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卒業によせて

作者: 海山 里志

 入学した時にはぴんと張り、綺麗な黒だった制服は、三年間期続けて縒れ、全体的に色褪せてところどころ染みがついている。これを”思い出”と呼ぶのだろうなあと、降りゆく雪を眺めながら思う。

 思えば入試の時も雪だった。雪に始まり雪に終わったのだ。あの頃は何でも知っていた気でいた。だからこの三年間で、分かったことより分からなくなったこの方が多い。ソクラテス風に言えば、”無知の無知”が”無知の知”に変わったということだろう。

 全く遠いところまで歩んできたものよと、小さい頃を振り返って思う。制服の袖を見ながら思うのだから、さしずめ東下りのようだ。五月ではないが、

   かきつはたあやめも分かず年月もすぎの戸開けて今別れ行く

学級日誌の最後のページにそう記して、教室を後にした。

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