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コスプレカフェを始めたら学園の三大美女が性癖を曝け出してやって来たんだけども  作者: すずと


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第32話 仲間(変態)が増えていく

 本日は客足も少ないため、親父に許可をもらい、少しの間だけ俺と佳純で水瀬さんの話し合いに応じた。


 お客さんは少ないが0ではない。水瀬さんが来た後、数名のお客さんが来店してくれており、今回色葉はヒロインだし、彼女のコスプレ目的で来てくれたお客さんが多いだろうから、接客は色葉に任せることになった。


「──なるほどねぇ」


 話し合いをしているうちに徐々に冷静になっていった水瀬さんが俺達の説明に納得の頷きをしてくれていた。


「最近、降井くんの店の人気がバズったからバイト募集したら佳純が来た。バイト仲間だからお互いを名前呼び、ねぇ……。最近、降井くんと佳純の距離が近かったのはそのせいか……」


 水瀬さんは提供されたウチの自慢のコーヒーを一口飲んでからこちらを見てくる。


「ま、降井くんが佳純と近づくためにあーしの秘密をベラベラ喋ったわけじゃないっぽいのはわかったから安心したわ」


「約束だからな」


 当たり前の言葉を返したつもりだが、水瀬さんはニカッとギャルスマイルを向けてくれる。


「さんきゅ。やっぱ降井くんって良い奴だね」


 俺はギャルに縁がなかったが、こうやってギャルが俺に嬉しそうな笑顔を向けてくれると、ギャルも良いなぁと思えてしまう。


「ふんぬっ」


「あの……佳純さん。なんで俺の頸動脈をむぎゅっとしているんです? 普通に痛いのですが」


「変態ばぶみギャルにデレデレしているぼっちへお仕置きだよ」


 ほんと、このド変態様は自分のこと棚上げで容赦なく攻めてくれるな。


 いでで、とこちらが地味に頸動脈にダメージを受けていると、目の前のギャルの顔が湯で上がった。


「つうかあーし、佳純に性癖見られてんじゃん」


 両手で自分の顔を覆い隠す仕草をしておられるギャル様。ギャルの弱った姿に少し性癖がささりそうになる。


「むぎゅ」


「なんで強さを増したんだ、佳純」


「変態ばぶみギャルが弱っているのが性癖にささったみたいな感じを出したから」


 この人は変態に関してエスパーになるのかな?


「もう!! 変態ばぶみギャルとか言うなしっ!!」


 隠していた顔を解放し、真っ赤なトマトよりも熟した赤面で怒っている。


「あーしは、ばぶみのしょたコンだから!! 勘違いすんなしっ!!」


 この人はなんで自分の性癖を曝け出したのでしょうか。


「しょた……?」


 水瀬さんの言葉は俺の頸動脈を解放する一言であった。


 困惑した佳純は俺のことをまじまじと見つめたあと、水瀬さんへ問いかける。


「しょた?」


「あんたにはわかんないでしょうけど、降井くんはしょたの才能あっから」


「ふっ……」


 嘲笑う佳純を見て、「な、なによぉ?」と動揺している水瀬さん。それを無視して佳純が俺の身体に鼻を近づけて、「くんくん」と匂いを嗅いでくる。


「この匂いはしょたではなく、思春期男子丸出しのチェリーな匂いだぜ☆」


「おいいい!! なにを普通に言っちゃってくれてんの!?」


「はぁぁ♡ やっばぁ♡ ギャルとの話し合いで出た匂いはまた格別なフレーバー♡」


 この人はなんで自分の性癖を曝け出したのでしょうか。


「あんた、人のこと散々変態ばぶみギャルとか言っておいて、自分はド変態の匂いフェチじゃねーかよ」


 水瀬さんのもっともな言葉に対し、佳純は全く動じない。流石はド変態のラスボス様だ。俺の匂いを嗅ぎ続ける余裕すらある。いや、頼むから動じて恥じらってくれ。こっちが恥ずかしいんだわ。


