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第19話 イレギュラー再び

前回のあらすじ

コジロウとアヤメがついてくることになった

 

 イレギュラーはあったけど、馬車は何も問題無く進んで行く。

 ……そう思ったのがいけなかったのか、街道の脇から武装した荒くれ者達が現れた。その数はざっと見て三十人以上はいる。


「へっへっへっ……金目の物と女は置いていきな!」

「男はこの場で殺す! 女は俺達が楽しんだ後に殺す!」


 馬車の中にいても聞こえるくらいの大声で、言っている内容も典型的な荒くれ者のソレだった。

 ……と言うか、ポルクスに手を出すつもりか、奴等は……生かしてはおけない。


 何て思っていると、ポルクスは何故か馬車の扉を自分で開けて外へと出る。

 それを目敏く見つけた荒くれ者の一人が、ポルクスへと不用心に近付く。


「ほぉ〜う? こいつは上玉じゃないか! 随分と楽しめそうだ――」

「《クリエイト:ランス》」


 ポルクスの創造魔法はその性質上、用途を限定的に絞れば絞るほど威力も強度も増す……と本人が言っていた。

 具体的には、今身体の内側から無数の槍を生やした荒くれ者みたいに。


「全く……これだから荒くれ者は……」

「テメェ!!」

「このアマ! タダじゃおかねえ! テメェは……」

「《クリエイト:ソード》」


 ポルクスは今度は剣を生み出し、無数のソレを荒くれ者達の方に投擲する。

 彼等は何本かは武器で叩き落としていたけど、圧倒的な物量には抗えずにその身体を刃で斬り刻まれ、貫かれていた。

 その内の一本が馬車の中にいる僕の方に飛んできたけど……これはアレか。僕にも戦えと暗に言っているのか。別に良いけど……。


 剣を手に取り、馬車を降りる。

 シグルド達は既に戦闘に入っており、荒くれ者達を次々と倒している。


 ポルクスの攻撃を奇跡的に受けなかった荒くれ者達は、最大限の警戒を露にしながらポルクスを半円状に取り囲む。

 その中には、荒くれ者達のリーダーと思しき、雰囲気が他の奴等とは異なる人物がいた。


「テメェ……タダで済むとは思うなよ? テメェは犯して犯して犯し尽くして、魔物のエサにでも変えてやる」

「それはこちらの台詞よ。荒くれ者は荒くれ者らしく、草木の養分になったらどう? ……ああ。それじゃあ草木に失礼ね。大人しく土にでも還りなさい」


 いつになくポルクスは攻撃的なことを言っているけど、これはポルクスの家……というより、僕達の母親達の教育方針が原因だった。


 その方針とは、「善意にはそれ以上の善意で、悪意にはそれ以上の悪意で以て返すべき」といったモノだった。

 だから、ポルクスが普段とは違う雰囲気になってても僕は全然驚かなかった。


 閑話休題。

 ポルクスの言葉が怒りの琴線に触れたのか、荒くれ者達は一気に殺気立つ。


「……いいだろう。予定変更だ。そのナメた口が二度と聞けねぇよう、テメェはこの場で殺す!」

「――させるかよ」


 一番近くにいた荒くれ者に接近し、剣を突き刺す。

 そして剣を起点にして破壊魔法を発動させ、体内から破壊する。

 荒くれ者の上半身は吹き飛び、剣も刀身の殆どが失われていた。

 でも元々ポルクスが作り出したモノだし、使い捨ての剣だと思えば十分以上の働きをしてくれた。


 僕はそのまま近くにいた荒くれ者に近付き、パンチを繰り出す。

 相手の顔面に触れた瞬間に再び破壊魔法を発動させ、拳を振り抜くと同時に相手の頭はパァン! と破裂して中身が飛び散った。

 頭を失った身体は仰向けに倒れるけど、身体がまだ死を認識していないのかビクッビクッと震えていた。


「うわぁ……容赦無いね、カストール。ちょっと引くよ〜」

「ポルクスが言う、それ? ポルクスだって容赦無いじゃん」

「だって相手が――」

「ああ、うん。分かってるから。だからとっとと残りも……」

「残りは拙者に任せて頂きたい」


 片付けよう、と言おうとしたところで、コジロウさんが介入してきた。

 コジロウさんの手には彼の身長ほどもあるカタナが握られており、見ると荒くれ者達は僕の目の前にいる奴等以外全員片付けられていた。


「それじゃあ、任せます。……ポルクス、僕達は引こう」

「うん」

「任された」


 僕はポルクスと一緒に馬車のところまで退き、僕達と入れ替わる形でコジロウさんが荒くれ者達の前に躍り出る。


「何だぁ、テメェ?」

「何、名乗るほどの者でもござらんよ――《壱の太刀:斬月》」


 コジロウさんがヒュッとカタナを振るうと、無数の刃が荒くれ者達を斬り刻んだ。

 そして一人残らず、ドサドサッと地面に倒れ込む。


 今のは、僕の記憶が確かなら斬撃魔法と呼ばれる魔法だ。

 斬撃魔法は炎や氷などの属性を剣に纏わせたり、今のコジロウさんみたいに刃を飛ばしたりと、多種多様な技を繰り出せる割とポピュラーな魔法だった。

 ちなみにランスロット騎士団長も、この魔法の使い手だった。


 それから僕達は、周囲に荒くれ者達の生き残りがいないかを確認してから、少し急いで馬車を再び発車させた。

 陽が落ちて街に入れなかった……何て事態は、どうしても避けたかった―――。






コジロウ……佐々木小次郎と言えばおそらく燕返しですが、作中ではいつか披露します。……きっと、おそらく、メイビー……。




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