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第108話 同盟相手は…

前回のあらすじ

ロジェロ登場

 

 時は昨夜まで遡る―――。


 夕食を終えてリビングでゆっくりしていた丁度その時、とある仕事……と言うか任務のために三ヶ月ほど街を離れていたロジェロが戻って来た。


「お帰りなさい、ロジェロ!」

「ただいま、ブラダマンテ」


 ソファーから立ち上がって勢い良く抱き着くと、ロジェロは微動だにせずにワタシの事を正面から受け止めてくれる。


 そのままの勢いでお帰りのキスをしよう――としたその時、パパがわざとらしい咳払いをする。


「ゴホン」

「あ……ブラダマンテ。続きは後でな」


 ロジェロはそう言い、ワタシとの抱擁を解く。

 そしてパパの方へと向き直る。


「ただいま戻りました、お義父さん」

「お帰り、ロジェロ君。……そして、成果の方は?」

「ルビスとサフィールの街の領主からは良き返答が。他は保留、もしくは受け入れられない、と……」


 ロジェロが請け負っていた任務というのは、近隣の街に同盟締結を提案する、と言った内容だった。


 シャルルさん達が来て多少はマシになったとは言え、ウチが弱小領地である事に変わりはない。

 この戦国時代の世の中だと、ウチみたいな街は簡単に滅ぼされるか強力な街に取り込まれてしまう。


 だから他の街と同盟を結んで、少しでも敵を減らして一日でも長く街を存続させる方法しか生存戦略を取れなかった。


「ルビスとサフィール……最近代替わりしたドレッドノート家とハイペリオン家か」

「はい。両領地共、ウチと似たような状況なので同盟は是非に、と」

「そうか、それは朗報だ。後で正式な書簡を送らないとな。……ロジェロ君、長旅で疲れただろう。今日はゆっくり休むと良い」

「はい、ではお言葉に甘えさせて頂きます」

「ロジェロ、一緒にお風呂に入ろう? 背中流してあげる」

「ホントか? ありがとう」


 そうお礼を言ってくるロジェロと手を繋いで、浴室へと向かった―――。




 ◇◇◇◇◇




 訓練場に併設されている、休憩スペースとして使っている小屋で詳しい話を聞いた。

 ちなみにローランには、僕が行くまでの間に兵士達の訓練指導を任せておいた。


 確かにロジェロ達の言う通り、この街の防衛力は心許ない。

 であるならば、使える戦力は一人でも多いにこした事はない。


「そういう事なら、断る理由は無いね」

「それじゃあ……」

「うん、これからよろしく。とりあえずブラダマンテと同じ部隊で良い?」

「はい。むしろ、オレからお願いしたいくらいですよ」

「じゃあ決まりだね。役職とかは部隊長のブラダマンテに任せるよ」

「良いんですか?」

「うん。ローランとアストルフォにも、自分の部隊の人選は本人達に任せてるからね。ブラダマンテも人選は自分好みで決めちゃって構わないよ」

「そういう事なら……ここで少しロジェロと話し合っても構わないですか?」

「うん」


 頷き、僕は小屋を後にした―――。




 ◇◇◇◇◇




 ロジェロと話し合った結果、ロジェロには副隊長を任せる事にした。


 ちなみに各部隊にも特色みたいなモノがあって、ローランさんの第一部隊は一撃の攻撃力の高い人が多く、アーちゃん率いる第二部隊は技巧派の人が多い。


 そしてワタシが部隊長を務める第三部隊は、女性兵士の数が他の部隊よりも多い。

 理由はとても単純で、「部隊長が女性の部隊の方が女性兵士達も色々とやり易いと思うから」とシャルルさんが言っていたからだった。


 そんな部隊の副隊長をロジェロに任せるけど、ロジェロにちょっかいを掛ける女性兵士なんていないし、ロジェロもちょっかいを掛けたりしないだろう。


 なんて思いながら小屋を出て訓練場に向かうと、シャルルさんが兵士達との模擬戦を繰り広げていた。一対多数で。


 シャルルさんは創剣魔法で何本もの剣を生み出し、それらを器用に操って兵士達と善戦……いや、圧倒していた。

 ワタシはもう見慣れたからあまり驚かないけど、初見のロジェロはそうじゃなかった。


「……え? 何アレ?」

「何って、模擬戦でしょう?」

「普通模擬戦って、一対一か多対多じゃないのか?」

「そうなんだけどねぇ……シャルルさん。魔法の特性も相まって一人で多人数を相手に出来るくらいの実力があるのよ。それにすごく強いのよ、一対一でもね」

「確か……フランソワ王国で騎士団の部隊長を務めてたんだよな? なら強くて当たり前か」


 フランソワ王国騎士団の名声はこの地まで轟いているし、昨夜ロジェロにシャルルさんとローランさんの事、ついでにアーちゃんが帰って来た事を伝えていた。

 だからロジェロの何処か得心のいったような感想も納得出来た。


 そのまま模擬戦を観戦していると、五分もしない内に決着が着いた。

 もちろんシャルルさんの圧勝で、負けた兵士達は死屍累々と言った感じで地面に転がっていた。


「……まだまだだけど、動きは前よりも良くなってきてるかな? だから自分の実力に慢心せずに、日々鍛練を怠らないようにね。最低でも集団で掛かってきて僕に傷を負わせられるくらいの実力は身に付けて欲しいかなぁ」


 ……なんか空恐ろしい事を言ってのけるシャルルさんの小さくない呟きは聞かなかった事にしよう。


 そう思いながら、ワタシとロジェロも模擬戦に参加するためにシャルルさん達の方へと向かう。

 ちなみに模擬戦はコテンパンに負かされました―――。






同盟相手は後々登場予定です。




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