第四話
そして世界は終焉を迎えた
全ての文明は失われ、人々は新たな生活を余儀なくされた
誰一人として、高度な先進技術の製造知識を持つ者が居なかった
それどころか、旧時代的な農業工業技術すら、実際的な知識を持つ者が皆無であった為だ
彼は新しい生活に必要な知識を全て持っていた
食べられる野生生物、野草の類に関する知識
狩猟の知識、火熾しの知識、原始的な道具の製造知識
簡易な家屋の製造知識、簡単な料理の知識、原始的な治療の知識
彼はそれら知識を、特に分かり易く系統立てて教える技術に長けていた
人々も彼の言葉に従う事に不満は無く、寧ろ快く受け入れていた
世界は平穏に新しい出発を迎えたと言えよう
これが神話の終わりにして始まりである
後年、救世主という存在は一体何だったのか、と議論が交わされる事が多くなった
それを、不敬と断じて非難する風潮が生まれ、それによって救世主を論ずる機運が下火になる
誤解無きように言っておくが、救世主を愛するこの世界に於いて、人々の争いは既に神話の出来事である
争いそのものが救世主に対する反逆行為と見做される
尤も、救世主以降の世界に於いて、そんな行為は一度も無かったが
救世主は聖骸を残し、今もなお全ての人々を魅了し続けている
彼の骸に侍り手ずから世話をする役職は、全人類の憧れの的である
救世主を愛する我らは、しかし救世主以外と結ばれる事を厭わない
これは、初めに救世主がその様に説いたからだとされている
我らが救世主を愛する様に、きっと先祖達も救世主を愛したのだろう
こうして世界は連綿と続く確かな命の営みを取り戻した
ただ一つ、救世主の復活を心待ちにして
これで終わり
一つの形として、一応は纏まったかなと思う
よく洗脳やらが酷い手段として描かれますが、例えばこうした狂騒を強制的に鎮めるのにも使えるのだなと
素晴らしい技術も使い方次第だと、ビルドの挿入歌でも言ってるしな
時代の変化に適応出来なかった結果が、終末戦争の勃発
因みに、救世主が何者であるのかという事に関しては、一切考えていません




