する国で、土地柄長い冬を過ごさなくちゃいけない極寒の地だって言われてるの。それが理由なのかもしれないけど、身体を温めるためのアルコール度数の高いお酒とか、独特な味のお酒を醸造・輸出することで国として成り立たせてるって言われてる」
「酒で成り立つ国か……面白いね。他は?」
カストールに催促されるけど、わたしだって昔習ったことの全部が全部を完璧に覚えているわけじゃない。
だから、思い出すのに時間が掛かった。
「他、他…………………………あ。アルヴヘイム連邦もあった。この国は、国民の半分以上がエルフの国なの。反対に、スヴァルト合衆国はドワーフが多い国だね。後は……ごめん、思い出せないや」
「いや、十分だよ。結構面白そうな所みたいだね。今から楽しみだよ」
そう言うカストールの顔は、今から全力で遊ぶような少年のように輝いていた―――。
残りの国々についてはまたいつか。
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