世の子猫ちゃんに捧ぐ☆犬系亭主の育て方
永らく待たせたね、子猫ちゃんたち!
もう忘れたかもしれないが、細かいことは気にするな。無事に犬系彼氏をおだて上げ、首根っこ掴んだ君たちに贈る。
犬系亭主の育て方だ。
あいにく派生の男を捕まえた子猫ちゃんも必見だ。たとえ犬系でなくとも、亭主は育てるもの。かしずかれるのも善し、手の内で転がすのも善し。果ては依存されていると思わせておいて、支配するも善し。
さあ、着々と準備を始めたまえ!
だが子猫ちゃんたちよ、最初に言っておかねばならない事がある。
いいかい、世の男たちは乙女である!
おっと、勘違いしてはならないよ。潜在的オカマであるだなんて、言ってはいない。だが、彼らは等しく夢見る乙女ちゃん要素を隠し持っている。
子猫ちゃんへの妄想に始まり、お付き合いの理想、そしてプロポーズから新婚生活に至るまで、ありとあらゆる妄想をする。それも夢一杯に。
たとえそれが独りよがりの、非現実的なものであろうともだ。
だからこそ夢破れれば、彼らはナイーブに傷ついてみせる。
そう、面倒くさい連中、それが男というものだ。
さて子猫ちゃんたち、では犬系亭主はどうなんだと言えば、世の多種多様な系統男子の中でも、特に乙女ちゃんなのである。いいかい、ここからが重要だ。
犬系亭主は、夢見がちの乙女。そっと見守っていれば、明後日の方向へ突き進む。
手綱を締めよ。
オスワリ、おい何を妄想してるのか吐け。
マテ、その場で妄想よし。
おあずけ、その辺で妄想ストップ
お手、方向修正でオッケー。
お代わり、そっちなら二割増し妄想可。
しっしっ、論外である。
これくらいは使い分けよう。
そして、かなりの頻度でリードを放し、好きに妄想も必要である。いわばご褒美もまた、妄想だ。決してエサで釣ってはならない。エサはすぐに尽きるが、妄想は無限大だ。
育てる方向性は子猫ちゃん次第。
趣味が同じならそこは緩く。マイホームパパな亭主なら、子供の夢に。仕事自慢なら、愚痴も妄想のうち。
どこに時間とお金を融通できるかは、主体は犬でも都合は子猫ちゃんで考えろ。
以前にも述べたが、犬系男子は愛情深いが思い込みも激しい。ストーカー気質のコレクターオタクで、お調子者なのである。縛るばかりでは逆効果。ここは子猫ちゃんたちの腕の見せ処。ぜひとも柵を作って遊ばせるくらいの気持ちで、犬を愛でたまえ。
さすればきっと、尻尾をはち切れんばかりに振る、犬系亭主を目にすることが出来るだろう。
乙女だが犬系は働き者だ。
ぜひとも一生涯、楽しんでもらいたいものである。
世の子猫ちゃんたちに、幸あれ!
真に受けてはいけません。