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勇者撃沈  作者: 丁太郎
1/10

01 かくして勇者と聖女の旅は始まった

導入なので短いです

 かつて魔王を頂点に頂いた魔族軍による人間界侵攻が行われた時代があった。

 人類も必死の抵抗をし、魔族との戦いは熾烈を極めたという。

 多くの命が失われた。


 神に選ばれし人類の希望である勇者。

 その勇者と魔王が相打ちになり、状況は一変する。

 魔王の6人の息子達が互いに魔王を名乗り争い出したのだ。

 6つの勢力の争いは泥沼化し人間界侵攻どころではなくなってしまった。


 こうして魔族による人間界侵略は収束した。

 人間界では魔族の侵攻の被害が甚大でありどの国々も疲弊し戦どころではなくなったが、魔族の脅威への備えは忘れなかった。

 いずれ再び起こるであろう魔族の侵攻時に協力する盟約を国々が結んだのだ。

 その盟約は魔王を討った勇者の名を戴き、「アレスター盟約」と名付けられた。


 時代は流れ、魔族の侵攻など遠い昔となり人類は人類同士で争う、ある意味平和な時代を過ごしていた。

 しかし突如始まった魔族の人間界への再侵攻により、再び過酷な時代が到来した。

 いつの間にか大魔王を名乗る者が魔界を統一していたのである。


 そんな情勢下、神の啓示を受け、勇者となった辺境国の若き騎士がいた。

 冷静沈着、合理主義なその男は大魔王を直接討つ事が最も合理的と判断し討伐の旅に出た。


 最初に仲間になったのは聖女。

 啓示により『聖女』に選ばれたのは修道院で修行中の美しい少女だった。

勇者よ最強たれ

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