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第3話:エリスの正体?

魔法を使えることがわかってから2週間ほど過ぎた日、エリスが朝食の時にお城に行かないかと俺達に尋ねてきた。俺達は特に断る理由もないし、お城を見てみたかったので行くことにした。

「2人とも、準備はいい?」

「ああ、いいよ」

「俺も大丈夫だ」

「じゃあ、行きましょうか。それと2人とも行く途中に魔物が出るかもしれないけどくれぐれも魔法は使わないこと」

「「……了解」」

 先日、初めて魔法を使った日の夜にこっぴどく怒られて、気づけば朝方だった事を俺と九朗は体験しているのでおいそれと魔法は使っていない。というか、使いたくない。

 出発して夕方になるまでこれと言って何も起こらず順調な旅だった。お城には明日の昼ほどに着くそうなので、夕方になった事もありここでキャンプすることにした。

「さてと、食事の準備もしたし食べましょうか」

「「いただきます」」

 食事をしながらエリスがこんな事を聞いてきた。

「2人とも、こちらの魔法は覚えた?」

「俺は、3種類だしすぐに覚えたぞ。レオはどうなんだ?」

「うん? ああ、全部覚えて今は、古代語魔術ハイ・エイシェントっての読んでる」

すると、エリスが口に含んだ物を噴出した。実に汚い……

「古代語魔術ですって? レオあれが読めるの?」

「特に難しいわけでもないけど……」

「呆れた、あれ解読するのに一文に何年もかかるのに…」

「あの言葉、実は俺たちの世界の言葉なんだよね……」

「えっ? そうなの?」

「うん」

 そう、驚いた事にこちらの古代語魔術というのは英語で書かれているのである。理由は分からないが、推測するに俺達みたいに召喚された人が大昔にいて、その人物が書いたものであると思われる。

「ほぅ、面白そうだな俺も読んでみるか」

「九朗、見るのはいいが古代語魔術を覚える必要ないみたいだぞ」

「どういうことだ?」

「つまりな、魔法は想像力だってのはわかるな」

「ああ、そう書いてあった」

「俺達がとんでもない威力の魔法使えるのは、マンガやアニメを見ているから想像がたやすいく、しかもどんな物かが分かっている」

「ふむ、ということは……」

「「呪文が必要ない」」

 そう言うと、エリスがすっころんだ。ギャクキャラになってないかエリス……

「ちょちょちょっと! マンガってのとアニメてのは分からないけど呪文なしで魔法がつかえるの?」

「あぁ、そうみたいだ」

「だけど、こちらの魔法は詠唱いるけどね。どんな物か想像つかないから」

「益々出鱈目ねあなた達」

 エリスがため息を吐きながらこちらを見た

「だから、あなた達が魔法使うときはあなた達の言葉なのね」

「え、そうなの?」

「気づかなかったの? あのとんでもない魔法使う時はあなた達の言葉だよ」

「ほう、そうなのか。ならエリスに言葉教えても使えないというわけか?」

「どうだろうね、使った事ないし」

「試してみるか?」

 九朗がそう言うとエリスの顔が青くなった

「試してもいいけど、補助系か防御系にしてね」

「ふむ、ならこれでいくか。エリス呪文は”エレエレ・ナムメイリン 精霊よ 我が盾となり給え 覇邪霊陣(ストライ・パー) ”だ」

「それ何の呪文よ」

「結界だ」

 そう、結界だが只の結界ではない。攻撃呪文をすべて防ぐ結界だ。

「そう、じゃあいいわね」

「がんばれ」

 そう言った九朗の顔が笑いを堪えている様に見えた

「”エレエレ・ナムメイリン

       精霊よ 我が盾となり給え

            覇邪霊陣(ストライ・パー) ”」

 そうエリスが唱えると、ハニカム構造の結界がエリスをまとったが……

「九朗…… 覚えてなさいよ……」

 そういうと、エリスは倒れた。慌てて介抱にむかい九朗に尋ねた。

「九朗、お前なんでエリスが倒れたのか知ってるのか?」

「ああ、この呪文は魔力を多く使うらしくてな。俺が試しに100回ほどやったらけだるくなったからかなりの魔力を使う事がわかってた」

「おいおい、知っててやったのかよ」

「まあ、この前の仕返しだな」

「エリスが目覚めてから、また怒られる事考えてないだろ」

「…… ……」

 九朗はどこかへ走っていった。

 実は、エリスに魔法の事で怒られた2日後に魔力計測みたいなものをやらされた。魔力が数値として表される便利な物だ。エリスが試しに測ったとき4800と数字が出たが普通の魔術師はせいぜい900〜1300なのだという。しかし、九朗が測ると760000という数字が出てエリスが「壊れたかしら」とかいってたが、もう一回エリスが測ると4800を示したので間違いはないみたいだった。ちなみに俺が測ると壊れた……


