嘘の微笑みは私の仮面。
なんか...恋愛っぽくなった?
こつんこつんと靴音がする。
...?
先生かな...?
私達がいるあまり使われていない教室の
窓から顔をのぞかせる。
私の目に映ったのはいるはずのない人だった。
慧兄...。
授業中じゃあ...。
あ、こっちくる...!!
「真紘!ちょっとこっち来て!」
小声で呼ぶ。
「ん?」
少し影のところへ隠れて私は静かに
真紘にキスをする。
「莉那?///」
「しーっ...。」
何回も何回も口を重ねる。
まるで慧兄の存在を忘れるかのように。
ガラガラと教室の扉が開く。
「...。」
静かに慧兄は入ってくる。
...今もし見つかったら慧兄はびっくりするだろうか?
だって元カノが自分ではない男とキスしてるなんて...。
ま、振ったのは慧兄だしね。
「誰かいるのか...って...え?」
「...あ。"冬野"先生ですか。邪魔しないでくださいね...?」
私はにっこりと微笑む。
「大人なんだから...何をするかぐらいわかってるでしょう...?」
当然するつもりはない。
キス止まりで終わる。
でも私は嘘をつく。
「...っ。...早く戻りなさい。」
一瞬息をのんだけど
すぐに先生の顔になる。
...つまんない。
焦らないし...何にも"慧眞"としての本音も言わない。
「...わかりました。」
無愛想に返事する。
でも心の中は真っ暗だった。
妖艶な莉那さん(笑)