新婚旅行サーシャ編4
「むぅ……聖都大聖堂より立派でした……」
「まぁ国の規模も違うし……ね?」
帝都大聖堂内の観光を終え外に出ると同時、サーシャは唇を尖らせていた。
聖都の大聖堂も立派ではあるのだが、なんというか古き良きというか、昔ながらのというか……
まぁ伝統と格式を重んじるとかそんな感じだった。
対して帝都大聖堂は最先端とでもいうのか、機能性に優れるとかそんな感じ。
装飾も凄かった。金掛けてるなとしか思わなかったけど。
俺の語彙力ではこれ以上の説明は不可能である。
「サーシャはこっちの方がいいの? 俺は聖都大聖堂の方が好きだけど」
日本に居た頃も寺とか神社とかなんか好きだったし、こう歴史ある建造物! みたいなのは好きだ。
もちろん帝都大聖堂にも歴史はあるんだけど、かなり改修されてて新しい建物って印象が強いんだよね。
「レオ様……はい、私も聖都大聖堂の方が好きです」
自分と関わりがあった大聖堂が褒められたからなのか、サーシャは花が咲いたかのように笑顔になってくれた。
「思い出もありますし、結婚式も……」
「結婚式かぁ……最後は変なことになってたけどね」
「あれはあれで私たちらしいかと」
結婚式は大事なイベントよ? なのにいきなりウルトが光りだすから……
こうやって思い返すと、色々あったなぁ。
そんな話をしながらホテルへと戻り昼食を食べてからホテルで行われている催し物を観覧したり、屋内プールでサーシャの水着の破壊力に恐れおののいたりしながらふたりの時間をゆったりと過ごした。
なお、破壊力が高すぎるためプールで泳ぐのは中止して即座に部屋へと戻ったよ。
あんなの他の男に見せる訳にはいかないんだもの。遊ぶなら貸切にしないと……
その日の夕食も大変に豪勢で美味ではあったのだが、何となく牛丼が食べたいなと思いました。紅しょうがたっぷりのやつ。
その後は風呂に入って夫婦の時間だ。
屋敷だと虎視眈々と乱入を狙ってくる不届き者も居るので油断出来ないのだが、今夜は流石に誰も乱入して来ないだろう。
互いの体力が許す限り夜のプロレスを楽しんで翌日の皇帝との謁見に向けて英気を養った。
これは2人目出来たかもしれんね、まだ子供の出来てないよめーずからのプレッシャーが半端ないことになりそうだ。




