表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
まだ朝  作者: 奥本はじめ
6/12

第6章 書かないこと

奈緒はある日、カフェにいた。

由香が扉を開けると、奈緒が窓際に座っていた。

「すみません」

「どうしたの」

「場所、岸本さんに聞いて」

由香は向かいに座る。

片桐がコーヒーを置く。

奈緒が店内を見る。

「静かですね」

「うん」

奈緒はノートを見る。

「それ、毎日書いてるんですか」

「うん」

「何を」

「光」

奈緒は少し黙る。

「なんでですか」

由香は窓を見る。

「忘れないように」

「何を」

「今日」

奈緒は少し考える。

「じゃあ、人は書かないんですか」

由香はすぐ答える。

「書かない」

「どうして」

由香はノートを閉じる。

「人は変わるから」

奈緒は首をかしげる。

「光も変わるじゃないですか」

由香は少し笑う。

「人は、わかんないから」

奈緒は黙る。

窓の外を人が通る。

奈緒が言う。

「でも、書けばいいのに」

由香は何も答えない。

書けば残る。残りすぎることもある。

光は消える。人は消えない。だから書かない。

由香はそう思っていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