ウケる乙女ゲーム転生モノが書きたい。
こんにちは、砂臥です。
ユルい設定のラブコメを多く書いてる人です。
そしてあらすじに『設定はユルい』と明記する、チキンハートの持ち主です。
そんな砂臥ですが、ユルい設定の書き手でありながら、自分が書くと気になってしまうのが、『乙女ゲーム転生設定』。
他人のは気にならずに読めるのに、自分が書くと気になる不思議……
真面目に考えるとツッコミどころが多く難しい為、最早『乙女ゲーム』についてはほぼ触れないぐらいの扱いにせざるを得なかったりします。
──でも、『ウケる乙女ゲーム転生モノが書きたい』!
そこで友人に相談してみました。
彼女はなろう他、小説サイト閲覧と、アプリゲームと、配信動画視聴……とややスマホ依存気味の仲間であり、私より遥かに新しいコンテンツやそこでの流行りに詳しい人です。
まあ相談ってか、ただの雑談ですが、彼女と話していると、いいヒントを貰えたりするんですよ。
この友人とはかつて、コンシューマーゲームの乙女ゲームを一緒にやった仲です。
さて、コンシューマーゲームの乙女ゲームって、皆様やったことがお有りでしょうか。
女性だけでなく男性にも(比較的)わかりやすく言うと、乙女ゲームではないけれど『サクラ大戦』とかをイメージしていただくと近いんじゃないかと。(年齢的にどこまでイケるのか不明だが、結構シリーズ出てたよね?)
流れとしては、大きなストーリーがあり、攻略対象個人のストーリーがあり、ミニゲームやイベントで好感度や信頼度などを上げつつ、話を進めていく、という。
勿論これは一例であり、皆がみんなこういうゲームではありませんが。
戦闘的なゲームストーリーを進めるためのイベントは、あったりなかったり。
割と地道な作業です。
ロープレのレベル上げとか、育成ゲームとか、そんな感じ?
異論はあるかもしれませんが、とりあえず友人との会話ですので、その前提で話は進みます。
砂「いや悪役令嬢いらねーだろ」
友「それな」
ふたりの認識する乙女ゲームでは、悪役令嬢の入る隙間など、あるわけがないのです。
乙女ゲームとは、攻略対象と仲良くなりつつ、ゲームストーリーを進めていくもの。
『悪役令嬢はそもそも要らんだろ』と思うわけです。
ただ、分岐の中で悪役令嬢が生まれても勿論おかしくはありません。
小説の中で『脇役のくせに詳しく語られすぎじゃね?どういうゲームなんだよ』というツッコミはあるかもしれませんが、攻略本に裏設定として詳しく書かれている、という設定かもしれませんしね!
だからまあ、悪役令嬢はこの際いいんです。
横綱に対する関脇ほどもツッコむ価値はありません。
まあ、私相撲詳しくないんで、そのへんよくわからないんですが。
ごめん、いい加減なこと言ったわ。
──再び友人との会話に戻ります。
砂「やっぱりそれよりヒロインが有り得ないよね~」
友「ほんそれ」
そう、ツッコミどころの本命……
それは
『乙女ゲーム悪役令嬢転生モノにおける、ビッチヒロイン』
に、ほかならないのです。
ヒロインというか、『ヒロインだから無双できる』が有り得ない。
所謂『逆ハーレムルート』ってやつでよく使われるパターンすね。
友「イキナリ好感度MAXとか、どんな裏技使ったの!?」
……これです。
先にも申した通り、好感度上げはロープレのレベル上げとか、育成ゲームとか、そんな感じの、割と地道な作業……
コンシューマーゲームで乙女ゲームをやったことある方(もしくはギャルゲーでも可)はおわかりでしょうが、キャラクターによっては最初は塩対応だったりするのを、仲良くなるために色々頑張るゲームなんです!
イキナリめっちゃ仲良し!!
しかも全員と?!
砂「だいたい学園モノなのに皆好感度MAXとか、ない!! イベント被んだろ?!」
そう、特に学園モノの場合、イベントは確実に被り、『逆ハーレム』は激ムズ。
なんならゲームとして破綻しかねない案件。
砂「逆に、それに合わせた設定にするとそんなことにツッコまれずにすむ気がする!」
★ヒロインが裏技を使用して、イキナリ全員の好感度MAXから始まる。
ヒロイン『ゲーム開始前である入学スチルの直前で、→→←←ABをした甲斐があったわ!!』
悪役令嬢『なんか変な動きをしてると思ったら、そんな裏技が!?』
★ヒロインが無双しない。
ヒロイン『ゲーム舐めんなッ! 攻略対象全てを生身で攻略しようとしたら、身体がいくつあっても足らんわぁぁぁ!! 瞬間移動でもしろと言うのか、クソがッ!!!!』
砂「……いいヒントを得た気がしたけど……広げられる気がしない」
友「そうかぁ」
砂「あ、でもスマホアプリ乙女ゲームは課金でなんとかなる? やってたよね。 どうなの?」
そう、あくまでもコンシューマーゲームを前提としてツッコんでおりましたが。
アプリゲーはどうなんですかね?
