1.1 春、水面の守護者(ガーディアン) 2
?「本当にごめんな」
「いえ、よそ見していた私が悪いですし…」
実はドアに頭をぶつけてしまい…正確にはぶつかってしまったなんだけど。
ドアを開けた方がすっごく優しくて、包帯まで巻いてもらって、そこから謝り合いになっていた。
?「いやいや、ほんと「いつまで謝りあいっこしてる気ですか!そろそろ本題入りますよ!」…はい」
ポラリスが待ちくたびれて入ってきた。
P「遥さん、こちらはプレセペ・キャンサーさんです。蟹座の星人なんですよ」
C「君が遥だね。主から話は聞いているよ。ポラリスと仲が良いようで安心したよ。キャンサーじゃあ言いにくいから、「キャンス」と呼んでくれ」
「蟹座!」
C「そう。蟹座だよ」
男の星人さんはきれいなベージュの髪を揺らしにっこり笑った。
まるでお日さまみたいな暖かい笑顔だ。
蟹座と言えば、七月生まれの私の星座である。
更に自分の一番のお気に入りの星座である。
まさか、こんなかたちで会えるなんて……!
「キ…キャンスさん!よろしくお願いします!」
思いっきり頭を下げた。
P「遥さん、落ち着いて!」
C「まあまあ落ち着いて。お茶を飲みながら本題に入ろう」
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P「まずはカノープスのところですかね。」
C「まあ、カノープスのところに行けばなんでも揃っているだろう」
カノープスとは竜骨座の星だからきっと後に竜骨座の学名が続くのかな?
カノープスさんは何をしている星人なのだろう?
P「それじゃあ遥さんいくよ!」
C「ほら、ぼんやりしていると日が暮れるぞ」
キャンスさんが私に手を差しのべる。
キャンスさん気遣いよすぎだな。
P「あれ、キャンスさんも行くんですか?」
C「あれ、主が言ってなかったっけ?」
そんなの聞いてませんよ!
なんてポラリスは本気で驚いているけど、嬉しそう。
「ポラリス、嬉しい?」
P「そりゃあもちろん!キャンスさんはとっても頼もしいんだ!」
おお!ポラリスが言うならその通りなんだろうな…。
「そういえばキャンスさんは何をされているんですか?」
C「ん、俺?俺は何でも屋だよ」
何でも屋?…格好いい!
P「キャンスさんは基本的何でもできるからね」
「へえ、すごいです!」
そんなことを話していたら、いつのまにかある一軒家に着いていた。
C「さあ、着いたよ。ここがカノープスの店だ」
「ここがお店?」
その一軒家は、古びて今にも壊れそうな感じ。
幽霊のでる洋館のような………。
「こわい…」
C「まあ、初めて来たなら恐怖を感じるかもね。」
でも、カノープスは良いやつだよ。
キャンスさんはそう言って笑った。
そのとき--------
蟹座のおはなしは次回まで続きます
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