墮天使とシルフィード
璃依につれられて、私は
「ソフトテニス部部室」
と書かれた部屋まで来た。
なんでそういう事になったかって、
強引に勧誘されたから。
「入ってよ、ウチの部に。とにかく、部室まで来てよ」
そういわれると、断れない私。
そして、手を引かれてここまでやってきた。
ガチャ。。
璃依がドアを開けると、
そこには顧問の先生らしき人が素振りをしていた。
「なんだ、山城。」
顧問の先生は、怖そうなコーチだった。
「部活に、入りたいそうです。この子が。」
と言って私を前へ押した。
入りたいなんて一言もいってないし!!!
「そうか、我が部にはいるのか。名前は?」
「虹谷美夜さんです」
私に変わってなぜか璃依が答えた。
「ふうん・・。」
私は、部活には入りたくない。
入っても、なにも出来ないと思うし。
急いで撤回しようと試みた。
けれど、次に私がいった一言は、
気持ちとはまったく反対の言葉だった。
「やる気は十分あります。死ぬ気でガンバりますから、入れて下さい。」
・・・・・・・・・・・・・え?
え?えええ?え?ちょっと待って、え?
今、私、なんていった?
私は、「すみませんが、部活には入りません。」
て言って、
この部室を去るつもりだったのに、
なんで入部希望???!!!!
多分、人生の中で
これほど動揺することはもう2度とないだろう。
「おし!!いいだろう。明日からテニスコートにこい。」
「よかったねえ!美夜。」
ぽかーんと口を開けたまま、
私は部室を出た。
「やる気は十分あります。死ぬ気でガンバりますから、入れて下さい。」
なんて、絶対私は言わないような台詞だし、
それと反対な事を言おうとおもって口を開いたのに・・
私の中で、色々な疑問が浮かんだ。
まさか、自分が。
これをきっかけに、私はソフトテニス部に入る事になった。
ちょっとした、神様のイタズラによって。