第六十一話:新体制! 神の妹は「観測者」としてニヤリと笑う
ルミナ様に引きずられて消えたはずのナルミ様でしたが、 数分後、彼女は空中に浮かぶ「半透明のモニター」のような姿で戻ってきました。
「やっほー! 姉貴に『現場で反省してこい』って言われて、 公式観測者に任命されちゃった!」
「……反省する気、ゼロでしょ」
アイリス様がジト目で空中を浮遊するナルミ様を見上げます。 ナルミ様は「テヘッ」と舌を出して、モニターを操作し始めました。
「まあまあ。これからは私が、君たちの数値をリアルタイムで実況してあげる。 ほら、タナカ君の魂と私の端末を同期させるよ。……ハイ、接続完了!」
(えっ、ちょっと!? 私の意識の中に、変なログが流れ込んできました!)
私の視界(?)の端に、アイリス様とリナ様の詳細なステータス、 さらには周囲のモンスターのリスポーン時間までが表示されるようになりました。
「これで私も、あんたたちと一緒(観測者だけど)に旅ができるってわけ。 さあ、タナカ君。私の権限を使って、主たちの数値をゴリゴリに弄っちゃいなよ!」
リナ様が、そのモニターを興味深く覗き込みます。
「ナルミさん。観測者ということは、私たちの戦いを 『神の視点』でサポートしてくれるということかしら?」
「そうそう! どこにレアモンスターがいるかとか、 どのタイミングでスキルを打てば最大火力が出るかとか、全部教えちゃう。 いわば、君たちの『最強の攻略ガイド』ってこと!」
「「……いいじゃない!!」」
姉妹の瞳に、再び邪悪な、いえ、野心的な光が宿りました。
「タナカが世界の権限(一部)を持ち、神の妹がガイドに付く……。 これ、もう負ける要素が一つもありませんわね」
リナ様が不敵に笑い、アイリス様も剣を抜き放ちました。
「行きましょう! 数値1億、そしてその先へ! ナルミ、まずは一番効率よくレベルが上がる『修羅の特異点』を案内しなさい!」
「オッケー、了解! 北北西に300キロ、 そこに『概念ごと破壊する暴龍』がいるから、まずはそいつを片付けよっか!」
……こうして、前代未聞の「神公認のチート旅」が始まりました。 観測者ナルミの適当なナビと、私の権限解析、 そしてブレーキの壊れた姉妹の猛進。
修羅の世界は、これから訪れる「真の破壊」に、まだ気づいていませんでした。
あとがき 観測者(仮) ナルミ
いやー、姉貴を説得するの、マジで大変だったよ。 「彼女たちが暴走しないように監視します!」って涙ながらに訴えたら、 なんとか観測者としてのアクセス権をもらえたんだよね。
まあ、実態は「一番近くで特等席のエンタメを見る」ためなんだけど!
タナカ君、驚いた? 君のシステムの中に私が入ったから、これからは内緒話もできるよ。 姉妹には内緒で、こっそりエッチな設定とか追加しちゃう?
(タナカ:……絶対にやめてください。アイリス様に消されます)
あはは! 冗談だよ。 さあ、これからは「神の目」と「ブラジャーの魂」の共同作業だ。 この世界を、どこまで無茶苦茶にできるか試してみようよ!




