世の子猫ちゃんに捧ぐ☆犬系彼氏のおだて方
また会えて会えて嬉しいよ、子猫ちゃんたち!
前回は犬系男子の探し方を伝授したが、結果はどうだろう。良い尻尾は見つかっただろうか。
いいかい、子猫ちゃん。尻尾は星の数ほどあるものだが、間違えちゃいけない。あくまでも探すのは犬の尻尾だ。
たとえ可愛くカールしていたとしても、豚の尻尾は手にするな。短すぎる。
たとえ手触りが良くても、蜥蜴の尻尾は相手の都合でいつかは切れる。
たとえふさふさ揺れてつい飛びかかりたくなろうとも、馬の尻尾は危険が多すぎる。
必ず犬の尻尾を掴み取れ。
さあ、ここからが本日の本題だ。
いいかい、子猫ちゃんたち。見つけた犬系男子は、誉めておだてて飼い慣らせ。
奴らはおだてりゃ舞い上がり、天にまでかけ上る。 そう、木に登るのは豚などではない。犬系男子なのだ。
一口におだてると言っても、分かりにくいかもしれない。だが、コツさえ掴めば簡単なのである。
犬系彼氏は遠吠えをする。
常に縄張りを意識しがちな犬系彼氏は、ついつい自慢話を子猫ちゃんにもしてしまう。だがそこで呆れてはならない。いつだって誉められたい犬系彼氏、話の二割は盛っている。適当に相槌を打ってやれば、はちきれんばかりの尻尾が見えるのだ。
犬系彼氏は序列が好き。
常に自分の立ち位置を確認する癖のある犬系彼氏は、最所が肝心。猫にとって都合が良いのは、いざというときの主導権。普段は黙って犬を立てておけ。『惚れた弱み』が引き出されればもう、猫の地位は盤石だ。
犬系彼氏は、習慣がやめられない。
安定思考の犬系彼氏は、毎日コツコツが苦にならない。猫の最もキライなコツコツを、いい気分で肩代わり。だが時にこれは諸刃の剣。加減を忘れると、毎日決まりごとに振り回されるぞ、気を付けろ。
犬系彼氏は、浮気をしない。
一度懐に入れた相手には、犬系彼氏は情が深い。ついでに言うなら、あつめたものも捨てられない。いいかい子猫ちゃん、愛の言葉は言わせてなんぼ。言ってるうちにその気になるのが、犬系彼氏だ。ばんばん言わせて、深みに嵌めろ。
犬系彼氏は、諦めが悪い。
運悪く関係を終わらせる事になったなら、犬系彼氏にはきっぱりはっきり別れを告げよう。情けをかけるのは、厳禁だ。諦めは悪いが、前向きなのが取り柄。きっと直ぐにでも、次の幸せを見つけることだろう。
いいかい子猫ちゃん。
オスを選ぶのは君だ。容姿も生活力も加味するのが当たり前。それが自然の摂理。どんなに強く想われようと、それだけは忘れるな。
子猫ちゃんの選択が、後の世の中を作るのだから。
さて、お眼鏡に敵う犬系彼氏を、良い具合におだて上げた猫のすることといえば、後はこれしかないだろう。
待て次回。
最終回『世の子猫ちゃんに捧ぐ☆犬系亭主の育て方』
冗談ですから。