00.嘲笑
※注意※
・1話1話がすこし短い小説となってます。
・少し差別的な言葉や、一部の方が不快に思う言葉が含まれる場合があります。
それでもよろしい方のみご覧ください。
―最期の瞬間まで、そいつは不気味な笑みを浮かべていた―
最初に言っておきますが、この話は幸せに向かう話でも困難に立ち向かう、少年漫画的なものでもない。
ハッピーエンドでもない。バットエンドでもない。
この話を見て何を思うかはあなた次第であり、そこから得られるものもまたあなた次第です。
乾燥していた空気がほのかに暖かくなってきた春先、僕はこれからの高校生活を楽しみにしていた。
中学の頃は人気もなければ人望もない、好かれる理由もなければ嫌われる理由もないこともない。はずである。
中学一年生の時は男女数十人に囲まれながら騒ぎつつ、中学三年間をリア充で過ごすということを想定していたのだが…どこで間違ったのか。
だがしかし、そのぼっちライフもついに終り。既に高校三年間を充実できる想定はできている。
期待に胸躍らせていた四月が二ヶ月前。。察しの良い方ならもうお分かりだろうが、
現在、友だち0人である。
何故ッ!何故できないッ!コミュニケーション能力小学生以下かッ!とりあえず休み時間はラノベや小説を読み、テキトーに過ごしているが、休み時間の居心地が悪すぎる。後ろの女子たちの笑い声が僕を嘲笑しているようにしか思えない…。
誰か!他に僕と同類のぼっちはいませんか!と心の中で呼びかけながら教室をさり気に見渡す。一人だけ。一人だけある意味でぼっちのような奴はいるが、あまり関わりたくはない。いわゆるイジメられてる奴がいる。
五〜六人グループの中で唯一、話をしていない。それでいて、そいつだけは過剰な殴りなどを受けている。男同士の慣れ合いは多種多様ではあるが、それはある程度の信頼が前提の、いわゆる『じゃれ合い』である。だが、あそこまで目に光がない『じゃれ合い』は知らない。
いくら僕がぼっちでも男同士の慣れ合い位は想像がつくし、教室の端っこからよく見ていた。だからこそ、知らない表情であった。だが同時に僕は恐れのような、恐怖のようなものを感じた。
そいつは一度だけ殴られ地面に崩れてしまったとき、口の端が鋭く曲がった。
怒り?喜び?悲しみ?とりあえず不気味だった。
近寄りがたい存在であることは最初に見たときから察知していた。そして、そいつが他の奴等とは違う特異なものを、そいつだけが持つものを感じた気がした。
次回―予定は未定。