 次の日、早朝から九朗がエリスから怒鳴られながら城に向かって行った。エリスが言うとおり昼ごろに城に着いたのだがその見事な城の作りに感動していた。

「やっぱり本物はすげえな」

「同感だ」

 写真や映画では見た事あるお城だが、本物を目の前にすると美しさや壮大さが俺たちの心を感動させていた。

「お城を眺めているところ悪いけど、そろそろあそこに向かうわよ」

「「了解」」

 それから、30分ほど歩き城門の前で屈強の文字が似合いそうな1人の男性がエリスの到着を待っているように見えた。

「エリス様お待ちしておりました」

「お久しぶりね、トール。元気そうで何より」

「エリス様もお元気そうで安心しました、ところでこちらが?」

「ええ、手紙に書いた2人です」

 エリスは手紙で俺たちの事を知らせていた見たいである。白色の鎧を身に纏、好青年の笑顔で俺たちに話しかけてきた。

「レオ様、クロー様お待ちしておりました。私に着いてきてください」

「丁寧にありがとうございます。え〜っとトールさん?」

「失礼いたしました。私は、お城の騎士団長をしておりますトール・ハウマンと申します」

「トール様よろしく御願いします」

「よろしく頼む」

 こいつは、礼儀を知らんのか……

「こちらこそ、ではこちらへ」

 お城の装飾に目を奪われながら、待合室みたいな所へ連れて行かれた。するとエリスが

「今から王に謁見してもらいますので、失礼のないようにね。特に九朗」

「む、俺だけか」

「あなただけが心配です」

 言われ放題だな、九朗…… 昨日の事を根に持ってるんだろう

「エリス、悪いが礼儀作法をおしえてくれないか?」

「ええ、いいわよ」

 それから10分ほど基本的な礼儀作法を習っていると呼び出された。

 謁見の間に通され、王座があるところを見ると違和感があった。王であろうと思われる人がまだ、5歳ほどの少年に見えるのだが、たしか王は25歳と本に書いてあったような。

「エリスご苦労だ、そちらが例の少年達か?」

「はい、王様。手紙で知らせた者たちです」

「レオとクローと申したな、面を上げてくれ」

 そう言われ、面をあげるとやはりそこには5歳ほどの少年が座っていた。

「驚くと思うが、姿は少年であるが中身は25歳なのだよ。昨年に竜騎帝国との戦の時に魔法をかけられてな、姿がこの様になってしまった。そなた達は珍しい魔法を使うと言う事でこの魔法を解けないかと思い、エリスに頼んで来てもらったのだ」

 そう言われ、エリスのほうを見るとすまなそうにコクリとうなずいた。

「分かりました。魔法が解けるかどうか分かりませんがやってみます」

「レオ、俺からやってみる」

「分かった」

 九朗がそう言うと、いきなり呪文を唱え始めた

「”主命を受諾せよ(アクセプト)

    最愛なる 美の女神 イーノ・マータの名において

           封印よ 退け ”」

 王の周りに白煙が立ち上がり、白煙が収まると王が少し成長したように見える王様が見えた

「やはり、たりんか」

「たりない? なにがだ?」

「キスだ」

「「「「「「「「「キス?」」」」」」」」」」」

 その場にいた全員のあきれた言葉が重なった

「王よ、失礼だが后様はいないのか?」

「俺は結婚してないが婚約者はいるぞ」

「では、ここに連れてきていただけませんか?」

「そこにおるが」

 王がそう言い、指し示した人を見るとエリスだった

「「なに〜」」

 かなり驚いた。エリスが未来のお后様だとは

「エリスそういう事なら、早めに言ってほしかったんだが……」

「うむ、今まで無礼をしたな」

「そういう態度がいやで隠してたのに」

「なら、いつもの様にするだけだ。なあ、レオ」

「ああ、そうだな。それより呪文を教えるから封印の解除を」

「ああ、そうね」

 エリスに呪文を教え、顔を赤らめながら呪文を唱えキスをすると、白煙が立ち上がり消えていくとかなりの美男子が現れた。

「「「「「「「おおおおお、王様が戻られた」」」」」」」

 謁見の間は王が戻った事に歓喜し、宴会に突入しそうだったので、早々と王につげ城下町のほうへ戻っていった。戻る途中にトール様からお二人もと誘われたが丁寧に断るとお礼がしたいので明日もお城に来るようにと頼まれた。

 城下町に戻ると宿をとり、エリスの事で話を盛り上げながら早々と眠りについた。






一味唐辛子です。

更新遅くなり大変もうしわけないです。決算期で忙しかったものですから…

4月まで、更新遅いと思いますのですみませんがご理解御願いします。


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