第21話 久々の交流
前回のあらすじ
王都に戻った
突然だけど、わたし達いとこの中で同い年なのはわたしとカストールだけで、今現在十九才だ。
アルヘナお兄ちゃんはわたし達の三つ年上で、ヘレネお姉ちゃんが二つ上。
そしてクリュネちゃんがわたし達の四つ下で、ワサトが五つ下と、見事に年齢がバラけていた。
だからというわけでもないけど、わたし達はいとこ同士でもまるで本当の兄弟姉妹のようにお互いに接していた―――。
◇◇◇◇◇
「そう言えば……ジェミニの街でスタンピードが発生したと聞いたが?」
「耳が早いね」
「まあな。弟が治めている街のことだからな。気にならないというのは嘘になる」
「そっか……いくらか被害は受けたけど、今は順調に復興中だよ」
カストールはアルヘナお兄ちゃんと久しぶりに会えて嬉しいのか、話している最中ずっと笑っている。それはアルヘナお兄ちゃんも同様だった。
わたしもわたしで、ヘレネお姉ちゃんに久しぶりに会えて嬉しかった。
「妊娠してるなんて知らなかったよ、お姉ちゃん」
「あれ? 手紙は出したんだけど……届かなかった?」
「つい最近までゴタゴタしてたからね。……触ってもいい?」
「ええ、良いわよ」
ヘレネお姉ちゃんの許可も出たから、お姉ちゃんのお腹に触る。
お姉ちゃんのお腹は大きくなっていて、ここに新しい命が宿っていると思うと感動する。
「今いくつなの?」
「七ヶ月よ。産まれるのはもう少し先ね」
「そっか……その時は来るよ」
「ポルクスお姉ちゃんのところはどうなの?」
すると、クリュネちゃんがニヤニヤとしながらわたしに尋ねてくる。
「わたしのところはまだかなぁ……」
「そうなんだ。楽しみにしてたんだけどなぁ〜」
「まあ、楽しみが先に延びたと思ってもらうしかないかな?」
「それもそっか」
なんて会話をしていると、ワサトがリビングにやって来た。
「あれ? ポルクス姉さん、何で居るの?」
「第一声がそれ? 他に言うことは無いの?」
「他に? う〜ん……無いかな」
「あ、そう……」
素っ気無い態度だけど、ワサトは誰に対してもこんな感じだから別に目くじらを立てるほどでも無かった。
それよりも……。
「それより……ワサト。クリュネちゃんの部屋で何してたの?」
「何って……ただ昼寝してただけだよ?」
「……クリュネちゃんのベッドで?」
「他に何処で寝ろって言うの?」
何を当たり前なことを? みたいにワサトは首を傾げるけど、それはこっちの台詞だった。
「……いくら何でも、婚約者とは言え年頃の女の子のベッドで眠るのはどうかと思うよ?」
「ボクだって最初の内は断ったよ。でも、クリュネが強引に誘うんだもん。仕方ないじゃん」
「そっか……うん? その口振りだと……」
「今は普通に眠ってる。何なら、たまにクリュネも一緒に眠ってるよ」
「……ふぅ〜〜〜ん?」
ニヤニヤとしながらクリュネちゃんの方に目を向けると、クリュネちゃんは鳴らない口笛を吹きながらそっぽを向いていた。
だけどその顔は、リンゴみたいに真っ赤だった。仲睦まじいようでなによりだ。
それからは、離れていた時間を埋め合わせるように、お喋りに華を咲かせていた―――。
◇◇◇◇◇
同時刻。
ジェミニの街を、一組の男女が訪れていた。
男の方は身の丈ほどもある大剣を背中に背負い、黒く輝く鎧を身に纏っていた。
女の方はフリルやレースをあしらった黒いドレスを身に纏い、腰にはレイピアを携えていた。
「スタンピードの被害を受けたと聞いたが……もう復興作業に入ってるのか」
「それだけこの街の領主が優秀ってことじゃないの?」
「かもな。……さて。領主の屋敷は何処だか……」
そう言いながら街中を歩く二人の目の前を、獣のような耳と尻尾を生やした少女―アタランテが子供達に囲まれながら横切った。
アタランテの見た目に驚きつつも、二人は声を掛ける。
「すまない。ちょっといいか?」
「……? 何ですか?」
首を傾げつつも、アタランテが代表して答える。
「この街の領主の屋敷は何処にあるんだ? 少し用事があるんだが……」
「屋敷なら、この道を真っ直ぐに進めば見えてきますよ。でも今は、領主は不在ですよ?」
「そうなのか……すまない。ありがとう」
男が礼を言うと、アタランテ達は二人の前から去って行った。
「いないのか……どうする? 戻ってくるまでこの街に滞在するか?」
「仕方ないわよね。良いわ、そうしましょう」
そうして二人は、宿屋を探しに向かった―――。
二人組の正体はいつか……。
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