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コスプレカフェを始めたら学園の三大美女が性癖を曝け出してやって来たんだけども  作者: すずと


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第6話 ここは色葉に任せて先に行けっ!! みたいなノリ

 あの後、月影さんを駅まで送り届けたんだが……よくよく考えると色葉以外の女の子と一緒に歩くだなんて初体験である。それも雌豚と言えど学園の三代美女が一人、クールビューティー担当の隣を歩けるだなんてとんでもないシュチュエーションであったな。


 これはロマンスの予感……?


 とかそんなもんは一切なく、特に会話もない気まずい空気が流れるだけだったな。


 ま、まぁ彼女はロロックが好きで店に来てくれただけだ。俺自体には用もないから喋る必要もないってこと。


 今後も喋る機会というのは訪れないのだろう。彼女が俺と学校で喋るメリットが見当たらない。俺と喋るということは、自分の秘密がバレてしまうかもしれないリスクを高める。デメリットしかない。でもまぁ、学校では喋らなくても彼女は大事なお客さんだ。また店に来てくれたら良いな。


 そう楽観的に思っていた。


「……なんで俺の目の前でジッと立ってんだよ」


 廊下側の俺の席。体育終わりでいつも通りにぼっちを決め込んでいると、目の前には月影彩芽が俺の前に立っていやがる。ジーっとこちらを見つめ、特に言葉を発することもないから最初は無視をしていたんだけど、耐えられなくなり声をかけてしまったとさ。


「監視」


「もしかして俺が誰かに言うか疑ってる?」


 コクリと頷かれてしまった。


 まぁ雌豚な性癖を曝け出したのであれば心配になるのも頷ける。だが勘弁してほしい。学園の三大美女として目立っている存在の月影彩芽が、いきなりぼっちの俺の席の前に立つもんだから、めっちゃ悪目立ちしてしまっている。


「こうやって普段喋らないのに俺の前に立っているのは他の人達に珍しい光景だと思われてリスクが上がると思うが?」


「他の人達のことなんてどうでも良い。私は私の使命を果たすだけ」


 大層な言葉選びをしているが、その実、その内容は自分がドMの雌豚だということを隠すためだなんて悲しくて目も当てられないな。


「あーやめっ」


 月影さんが俺の前にいるもんだから吸い寄せられるように仲間がやってくる。


 学園の三大美女が一人、司会者系美少女、ギャル担当の水瀬有紗。今日も巻いて盛ったゆるふわセミロングがばっちり決まってる。


「降井くんと喋るとかちょー珍しいね。どうしたの?」


「これが私の使命だから」


「出たっ。たまに彩芽から出る中二病発言。あーし、嫌いじゃないよ、それ」


 あははと笑いながら水瀬さんがこちらに視線を送る。


「ごめんね降井くん。なにがあったか知んないけど、彩芽たまにうざくなる系だから。でも、基本はちょー良い子ちゃんだから許してあげて。ね?」


 テンション高く俺みたいなぼっちにも親し気に話しかけてくれる水瀬。そのギャルノリと見た目のおかげで男子人気が高いというのも頷けるものだ。


「ほらほら月影さん、お迎えが来たぞ。すみません、水瀬さん。この子のお引き取りをお願いします」


「きゃはは。彩芽ガチめに降井くんからNG出されてんじゃん。ウケる」


 お腹を抱えて笑っているところで、「ふふ……NG……萌える……」と嬉しそうにしている。おいおい月影さんやい。学校でもドMを出してんじゃないよ。こっちが冷や汗もんだわ。


 月影さんの様子にハラハラしているのを他所に、水瀬さんは調子良く敬礼なんてしてくれる。


「りょーかい。ウチの彩芽がガチめにさーせん。ほら彩芽、行くよー」


 水瀬さんが月影さんを連行。彼女はそれを素直に受け入れる。


「有紗。佳純は?」


「あっれ? そういえばどこ行った? あの子、体育終わりっていっつもどっか行ってんだよねー」


 そんな会話をしながら学園の三大美女の二人は席に戻って行った。二大美女が去ったおかげで自然とこちらへの視線もなくなり、ふぃと心の中で安堵の息を吐く。


 ロロックではなくて降井自由として悪目立ちするのは胃が痛む。例えるならば防具なしで敵から攻撃を受けたかのような感覚。コスプレという防具がないと俺にこの悪目立ちは耐えられないみたいだ。


「あ、あの、自由、くん」


 二大美女が去った後、前の席に座る幼馴染の色葉が後ろを向いて話かけてくれる。さっきまで慣れない美女を見ていたもんだから、色葉の顔がなんとも実家に帰った安心感のようでほっとする。


「どったの?」


「あ、えっと……昨日、来てたのって……月影さん、だよね」


 月影さんの目の前でノリノリのやり取りをしていたんだ。そりゃ色葉も月影さんの存在には気が付いていたことだろう。


 月影さんの方は色葉のことには気が付いていない様子だったな。同じ学校の生徒というのはわかっているだろうがね。


「そうだな」


 来ていたことはバレているが、色葉に雌豚発言は聞こえていないだろうから、それは口が裂けても言わないでおこう。あとでどうなるかわかったもんじゃねぇや。


「そ、そっか……月影さんに、自由くん、がコスプレしてるの……バレた?」


「ん? あ、ああ。まぁ、バレたというか、まぁ、バレたんだが……」


 どこまで返事をして良いのかわからなくなり、なんとも歯切りの悪い微妙な回答をしてしまう。


 俺の言葉を受けてなぜか色葉の顔が青くなった気がした。この子、普段は素顔が見えないからわからないけど、なんとなく青くなっている気がする。


「あ、あわ、あわわ……!!」


「口であわあわ言う奴を俺は初めて見たぞ、色葉」


 んで、なんでこの子は唐突にキョどってんだ。


「だ、だだ、大丈夫。大丈夫だから。ね?」


「なにが?」


「い、色葉に任せて。ドーンと任せて」


「なにを?」


「こ、これは責任重大だ。ふぁいと色葉……おー!!」


「聞いちゃいないな、この子」

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