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第24話 面会

前回のあらすじ

ポルクスがポセイドンを殴ったら国外追放処分にされた

 

 二週間後。

 ジェミニの街に帰って来たわたし達は、一連の出来事を使用人達に順番に伝えた。

 今は最後であるケイローンさんに伝えている。


 ちなみに、この街の次の領主はワサトになるように掛け合うとアルヘナお兄ちゃんは言っていた。

 だから余程のことがない限り、ワサトがこの街を治めることになるだろう。


「……ということなので、出来ればケイローンさんには次の領主の支えとなって欲しいんですけど……」

「それが旦那様の最後のご命令とあらば」

「ありがとうございます」

「話は変わりますが……私の知人の呪術師がこの間この街にやって来たのですが、如何致しますか?」

「そうなんですか? じゃあ今すぐ会います。呼んで来てもらってもいいですか? あとアタランテも」

「畏まりました」


 ケイローンさんはそう言って頭を下げた後、執務室から出て行った―――。




 ◇◇◇◇◇




 三十分後。

 ケイローンさんの知人である呪術師のキルケーさんがやって来た。


 彼女はエルフらしく、実年齢はケイローンさんと同じでも見た目は二十代の女性そのものだった。

 エルフやドワーフの亜人は、見た目と実年齢が一致しないことは有名だった。


 そんなキルケーさんは、アタランテちゃんの身体をペタペタと触って触診していた。


「ふむ……なるほど。興味深いね。ここまで怨みの籠った呪いはそうそう見たことが無い」

「それで……どうなんだ、キルケー? 解呪出来るのか?」

「無理だね」


 ケイローンさんの問い掛けに、キルケーさんは即答する。


「ここまで呪いが定着しちゃってたら、もう解呪は不可能だ。いくら私の腕であってもね」

「ふむ……呪術返しはどうなんだ?」

「返せはするけど……せいぜい、日常的にタンスの角に足の小指をぶつけるくらいしか出来ないよ?」


 それもそれですごい呪術返しだとは思うけど、アタランテちゃんに掛けられた獣人化の呪いに比べたら規模が小さいと言うか……しょっぱい呪いでしかない。


「分かりました、ありがとうございます。それじゃああたしは一生このままってことですね?」

「そうだね、申し訳ない。解呪出来れば良かったんだけど……」

「いえいえ、謝らなくても……それに、この身体もちょっと気に入ってきたところなので」


 アタランテちゃんはそう言い、獣耳と尻尾を触る。

 すると、コンコンと執務室のドアを軽くノックする音が響く。

 わたしが返事をすると、シグルドが入ってきた。


「失礼します。カストールの旦那に会いたいという旅人が来ているんですが……どうします?」

「旅人?」

「ええ。男女の二人組でしたね。何でも、この間のスタンピード騒ぎの時にドラゴンを倒した奴等について聞きたいとか何とか」

「……それ、シグルドじゃない?」

「確かにトドメは俺が刺しましたが、旦那とブリュンヒルデの協力があったからですよ? 俺一人の力じゃないですよ」

「まあ良いけど……旅人だよね。うん、会ってみようかな」

「それじゃあ連れてきます。門の外で待ってもらってるので」


 シグルドはそう言い、執務室を出て行った。


「……と言うことなので、キルケーさん。ご協力、ありがとうございました」

「いやいや。私もこんな面白……コホン。珍しい呪いを見られて良かったよ」


 そう言えば、ケイローンさんがキルケーさんのことを、「世にも珍しい呪いを見つける・体験するのが生き甲斐の変態エルフ」って評していたけど……あながち間違いじゃないようだ。


 それからカストールが報酬金をキルケーさんに渡し、アタランテちゃん達と共に執務室を出て行く。

 それと入れ替わるようにして、シグルドが件の旅人を連れて入ってきた。


「貴方が僕に会いたいと言っていた旅人で?」

「ああ。オレはジークフリード。ドラゴン退治を生業にしている冒険者だ。言葉遣いが粗暴なのは大目に見てもらいたい。こっちはオレの連れのクリームヒルト」

「クリームヒルトです」

「僕はこの街の領主のカストールです。そしてこちらは僕の妻のポルクス」

「ポルクスです」

「それで……我が家に何の用で?」

「少し前に、この街でスタンピードが発生したとの噂を耳にして、な……そしてそのスタンピードではドラゴンが出現したとも。長いことドラゴンを退治してきたオレだから分かる。ドラゴンはそう易々と討伐される魔物じゃない。だから興味が湧いたんだ。ドラゴンを討伐した者を」

「そっか……」


 カストールはそう言って一拍置き、当時の経緯をジークフリードさんに説明する。


「なるほど、三人掛かりで討伐した、と……それも十分偉業ではあるが、余程実力が高いとお見受けする」

「それはどうも」

「そんな貴方に提案なんだが……オレ達を雇う気はないか? オレ達の専門はドラゴンの討伐だが、他の魔物も難なく討伐出来るだけの実力はあるぞ」

「提案自体はありがたいんですけど……」


 そう前置きし、カストールは国外追放された件をジークフリードさん達に伝える。


「……と言うことなので、雇うことは出来ないんですよ。スミマセン」

「いや、謝るようなことじゃない。しかし、どうしたものか……」

「一ついいですか?」

「……? 何ですか?」


 わたしが聞き返すと、クリームヒルトさんは驚くようなことを提案してきた。


「もし行くアテが無いんでしたら来ますか? アタシ達の故郷、アースガルド帝国に」






次回から新章です!


次回更新はおおよそ二週間後を予定しています。




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