1-『プロローク』
2015年9月17日より開始。
誤字脱字が多くなりそうです。ご容赦を。
…ふぁー、よく寝た。何だか、ずっと寝てた気がする。
長い間寝てたような気がするな…って、あれ?ここはどこだ?
名前?…思い出せない。
どこから来たのか?…思い出せない。
自分の故郷、親の名前は?…思い出す気配もない。
ダメだ、諦めよう。頭を精一杯回転させても、思い出せない。それにしても、ここは?
辺りを見渡すが、真っ暗で何も見えない。
足元を軽く触ってみたが、土っぽいザラザラとした感触が伝わってくる。
ここはどこだ?…明かりが欲しいな。
「って、うおっ!?何だこれ?」
明かりが欲しい、と思った瞬間、頭の中にとある文字が浮かんだ。
『壁掛けたいまつ』…召喚可能。
壁掛けたいまつ?召喚?…何なんだ?さっぱり訳が分からない。
と思いつつも、頭の中で『召喚』と念じてみる。すると、手の中に火が付いた状態のたいまつが現れた。
「…好きな物を召喚できる能力でも備わってるのか?」
たいまつを手に持ってるので、辺りがよく見える。それで、ここがどんな部屋が分かった。
辺り一面、土壁で構成された部屋だ。
3メートル程度四方の部屋の中には何も無く、天井も左右の壁も、全て土で覆われている。
…というか、これそのうち呼吸できなくなって死ぬんじゃないか…?
『ダンジョンクリエイター』…習得完了。
ん?ダンジョンクリエイター?何だそれ。
『ダンジョンを作る事。そして、迫り来る侵入者を退ける事。さもなくば、貴方は死にます。』
…は?ちょっと待て!勝手に決めるな!
と頭の中で抗議したが、もう頭の中には何の文字も浮かんでこない。
ダンジョンクリエイターって何すりゃいいのよ、具体的に。
『…ダンジョンとは、迷宮の意味。そして、貴方が居る世界では、ダンジョンは討伐すべき目標として知られています。なので、貴方が何もしなければ、そのうち侵入者に殺されます。』
うん、実に分かりやすい。単刀直入に物を言うな。
って事はつまりあれか?罠とかしかけて、文字通り迷宮に仕上げて、自分の身を守ればいいのか?
『…それだけでは不十分。魔物や召喚獣、使役獣を用いる事も推奨。それと、召喚は貴方の魔力保有量と相談する事を強く推奨。』
魔力保有量?何だそれは。
『…この世界では、人それぞれに【魔力】と呼ばれる力があります。貴方はダンジョンクリエイターになった事で、【魔力】を用いて物や魔物などを【召喚】できる能力が身に着きました。』
ふむ。続けて。
『貴方の魔力保有量は、まだ未発達です。ですが、毎日魔力を使い続ける事で、無限に成長するでしょう。…ちなみに、普通の人は魔力の上限は決まっています。』
成程。つまりは、魔力を駆使して、色んな物を召喚したりして、ダンジョンを作ればいいんだな?それで、身を守れと。
『肯定。なお、このダンジョンが見つかるまでにはまだ時間があります。それまでに最低限の改造を終えておく事を推奨します。』
…そうかい。つまりは、色々召喚しまくって、自分の身を守ればいいんだな?
よし分かった、ならやってやろうじゃないか!
俺が掲げる目標は一つだ!
それは、―誰にも邪魔されないようにゆっくりと暮らす事だ!