第2話 消えないモヤモヤ
「翔太!!」
母さんだ、通りかかったらしい。
「おばさん、山中橋で女の人が包丁持って悲鳴あげてるってホントなの?教えてよ」
その時だった…母さんの目の色が一瞬にして変わった。そして母さんは消えてと男たちに言った。
男たちは去っていった。母さんは僕を抱きしめた。
「翔太、大丈夫⁉︎何もされてない?」
僕は山中橋の話と母さんの一瞬の変化で話が入ってこなかった。
「う、うん。僕は大丈夫…で、山中橋に何かいるの?」
母さんは
「いるわけないでしょ、あれは嘘!あんなバカみたいな話に騙されるなんて翔太もまだ子供だな〜、さーて、家に帰ろう。今日は翔太の好きなとんかつだからね!いっぱい食べて早く大きくなりなさいよー。」
違う…無理してる、いつもの母さんじゃない…
こう思う以外できなかった
家に帰っても僕のモヤモヤは消えることはなかった。僕は驚きや恐怖ではない感情が出てきてしまったようだ。
翌日
今日は金曜日だ、夜に抜け出して何があるか見にいってみようと思う。僕はカバンの中に懐中電灯と虫除けを入れた。そして夜の橋へと向かっていった。今は夜の11時、母さんはまだ起きている。
そーっと戸を開けて閉めようとした時、愛犬のハチが吠えた、吠えて吠えて吠えまくった。母さんは音に敏感でいつでも見にくる。今日は終わりだな、そう僕は思っていた。しかし、母さんが現れることはなかった。寝てしまったのだろう。そう考えるしかなかった。10分ほどして山中橋に着いた。そこで僕は驚くべき光景に出くわす。