友「う~ん。 コンシューマーゲームとはちょっと違うというか……」
話を聞くと(詳しくないから割愛する)、そもそもゲーム的な縛りが違う様子。
ストーリーを追うというより、ひたすらレベル上げに近い……らしいです。
ただ、『恋愛をメインとしたゲーム』(※ゲームストーリーが元々なくて、ひたすら出会って恋愛するやつ)とはまた違うかもしれない。
これについては不明ですが、ここでの『乙女ゲーム転生』は異世界ファンタジー系を想定しているので、スルーします。
キャラクター(攻略対象)に関して。
★とにかく多い。しかも途中で増える。
★最初から好意的なキャラクターが多い。
★キャラクターカードガチャが重要。
いくつかのアプリ乙女ゲームをやってみて大変だったこと。(友人談)
★イベントに時間がかかる。(或いは時間限定イベントがある)
★こまめにログインしないとどうにもならないアイテムやガチャが多い。
★場合により、課金しないとどうにもならない。
それを踏まえて、作ってみました。
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『スマホアプリの乙女ゲームのヒロインに転生した!』
「──はっ?!」
「大丈夫かい? 素敵なお嬢さん」
「イケメン!」
「迷ったのなら、案内するぜ?」
「こっちもイケメン!」
行く先行く先々には優しいイケメンだらけ。
──でも騙されないわ!!
私は気が付いたのだ。
スマホアプリ乙女ゲームのヒロインに転生していることに。
ワンコ系イケメンに連れていかれた先で、知的眼鏡イケメンに「君の名前は?」と言われて答え(※チュートリアル)、街へと繰り出すと、出会うはイケメンばかり。
もう名前が覚えられない程のイケメン軍団の中から、五人のイケメンを選りすぐり、ダンジョンに魔物を倒しに行く日々の中──
「もっと強くなって、君を守る……!」
──などと甘い言葉を囁きつつ、奴らの目的は金!!
ああっ!
なんて世知辛いゲームに転生してしまったの!?(絶望)
「そうはいくかー!!」
「ぐふッ!?」
初期メインキャラであるワンコ系イケメンの腹に一撃食らわせると、私は脱兎の如く駆け出した。
脳内に鮮やかに甦る……『課金したのにここで終わりかよ?!』というゲーム進行でまた課金してしまった日々と、スマホの請求額。
私の稼いだ金は、もう一銭もやらないわ!!
「フツメン!」
──バーン!
「フツメンはどこじゃあぁぁぁぁぁ!!」
──ババーン!!
と、街の民家の扉をなまはげの様に次々開けていくも、出てくるのはイケメンばかり。
どこ……どこなのフツメン!?
私を幸せにしてくれる……いや、してくれなくても課金を迫らないフツメンは!!
しかし──
「──ああっイケメンしかいないッッ!!」
まさにイケメン地獄……!
地獄のイケメン軍団……課金を迫る悪魔共ッ!!
とにかくなんとか乙女ゲームの理から抜け出すべく、ひたすら街を走る私。
何故街かというと、街から出てクエスト的なモノが発生したらきっと、颯爽とイケメンがやってきて「君と出会うのを待っていた……」などと抜かした挙句、チュートリアルが始まってしまうに違いないのだ。
曲がり角を曲がると人にぶつかった。
(もしやイケメンでは……!)
最早恐怖でしかないイケメン──フラグを自ら立てたと青ざめたものの、ぶつかったのはとても愛らしい女の子だった。
「大丈夫ですか?」
そう言いながら、心配そうに手を差し出す。
(良かった……イケメンじゃなかった)
「ええ、大丈夫……」
ホッとして手を伸ばすと、触れた瞬間──
♪~♬♬~
(この音楽は!!!!)
「あの……貴女のお名前は?」
何故かチュートリアルが始まった。
──後で知ったことだが、奴は運営が新キャラとして追加した、女装男子キャラであった。
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砂「全然広が(以下略)」
──そしてこれ、設定の回収できないやつ。
『乙女ゲーム転生』の世界設定は最終的に『乙女ゲーム転生(したと思ったらよく似た違う世界でした!)』パターンが一番都合がいい気がするんですが、これ『チュートリアル』とか言っちゃってどうする気だ?っていう。
……乙女ゲーム設定とかもう考えなくていい気がしてきた。
あらすじに『設定はユルいです』と書いときますわ!!