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第103話 国外追放

前回のあらすじ

婚約破棄された

 

 一週間後。

 僕は玉座の前で跪き、頭を垂れていた。

 隣ではミルトも同じように姿勢を低くしていたけど、その態度は堂々としていた。


 玉座におわすはこの国の国王である、エルト・サクレ・フランソワ陛下。

 今日陛下に呼び出されたのは、先週のミルトの凶行について、ミルトの処遇が決まったらしいからだった。


 僕まで呼び出されたのは、その場にいたのと、ミルトの幼馴染だから聞く権利くらいはあるだろうという理由かららしい。


「お呼びですか、お父様?」

「ああ。まったく……我が娘ながら、とんでもない事をしでかしてくれたな」

「それほどでも〜」

「褒めとらんわ……」


 陛下はそう仰ると、深く長い溜め息を吐く。

 今の陛下の姿は一国の王と言うよりも、何処にでも居る一人の父親にしか見えなかった。


「はあああぁぁぁ〜〜〜……まあ良い。手っ取り早く用件を済まそう。ミルト、お前を国外追放処分とする。異論は認めんぞ」

「えっ? 国外、追放……?」


 予想外だったのか、ミルトは呆然としていた。

 僕もこの処分は少し予想外だった。


 陛下はミルトに限らず自らの子供達には甘く、怒った姿すら片手で数えるほどしか見た事がなかった。

 だからこそ、国外追放という処分を下すとは夢にも思っていなかった。


「それだけの事をしでかしたのだ、お前は。婚約破棄は、まあ……良いか。お互い合意の上でなら親が口出しする事でもない」

「なら、そんな処分を下さなくても……」

「流石に一国の皇子をぶん殴っておいてお咎め無し、とはいかんだろう。相手方に十分な慰謝料も払うが、目に見える処罰も必要だろう」

「だから、国外追放処分と?」

「ああ。だが、流石に大事な娘をたった一人だけで国外に出すのは気が引ける。だから……」


 陛下はそこで一旦言葉を区切り、僕の方をチラリと見る。……まさか。


「……だから、そこのシャルルをお前の護衛として付けさせてもらう」

「いや、ちょっと待っ――」

「王命だ、シャルル」

「………………はい」


 とんだとばっちりだけど、王命と言うのであれば不服だろうとそれに従わざるを得ない。


「まあすぐに追い出す訳じゃない。色々と準備期間が必要だろう。出発は、そうだな……二週間後で良いな?」

「……はい、分かりました」

「それとシャルル。一人でこのお転婆娘の面倒を見るのは何かと苦労するだろう。だから二人までなら、騎士団から引き抜いても構わない。私が許可する」

「お心遣い、感謝致します」


 そういう事なら、候補はあの二人しかいない。

 後で声を掛けておこう。


「話はそれだけだ。戻って良いぞ」

「では」


 ミルトは一礼した後、立ち上がり王の間を後にする。

 気のせいか、背中から漂う雰囲気にいつもの元気さが無いように思う。


 僕も陛下に一礼した後、立ち上がる。

 そしてこの場を去ろうとしたその時、陛下に声を掛けられた。


「シャルル」

「……? はい、何ですか?」

「ミルトの事、頼むぞ」

「お任せを」


 真剣な眼差しの陛下を前に、僕も陛下に向かって真摯な敬礼を返した―――。




 ◇◇◇◇◇




 そして二週間後。

 旅支度を整えた僕達は正門前に集合していた。


 あの後、ローランとアストルフォに声を掛け、二人にも付いてきてもらう事を頼んだ。

 二人は快諾してくれて、その後にデオンさんにも話を通しておいた。

 陛下からも後で通達はあるだろうけど、こういう事は自分で伝えておいた方が良い。


 デオンさんは僕達が騎士団から抜ける事を悲しんでいたけど、無理に引き留めるような事はしなかった。

 逆に、「遠い地でも元気で」との言葉を頂いた。


「さて、と……国外追放とは言われたけど、何処に行こうか?」


 そこが今回の最大の問題だった。

 確かにミルトは国外追放処分になったけど、その行き先は「任せる」と陛下は仰っていた。

 ミルトの自由意思を尊重しているのか、それとも行き先を考えるのが面倒だったのか……。


「東のロマンシア帝国は除外するとして……南の諸外国も今は緊張状態が続いてるし……そうなると……北方領域か」


 北方領域も北方領域であまり気が進まない。

 と言うのも、今の北方領域は小国が乱立し、パシフィス大陸北部を統一するべく各国が相争う戦国時代と化していたからだ。

 北方領域で戦闘状態で無い場所の方が少ないくらいだ。


 すると……。


「北方領域なら案内出来ますよ? ぼく、北方領域の出身なので」

「そうなの?」


 初めて聞く事実だったからそう聞き返すと、アストルフォは頷く。

 案内出来る奴がいるのなら、行き先は決まったも同然だ。


「なら、北方領域を目指そうか。とりあえず、目的地はアストルフォの故郷で良いかな?」

「お任せを。ぼくの故郷は北方領域でも、比較的穏やかな場所なので」

「それじゃあ行こうか」


 そう言うと、皆頷く。

 そして僕達は、フランソワ王国を後にした―――。






そろそろシャルル達の魔法でもお披露目しましょうかね?




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