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俺は産まれた。記憶はない。
物心付いたら産まれていた。産まれた瞬間の光景は親には申し訳ないが覚えていない。母や父がどんなに喜んで私を見たか…私に神の目線が持てるなら客感的にその瞬間を見たいと思った。どんなに喜んだ顔をしてたのだろうとか本当に私が産まれて母父は喜んだ顔をしたのだろうかを。36歳に今年なる私は私の出産の時の気持ちを母父に聞いた事がなくここまで生きてきてしまった。それを聞くのは照れ臭く恥ずかしくもあり私は聞けずにいた。その光景の事を聞けていたら今みたいに少し親とギクシャクせずに生活出来ていただろうなぁ〜と虚しく1人の頑なに生きてきてしまった。恥ずかしく孤独に…そして誰よりも純粋に。