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まだ朝

作者:奥本はじめ
最終エピソード掲載日:2026/03/15
東京でデリヘル嬢として働く三浦由香は、毎朝その日の「光」を小さなノートに書き留める習慣を持っている。
コンビニの前の白い空、カフェの窓辺に落ちる光、ビルの隙間の西日――。
彼女は出来事ではなく、その日世界に現れた「光」を静かに記録しながら、変わらない日々を生きている。
ある日、事務所に新人の奈緒が入ってくる。東京に慣れず、仕事にも戸惑う奈緒は、淡々と働き続ける由香の姿に不思議な距離を感じる。由香がノートに書き続けているものが「光」だと知った奈緒は、その理由を尋ねるが、由香はただ「忘れないように」と答えるだけだった。やがて奈緒は仕事に疲れ、由香の生き方を否定するような言葉を残して去っていく。再び静かな日常へ戻る由香。しかし、長く続けてきた記録をめくる中で、彼女はそれらが人生の出来事ではなく、記憶の断片として残された“朝の光”であることに気づく。
ある朝、由香はいつものカフェの席にノートを置き、静かに店を後にする。その後、偶然カフェを訪れた奈緒は、そのノートを見つける。何百ページにもわたって書き留められた光の記録を読みながら、奈緒は窓の外に差し込む朝の光を見る。そして奈緒は、ノートの最後の白いページにそっと書き込む。
「朝の光」。
変わらない街の朝のなかで、世界を見る小さなまなざしが、静かに別の誰かへと受け渡されていく。
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