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転生したら騎士学生のブラだった件  作者: 沼口ちるの


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第十話:騎士団ランキング戦! 猛者の戦場と二重のサポート

第一節 ランキング戦の準備と田中の二重生活

アイリス・ライトは、入隊後初めての騎士団内ランキング戦を翌日に控え、緊張していた。この戦いで上位に食い込めば、より重要な任務と、さらなる昇進の道が開ける。


「絶対領域、頼むわよ。最高のコンディションで臨みたいの」


アイリス様は、控え室で俺の本体をそっと撫でた。俺の本体は、人化によってわずかに性能が落ちているが、それでも彼女の騎士としての生命線だ。


一方、人型であるタナカ(田中一郎)は、雑用係としてランキング戦の準備に奔走していた。アイリス様は、タナカが近くにいるとブラジャーの調子が良いと信じているため、何かと俺をそばに置きたがった。


(ランキング戦はアイリス様の真の実力が試される場です。ここで絶対に恥をかかせるわけにはいかない。本体の性能低下分は、俺の人型でのサポートで補う!)


タナカは、休憩時間を利用してリナと秘密裏に連絡を取った。


「リナ様。アイリス様の対戦相手の情報を【共有知識ツインセンス】で送ります。彼女の動きの特徴を事前にアイリス様に伝える手はずを整えてください」


「わかった、田中さん!私が、お姉ちゃんが気づかないように、助言するね!」


秘密の姉妹サポート体制は万全だった。


第二節 猛者の戦場と絶対領域の限界

ランキング戦当日、トーナメントの舞台には、アイリス様以外にも歴戦の強者が顔を揃えていた。特に団長直属のエリートであるランク2騎士ガウェインの放つ魔力は、常人とは比べ物にならないほど強力だった。


アイリス様の最初の数戦は、順調に勝ち進んだ。しかし、ベスト8の戦いで、壁にぶつかった。相手は、騎士団の期待の新人であるフェリックス。冷静沈着で、魔力防御に長けた強敵だ。


聖光突進ホーリーブレイク!」


アイリス様の必殺の一撃がフェリックスの盾に叩きつけられるが、弾かれてしまう。


(まずい!本体の魔力増幅が、以前の9割程度しか出ていない!このままでは押し負ける!)


アイリス様は焦り、体が硬くなる。その時、控え室の隅で雑用をしていたタナカが動いた。


(フェリックスの魔力防御は、魔力集中時の呼吸にわずかな乱れが生じる!アイリス様、呼吸を整え、攻撃のタイミングを一拍遅らせろ!)


タナカは、人化後の新たな能力として、自身の微細な思考をリナの【共有知識】を介して増幅させ、アイリス様の無意識に直接届けるという荒業を実行した。


アイリス様は「魔力が調整されている」と錯覚しながらも、一瞬動きを止め、呼吸を深くした。そして、フェリックスの防御が崩れる一瞬の隙を見逃さず、剣を突き出した。


キンッ!


フェリックスの防御が破られ、アイリス様が勝利をもぎ取った。


「す、すごい…!今、急に体が軽くなって、隙が見えたわ!」アイリス様は自分の成長だと信じた。


第三節 騎士団長との対峙と潜在能力の限界

アイリス様は準々決勝まで進み、その快進撃は騎士団長アトラスの目にも留まった。


そして、彼女の前に立ちはだかったのは、ランキング戦の事実上のラスボス、ランク2騎士のガウェインだった。彼の魔力は、アイリス様の「天啓の才能」をもってしても、その底が見えないほど深かった。


「アイリス嬢。その素晴らしい魔導装備と、底知れない才能。見せてもらおう」


ガウェインの一撃は、常識を超えた魔力と速さでアイリス様を襲った。


「絶対領域!」


アイリス様は俺の防御に全てを託した。俺の本体は、渾身の力で【絶対領域アンタッチャブルテリトリー】を最大展開した。


ドォォン!!


ガウェインの攻撃は防がれたが、アイリス様は吹き飛ばされ、魔力回路が悲鳴を上げた。本体の防御性能も9割程度に落ちているため、アイリス様の体は激しい衝撃に耐えきれなかった。


「くっ…!こんなに強力な防御を、まだ貫けないなんて…!」


ガウェインはアイリス様の実力を認めつつも、容赦なく追撃を繰り出す。アイリス様は防戦一方となり、最終的に力尽きて敗北した。


第四節 敗北の悔しさとブラジャーへの決意

アイリス様は惜しくも敗れたが、その才能と装備の性能は騎士団内に強く印象づけられた。


控え室に戻ったアイリス様は、悔しさに唇を噛みながら、そっと俺の本体に触れた。


「絶対領域…。やはり、以前のような完璧な力は出なくなっているわね。あのガウェインの攻撃は、以前なら完全に無効化できたはず…。タナカを信じて、調整を急がないと」


アイリス様は、タナカ(人型)が騎士団にいる理由を、ブラジャーの性能を元に戻すためだと、強く確信した。


その夜、雑用を終えたタナカは、秘密の連絡手段でリナと会話した。


(リナ様。アイリス様は無事ですが、ガウェインの強さに打ちひしがれています。そして、本体の性能低下を強く認識しました)


「田中さん…お姉ちゃん、すごく悔しそうだった。私も頑張らないと。田中さん、私の受験が済んだら、絶対にお姉ちゃんのブラジャーを元の最強に戻してあげてね!」


タナカは強く決意した。(俺は最強の姉妹の守護者だ。アイリス様の信頼を回復し、リナ様を合格させる!そして、ブラジャーの性能も必ず元に戻す!)

王立騎士団長の、アトラスだ。


今回のランキング戦、アイリス・ライトという新人の活躍は目覚ましかった。あの若さでガウェインの渾身の一撃を防ぎきった魔力防御は、驚異的と言う他ない。彼女の天啓の才能は間違いない。


だが、私が最も注目しているのは、彼女の身につけている魔導装備、通称『絶対領域』だ。あれほどの防御性能を持つ魔導具は、過去に類を見ない。しかし、ガウェイン戦での防御は、以前私が遠目に確認した時の性能より、わずかに劣っているように感じた。


そして、もう一つ。最近、騎士団の雑用係として潜り込んでいる、タナカという不審な青年だ。


彼は魔力こそ微弱だが、その行動には全く無駄がない。アイリスが戦う時、彼はいつも絶妙な位置にいる。まるで、彼女の装備の魔力制御を、人型として遠隔で行っているかのような。


アイリス本人は「高性能な装備の調整者」だと信じ込んでいるようだが、もしあのタナカという男が、あのブラジャー型の魔導具の意識の化身だとしたらどうだろうか? 馬鹿げた妄想だが、あの奇妙な装備と、タナカの言動の全てが、私には繋がっているように見える。


騎士団の平和と、アイリスの才能を守るため、私はこのタナカと、彼の隠されたブラジャーの秘密を、より深く追及する必要があるだろう。


次なる物語で、アイリスのさらなる成長と、タナカの正体に関する私の調査の行方を、見守っていて欲しい。

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