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半陰陽ぱんつSS

「ぱんつの日」にちなんで活動報告に上げたSS。

時系列は本編より10年前。

当時のリヒャルトは少佐、フリーデリーケは少尉です。


「気をつけてください、と、あれ程申し上げたのに。あの逃亡犯は水属性魔法の使い手ですからこうなることは予想できましたよね??しかもギュルトナー少佐だけでなく、アストリッド殿とシュライバー元少尉まで……」


 三人分のタオルを手に抱えたフリーデリーケが、呆れ返った顔で目の前の男達――、厳密に言えば約一名は性別不詳だが――、をしげしげと眺める。

彼らは服を着たままシャワーを浴びたかのように、全身ぐっしょりと濡れそぼっていた。


「あ、違いますー!ウォルフィは、飛び出した自分と少佐を止めようと動いたせいで……」

「少佐、また無茶をされたのですね」


 フリーデリーケの目尻が数ミリ跳ね上がり、リヒャルトの頬がひくりと引き攣る。

『下官にあるまじき行為、失礼します』との言葉と共に平手打ちが飛んでこやしないか。

 しかし、さすがにアストリッドやウォルフィがいるせいか、予想に反して盛大な溜め息が吐き出されたのみ。

 さりげなく胸を撫で下ろし、手渡されたタオルで髪を拭いている間にフリーデリーケはその場から一旦下がった。




 ――五分後――




「着替えを用意しました」


 三人から受け取ったタオルを手に提げたバケツに放り込むと、フリーデリーケは抱えていた衣服をそれぞれに手渡した。

 受け取った衣服の一番上に置かれたモノを見て、男達全員の目が点と化す。


「……ポテンテ少尉」

「はい」

 二の句を詰まらせるリヒャルトをフリーデリーケは怪訝そうに見返した。

「あのー、パンツ買ってきたのは誰ですかー??」

 代わりに、アストリッドが何の邪気もなく尋ねる。

「私ですが??」

「…………」


 途端にアストリッドも口を噤み、リヒャルトとウォルフィは考えることを放棄した。

 

 用意されたパンツは超タイトな黒ビキニパンツだった。


「男性の下着には疎いものですから。若い男性は白のブリーフは嫌がる、ということくらいしか分からなくて」

「い、いえいえー、そういうことでしたら、仕方ないですよねぇー!」

「今日一日だけですから、それで我慢してください」

「は、はーい!!ほ、ほら、少佐とウォルフィも!返事は?!」

「…………」


(……すまない、部下が……)

(……いえ……)


 リヒャルトとウォルフィは互いに横目で目配せし合い、辛うじて「……了解……」と答えた。



 ちなみに、リヒャルトの分だけは何故かサイズを計ったかのようにぴったりだったというのはまた別の話――




(終)

おまけの後日談



リヒャルトの自宅にて。


「少尉、(男物のぱんつの種類が)分からなかったのなら何故私に聞いてくれなかったんだ……」

「今のように、少佐と二人だけの時ならともかく司令部では誰の目があるかは分かりません。変に誤解を持たれる訳にはいけませんよね??」

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