表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に召喚されたけど商人になりました。  作者: シグマ
第8章 武器(剣2)
45/59

#44 リサイクル?


 鉄の剣が良いかと思えば、結局は良い剣かつ加護を施した剣が良いという。剣の質を高めることは出来ないことはないが、加護は商会に出来る人がいないばかりか他の人にも頼れない状況で八方塞がりになってしまった。


 とりあえずは剣の質の部分を工夫しながらエルラーと共に解決策を探っていく。


■■■


「だからそこはもう少し分量を増やしてだな」


「でもそれだと硬さが足りなくないか?」


「でも魔結晶との相性を考えるとな……」


 エルラーと二人でひたすら検討をしつつ剣の質を高めていくのだが、やはりアトゥムスの違和感を無くすことは出来ない。


「まぁ無理して私に合わせなくても、君が納得できる最高の剣を作ってくれるのであればそれでもいいから」


「そう言われましても……」


 使い手が納得できない剣を作り、たとえそれが業物だったとしても納得は出来ない。


 まだ答えが分からないならまだしも、違和感の原因が分かった上でどうしようもない現状が歯痒い。


「この剣がなければこんな思いをせずに済んだかもしれないのに……いやそれは無いか」


「一人で何をぶつぶつと言ってるんだよ? そんなに見るのが嫌ならインゴットに戻してしまえばいいだろ?」


「へぇーそんなこと出来るんだ……って、もしかしてそのインゴットから剣を作り直したら良いのが出来るのでは?」


「うーん、どうだろうか?」


「アトゥムスさんは何か知っていますか?」


「そうだね……確かインゴットに戻したら加護は無くなってしまうと言ってたかな」


 アイテムとしての名前が変わり定義が変わってしまうと、加護がかき消されてしまうらしい。


「そうですか……でもまぁこのまま加護以外はなまくらな刀を残していても仕方ないですし、インゴットに戻してしまいますか」


 ということで神にもらった鉄の聖剣をインゴットに戻してしまうことにした。


■■■


 聖剣を持っていても良い思い出は無く、むしろ戦闘がトラウマになりかけたので躊躇なく溶かしインゴットに形を変える。


「出来たけど、どうなんだろうか?」


 見た目はただの鉄のインゴットだ。ハヤトは鑑定ができないのでエルラーに聞く。


「これは……」


―――――――――――――――――――――――――――

[鉄インゴット(+):ランクD]

状態:良 効果:加護小+

鉄で出来たインゴット。

加護が付与されている。

―――――――――――――――――――――――――――


「どうやら加護が付与されたままみたいだぞ!」


「アトゥムスさん、どういうことなんですか?」


 形を変えると加護は消失してしまうはずだったのではないのだろうか?


「うーん、自分も神官から聞いていただけだから詳しく分からないな。でも何かは変化しているのではないかな?」


「確かに元の加護は大だったのに小になってるな」


「つまり加護の効力は弱まったけど、無くならなかったということですか……」


 神官の加護と違って神による加護だから起こった現象なのかもしれない。


「そんなこともあるもんなんだね」


「そうですね……ってこれで剣を作り直したら問題解決じゃないですか!」



 悩み続けてきたのに身近なところから解決策が舞い込んできた。そしてついに完成させる道筋が見えてきた。


神に貰った剣は初期装備でも特別なものなのです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