番外1 ゴキブリジャム
キウイフルーツは元をたどると中国からもたらされたマタタビ科の植物を品種改良したものらしい。
昔話になる。
キウイだかマタタビだかサルナシだかコクワだか名前は知らないが、コレの小さいのを母が安かっただから拾っただかで大量に持ち帰ってきたことがある。
少し粘り気のある甘い汁を出したそれを熟させてジャムにするということらしいがこれが問題だった。
端的に言おう。
マタタビに集うのは猫だけではない。
母は猫が苦手だが猫なら可愛いものだ。
夜中にビニールがガサッと音を立てるので見てみたらビニールの中に何匹ものゴキブリがうごめいていた。
こんなものを食べようなど正気だろうか。
すぐ捨てるように母に言ったが現場を見ていない母は一顧だにせず、洗えば変わらない理屈だかでここにゴキブリジャムが爆誕した。
無農薬だから健康にいい。
いや、普通食べないよ! 他の人は食べるか? 知らんけど。
読者の皆様で『おいしそう』と仰るならどうぞご賞味くださいませと言いたいが息子が嫌がる中で母はこれを食べ切った。
無農薬とか栄養価が高いとか自分で育てたとか独特の拘りは勝手にしてくればよろしいが息子には受け入れがたいものがある。
砂糖もまともに買えなかった貧乏自慢に反して、米が高いから代用として麦飯を食べさせるとえづく母である。
曰く『ごはんとコーヒーくらい普通に食べさせて』。贅沢申すな。
贅沢の使い方が間違っているのは前から存じているが、海外のやまのぼりは本人言うところ『付き合いで』と登りたくない山まで登る金は惜しまないのにゴキブリが集っていた果実を熟させてさらにゴキブリ集わせジャムを作る。
『あ、いいジャム作ったからお土産にもっていくといいよ』
やめてくださいませ。うちには(※当時の勤め先)ゴキブリアレルギーの方もいるのです。
彼女がぶっ倒れたら業務に支障が出る。
当然、持っていくはずがない。
これでなお、いやがらせのつもりは母にはないらしい。
ネタだったらいいけど、お土産はさておき割とマジ話である。




