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プロローグ
――ヒトにはそれぞれ“個性”というものがある。
良いことから悪いことまで、その個人しか持たないものはなんでもそう言う。
だが“個性”というものは自分自身の中にありながら自分自身では見つけにくい。
それを見つけるのはいつも他人だ。
性格だったり、容姿だったり、仕草だったり、声だったり。
ヒトは知らず知らずのうちに発見してもらいたいと思っている。
そして逆に見つけてあげたりもする。
狭いようで広いようでやっぱり狭い。
そんな世間でヒトは出会いを繰り返すのだ。