「私はぁ♡ 自分の好きなことをぉ♡ 隠したり、しないよ♡♡」


 親友に対して良い事を言っているが、やってることはラリってる。


 まぁ、でも確かに佳純は匂いフェチのことを秘密にしろとは言ってこなかった。その点を考えると彼女の言葉には深みがあるかも。いや、ないか。


「好きなことを隠さない……」


 こちらがないと思っていても、あちらさんはあると思ったのか、どうやら親友の言葉がささったみたい。戸惑っている様子だ。


「そうだよね。好きなことを隠してるとかわたしらしくないよね」


 水瀬さんの迷いは消えたのか、立ち上がり俺の前に来る。


「え、まさか……」


 ぎゅっと再度俺は水瀬さんの谷間に沈んでいく。


「やっば♡ 自分を認めた後のしょたぎゅっとは破壊的にやばい♡♡ 母性があふれりゅゅゅ♡♡」


「んー!! んんんんー!!」


 今回は初手からばぶみと谷間が深い。息が出来ない……。


「こぉら♡ 暴れない♡♡ ありさお姉ちゃんの気持ちいところでおやすみなさい♡♡♡」


「んん(しぬ)!! んんんん(まじでしぬ)!! んんん(佳純)!! んんんんんん(助けてくれ)!!」


 ジタバタともがくが、谷間に深くハマってしまい、幸せな感触と死に際の絶望の二つの意味で言葉にならない。


「ああん♡ 歓喜と絶望でもがく自由くんの芳香の咆哮……♡♡ 嗅覚オーバードライブ♡♡」


「んんん、んんんんんんっ(こんの、ド変態めっ)!!」


 流石はラスボス様。死にかけの人を助けるより、死にかけの匂いを嗅いでやがる。


 俺はこのまま、ギャル美少女に抱きしめられ、清楚美少女に死にかけの匂いを嗅がれてブラックアウトしてしまった。


 ♢


「──まじで逝ったと思ったわ」


 なんとか危機を脱し、現世に残れた俺はギャルと清楚を睨みつける。


 こちらの様子に、ふたりは縮こまって反省している様子。


「「ごめん、自由《降井》くん。またやっちゃった☆」」


 てへぺろっと二人同時にお茶目に舌を出してきやがる。仲良し過ぎるだろ、この二人。


 ま、まぁ、俺も役得とかちょっと思ったり、思わなかったり……。


「ね、ねぇ、降井くん」


 水瀬さんが改まるように、少しまじな雰囲気を醸し出して俺のことを呼んでくる。


「こ、ここのバイトってまだ募集、してる?」


「バイト?」


「う、うん」


 彼女は少し恥ずかしそうに、でも吹っ切れたような顔をして自分の言いたいことを教えてくれた。


「あーし、やっぱり隠し事とか苦手だわ。だから逆にガンガン押し出そうと思う」


 吹っ切れたような水瀬さんは、ニカッと爽やかな笑顔を見してくれる。


「この店に来た時、降井くんの海斗くんのコスプレ見て感動して、一緒に働いてみたいと思ったし、今だって莉乃ちゃんと働いてみたいって思う。他にも好きなキャラがいるから色々なキャラと働きたいって思う」


「だったら一緒に働くかい?」


 こちらの会話を聞いていた親父が水瀬さんに問いかける。


「い、良いんですか? で、でも、履歴書とか──」


「自由のクラスメイトで雪村さんのお友達でしょ。志望動機はそれで十分だよ」


 親父は周りを見渡して、寂しい店内を見渡した。


「きみみたいな明るくて可愛い女の子が入って来たら、また店が盛り上がるから、むしろこちらから願いたい気持ちだよ」


 親父のウィンクに水瀬さんは咄嗟に頭を下げた。


「よろしくお願いします!!」


 礼儀正しいギャルは少し体育会系な返事をしてみせた。


 これによって、カフェふりーには、清楚系のド変態の他に、ギャル系のド変態が追加された。

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