第三十九話:新なる脅威! 冷徹な監視者と「不在の秘密」の追及
第一節 旅立ちの波紋と残された秘密
王都騎士団の最強の騎士となったアイリスは、魂の伴侶となったタナカ(人型)と共に、妹リナを追って世界へと旅立った。
王都には、レオンハルト(ランク3)とアメリア(ランク3)、そしてタナカの極秘調整で覚醒した騎士学生アルフが残された。
タナカの本体である絶対領域は、アイリスと共に旅立っているため、レオンハルトとアメリアは、「規格外の成長」の源が失われた今、ライト姉妹が残した秘密の痕跡を守るという、より困難な任務に直面していた。
(タナカさんの存在自体が秘密から消えた…今は、アルフ君やレオンハルト様の急成長の理由と、アイリス様の最強装備の行方をどう隠蔽するかが問題だ…!)
第二節 新キャラ登場:冷徹な監視者
そんな中、王都の魔術師ギルドから、騎士団への「共同防衛体制の強化」という名目で、一人の魔術師が派遣されてきた。
名は、ゼオン・クロムウェル。
彼は、ライト姉妹の「常軌を逸した成長データ」と、騎士団長の模擬戦を破った直後に「最強装備(アイリスの絶対領域)」の記録が消失したという異常な事実に強い疑念を抱いていた。
ゼオンは、レオンハルトとアメリアに挨拶をすると、まず騎士団の「備品管理台帳」、特にアイリスが使用していた装備の廃棄または移管記録の提出を求めた。
ゼオン:「騎士団長の模擬戦を破った装備が、記録から忽然と消えている。これは王都の治安に関わる重大な異常です。そして、騎士学園のアルフ・ヴェルナー君の魔術能力の急激な向上も、魔法的な論理に反しています」
第三節 追及される「装備調整者」の影
ゼオンの鋭い視線は、「装備調整者:タナカ」と過去に記載された古い訓練記録に向けられた。
ゼオン:「この『タナカ』という人物は?騎士団の正式な魔導具師の記録には存在しません。彼の調整によって、ライト家の方々は急成長を遂げ、その後に彼ら自身と、彼らの最強装備が旅立っている。これは、未認可の危険な技術の持ち逃げ、あるいは組織的な隠蔽と判断せざるを得ません」
レオンハルトは、ゼオンの論理的で冷徹な追及に、強いプレッシャーを感じた。タナカが王都にいない分、秘密を守る難易度は格段に上がっていた。
レオンハルト:「彼は、ライト家の専属の雑用係であり、装備の微調整を行ったに過ぎません。彼の調整技術は、個人の魔力回路の『効率化』を図ったもので、装備そのものの力ではありません」
アメリアは、その場にいないタナカを「ただの雑用係」として通すことに、良心の呵責を感じながらも、王都の平和のために秘密を守り抜くことを決意した。
第四節 新たな秘密の守り手
ゼオンは、二人の幹部の説明に納得せず、騎士団の中に「規格外の力を生み出した技術の痕跡」が残されていると確信した。彼の監視の目は、次にタナカの技術を現在も受け継いでいるアルフに向けられることになった。
レオンハルトとアメリアは、タナカという魂の本体が不在の中、ゼオンという「論理の怪物」から、ライト家の名誉と王都の平和を守るため、新たな協力体制を築くことになった。
レオンハルト:「アメリア様。タナカが残した『最適化の知識』を基に、ゼオンの追及からアルフを守り、彼の才能を開花させ続けなければなりません。彼の目を欺くためにも、アルフの成長を『論理的』に説明できるようにする必要があります」
アメリア:「ええ、レオンハルト卿。タナカの献身が、王都の裏側で生き続けていることを、彼に証明しましょう」
旅立ったアイリスとタナカ、そしてリナの残した「最強の秘密」は、王都に残ったレオンハルトたちの新たな戦いの火種となったのだった。
私は、王都魔術師ギルドから派遣された、ゼオン・クロムウェルだ。
やはり、騎士団は何かを隠している。アイリス・ライトの最強装備が消失し、その装備の調整者と称する「タナカ」という人物も姿を消している。そして、騎士学生のアルフ・ヴェルナーは、魔術師の論理では説明不能な急成長を遂げている。
レオンハルト卿とアメリア卿は、全てを「雑用係による微調整」で済まそうとしているが、極限まで純粋で精密な魔力制御は、ただの雑用係に可能な技術ではない。
私は確信している。ライト姉妹の異常な強さの背後には、何らかの未認可の魔導具、またはそれに匹敵する技術が存在し、それは今、王都を離れて旅立っているか、あるいは王都に痕跡を残しているかのどちらかだ。
私の使命は、王都の安全を確保すること。そのために、私は騎士団の秘密の核心に迫る。次に、あの論理に反した才能を持つアルフ・ヴェルナーの魔術の起源を徹底的に調査する。




