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第11話  勇者はもう一度幸せな夢を見るようです

 渡海の疲れで泥のように眠っていたアステル。


 彼はその日、夢を見ていた。

 それは在りし日の少女との思い出。

 親しかった少女との、大切な記憶。

 

『ねえアステル聞いて』

『また何だ? 街でスイーツ万引きして怒られたか?』

『違う。【子供】が出来たみたいなの』

『ぶ――っ!? おま、でもそれって、だって俺とはその……っ』

『引っかかった、まあ拾ったペットの子供だけどね』

『貴様! 紛らわしい事するなよ! 判ってやったな!?』

『え、何のこと? わたし、よくワカラナイナー』

『こんの嘘つきが!』

 


『アステル聞いて聞いて』

『……お前の話は大抵ろくな事がないが……あえて聞こう、何だ?』

『今日ここへ人が来るから、ここ使えない。一緒に逃げよ?』

『ひいいいいいっ!?』

『というのは嘘で、一緒に住むのに適した物件、見つけた』

『嘘かよ! 気を失うまで抱きしめて気絶させてやる!』

『それはわたしにとってご褒美。まあそれはそれとした新しい家、住も?』

『そういうのはイチャイチャじゃなくて拷問って言うんだよ!』


 彼女との生活は、暖かくて、騒がしくて。いつも、アステルは翻弄されていた。

 もう、あの日々は戻らないけど。

 遠い過去だが、アステルは彼女との思い出を忘れない。


 

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