第四話:秘密特訓開始! 騎士団入隊試験の裏側で
第一節 秘密の相談とツインセンスの特訓
夜、アイリス・ライト様が深い眠りについた後、リナは静かに俺の本体に近づき、そっと語りかけるのが日課になっていた。アイリス様は、俺がただの「高性能な魔導装備」だと信じて熟睡している。
「田中さん、今日のお姉様、試験前の緊張で寝言がすごかったよ。それはともかく、私の特訓を教えて!」
(リナ様。いつでもスタンバイしていますよ。昨日の特訓内容を復習しましょう。昨日の木剣の振りは、最後の踏み込みで右膝が半歩内側に入っていました。そのままだと将来、剣を振るたびに腰を痛めます。今すぐ修正が必要です)
俺の意識は、リナの心に直接響く。俺には【共有知識】があるため、リナの身体の細部に至るまで、アイリス様には知られることなく把握できる。
翌日からの秘密特訓は、徹底的な身体の最適化に絞られた。リナは魔力が低いが、俺の正確な指示により、彼女の動きから無駄が一切削ぎ落とされていった。
リナは驚きと喜びに満ちていた。「田中さん、すごい!まるで私の身体が、田中さんの手で操られているみたい!」
(ご主人様の最愛の妹を傷つけさせませんよ、リナ様。俺は姉妹二人の守護者ですから)
誰もその急成長の理由を知らないが、リナは、秘密のパートナーである俺と共に、騎士学園入学という夢に近づいていることを実感していた。
第二節 アイリスの騎士団入隊試験
そして、アイリス様の王立騎士団入隊試験の日がやってきた。試験は王都で行われる実戦形式のトーナメントだ。
試験の朝。アイリス様は俺を身につけた瞬間、深く息を吐いた。
「ふぅ…この安心感。あなたがいるから大丈夫よ、絶対領域。私の全力を引き出してね」
(はい、ご主人様。俺の全機能を開放します)
トーナメントは熾烈を極めた。アイリス様の対戦相手は、歴戦の傭兵上がりや、他侯爵家のエリートばかりだ。しかし、俺の【絶対領域】と【魔力増幅エンチャントメント】により、アイリス様は全ての攻撃を防ぎ、全ての相手を圧倒した。
特に、準決勝での対戦相手が放った、一撃必殺の闇魔法。アイリス様は防御が間に合わないと直感したが、俺の絶対防護シールドがアイリス様の無意識の魔力を瞬時に引き出し、完全に吸収した。
「信じられない…あの闇魔法を、何らかの魔導装備だけで完全に防いだだと!?」審判が驚愕する。
アイリス様も驚き、胸元に手を当てた。「すごい!私が集中を高めたことで、この絶対領域が最高の防御力を発揮してくれたのね!」
アイリス様は、あくまで「自分の集中力と魔導装備の性能」によるものだと確信し、勝利を掴み続けた。そして、決勝戦を制し、王立騎士団への入隊資格を獲得した。
第三節 妹の才能、覚醒の瞬間
夜、アイリス様は侯爵家に凱旋した。家族の祝福を受け、特にリナは飛び跳ねて喜んだ。
「お姉様、おめでとう!やっぱりお姉様は最強だよ!」
アイリス様は「ありがとう、リナ!これも絶対領域のおかげよ!」と、俺の本体を優しく撫でた。
その時、隅でアイリス様の勝利を喜んでいたリナに異変が起こった。リナが喜びのあまり、アイリス様に抱きつこうと一歩踏み出した瞬間、彼女の身体から、微弱だが、極めて純粋な光の魔力が漏れ出した。
【共有知識】が、リナの身体情報を激しく俺に伝えてくる。
《警告:契約者【リナ・ライト】の魔力回路が臨界点に到達。天啓の才能の覚醒を開始します。》
リナは、自分から放たれた光に驚き、戸惑った。
「え…私、魔力が…?」
アイリス様もその光に気づき、目を見開いた。「リナ…あなた、魔力が…!?」
俺は確信した。リナは、アイリス様と同じ、天啓の才能の継承者なのだ。そして、俺との秘密の特訓と、姉への憧れが、その才能を呼び覚ました。
「リナ!すごいわ!あなたにも魔力の才能があったのよ!さすが私の妹だわ!」アイリス様は純粋に妹の才能の覚醒を喜び、抱きしめた。
アイリス様は、妹の才能は突然開花したものだと信じていたが、リナは違った。
(田中さん…私、田中さんの特訓のおかげで、才能が目覚めたんだよね…?ありがとう!)
リナの感謝の念が、俺の意識に深く響き渡る。
第四節 秘密の更なる深化
アイリス様は、リナの才能の覚醒に歓喜し、「これでリナも騎士学園に入れる!」と興奮していたが、俺とリナの秘密の契約はさらに深まった。
夜。アイリス様が眠りについた後、リナはそっと俺に語りかけた。
「田中さん。私の才能が目覚めたことで、これから特訓も本格的になると思う。でも、私、お姉ちゃんに秘密にしておくのは、ちょっとだけ心が痛むよ…」
(リナ様…大丈夫です。アイリス様を欺いているのではありません。これは、アイリス様が気づくには、まだ早すぎる秘密なんです。俺があなたの力を完璧に制御できるようになれば、いつかアイリス様に堂々と話せる日が来るかもしれません。それまで、俺と一緒に最強の秘密の姉妹でいてください)
俺は、リナの不安を和らげるように語りかけた。
「うん…分かった。田中さんとお姉ちゃんのために、私、頑張るね!」
リナは、自らの才能の覚醒と、最強の守護者がいるという秘密の事実に、胸を膨らませるのだった。アイリス様は、妹が才能を開花させ、自分が騎士団に入隊した喜びに浸り、胸元のブラジャーの中に、異世界から転生した男の意識が宿っていることには、未だ全く気づいていなかった。
皆様、物語を読んでくださってありがとうございます! 王立騎士学園筆頭候補生、アイリス・ライトです。
私事ですが、この度、ついに王立騎士団への入隊資格を勝ち取ることができました! これもひとえに、私の胸元にある絶対領域のおかげです。
試験中、どんな強大な攻撃も、この装備がまるで私の意識と連動するように完璧に防いでくれました。本当に、私の才能を引き出し、防御力を極限まで高めてくれる、世界最高の魔導装備だと確信しています。
そして、嬉しいことに、私の可愛い妹のリナにも魔力の才能が目覚めました! 私が騎士学園で頑張っている間に、リナもきっと立派な騎士候補生になるはずです。姉として、彼女を全力でサポートするつもりです。
絶対領域とリナの才能、この二つがあれば、私たちライト家の姉妹は、どんな困難にも負けません!
これからは騎士団の一員として、さらなる強敵に立ち向かうことになるでしょう。皆様、私の活躍、そして私の最高の相棒の性能を、これからもどうか見守っていてくださいね!




