"嫌い"の言葉で君を突き放す。
hahaha(笑)
「失礼します。」
気が重くなりながらも数学教材室をノックする。
「...どうぞ。」
ガラララ...と静かに扉を開く。
「何か用ですか?」
わざとそっけなく聞く。
表情もただただ無心で。
「あのさ...莉那、数学嫌いだった?」
"莉那"。
その呼び方に少し肩を揺らす。
「...いいえ。それだけなら帰っていいですか?」
「...いや、それだけでもないんだ。」
「他にも何か?」
そのあと耳に入った言葉は
私にとっての酷なことだった。
「前みたいにさ...
莉那と仲良くしたいんだ...。
笑いあいたいって思うんだ。」
汚れなき穏やかな笑みを私に向ける。
何でそんな目...!
そんなの...そんなの...っ!!
「無理に決まってる!
無理だよ!!無理に決まってる!!」
頬には一粒の涙が流れ落ちる。
「無理...だよ...。」
「何で...?」
前は好きだった穏やかな声。
でも今は...
聞きたくない。
「...もう近づかないで。」
もうこれ以上傷つきたくない...。
今の私のは真紘がいるの...。
「莉那...。」
呆れた?
もっと嫌になった?
もっと嫌いになればいいよ。
私のことなんて。
私は慧眞が嫌いだから。
慧眞と一緒にいたら自分がすごく惨めなる。
大嫌いなの。
そう思いながらも何故か胸はずきんと
痛んでいた。
暗い...!!
これ、暗いっ!!笑