~さよなら~
「さよなら!」
向こうからすがすがしい笑顔で別れを告げてくるクランメンバー。
「二度と会いたくないね、くそビッチ。」
そう言い返し俺は立ち去る。
俺の名前はフラム。カマロ=フラムだ。
たった今長い間所属していたクランから追放された。
理由は性格に難ありだとか...
さて、どうしたものか。金もないし身寄りの場所もない。
簡易魔法で暖を取り、水を飲む。
ちなみに簡易魔術とは「風」「火」「水」「土」の四大魔力元素であり、魔術師になる過程としてとらねばならない最も簡単かつ凡庸性が高い魔術である。
「クリエイト アース イン ハウス!」
簡単な土造りの居住スペースを作る。
「きょうは、とりあえず寝よう...ハァ...」
明日は、とりあえずギルドに行くかな。
◇翌日
「うん...あぁ~よく寝た。」
雑魚寝だったが意外によく寝たな。
さて、行くか!
1年ぶりにギルドへ!
なぜ俺が1年もの間ギルドに行くことがなかったのか。
それは俺が所属していたクランと深く関係している。
その説明をする前にこの世界のパワーバランスを説明しよう。
この世界には魔族、人族、獣人がおり最高位の地位として5人の神がいる。
この世界の秩序を保つためこの世界の9割の魔素を所持し絶対的魔力を誇る。
また、魔族は様々な魔術を使用することができ潜在魔術構築力、魔素量が他の属に比べて圧倒的に多い。
人族は元来身体能力が高い。しかし、その分潜在魔術構築力、魔素量がともに0に近く魔術を使えたとしても簡易魔術が限界だ。初級魔術になると体がもたない。
獣族は、とても数が少なく情報が少ない。しいて言えるのは五感が優れているということぐらいだろうか。それほど情報がない。
さて、説明はこれくらいにしてクランとの関係についてだ。
俺が所属していたクランは人族の中で最も大きな派閥「銀弓の鏃」の配下にあるクランである。
この派閥は上位官僚には謎が多く素顔を知るものはいない。しかし人族の中において最も威厳ある派閥である。
では、なぜ追い出されたのか。理由は前述のとおり「性格に難あり」だ。
「銀弓の鏃」はたとえ優秀な魔術師であろうと単体による魔物の討伐を好まない。
しかし、俺のスタイルはアタッカー、ディフェンダー、リカバラーをすべて一人でこなすスタイルだ。それゆえに追い出されたのだろう。
だがこれからは、俺の時代だ!
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毎日連載の予定です。できなかったらすみません。