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名前あそび  作者: 一奏懸命
第4章 暴きます
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エピローグ 名前あそび



「起立! 礼!」

 生徒の号令に合わせ、彼――三雲 充太(鹿児島県砂原市立真砂高等学校 2年4組担任・27歳)はお辞儀をする。

「おはようございます。それじゃ、出席取るぞ。明石(あかし) ()(ゆう)

「はい」

()(たみ) (ゆう)(すけ)

「へーい」

「こら、ちゃんと返事しろ。次、()() ()()()

「はぁーい!」

()西(さい) (りゅう)()

「うぃっす」

 順番に生徒の名前を呼んでいく。

(とよ)(おか) ()()

 その女子生徒の名前を呼んだ瞬間、静まり返る。

「豊岡? 欠席か? 珍しいな……」

 充太は出席簿に×印を入れる。

「クッ……」

 突然、小野稚絵美が笑った。

「どうした? 小野」

「なんでもありませーん」

 その時だった。

 

 ブーッ。

 

 ブーッ。


 複数のバイブ音が響いた。メールか電話の着信であろうと充太は推察した。しかし、その数が異常だった。

 全員が、教室にいる生徒全員が反応したのだ。

「メ、メールか?」

 充太が驚いて生徒たちに聞く。

「みたいっすね。しかも、このクラス全員」

 龍児が苦笑しながら言う。

 すると、()() (あかね)が携帯電話を操作していた。

「こら、三木! いちおうホームルームなんだから携帯を触るな!」

 充太はすぐに茜のところに行き、携帯電話を取り上げる。取り上げたと同時に、ディスプレイが充太の視界に入る。




< 0001 > D

From:☆♪※!!?

Sb:納期限のお知らせ

添付:なし

―――――――――――

小野 稚絵美様

お知らせいたします。小

野様がご利用になられま

した、1,280円が未納で

す。お支払いを早急にお

願いいたします。




 ドクン、と充太の心臓が鳴り始めた。不意に、どこからともなく声が聞こえた。


 まだ、終わってないんだよ。


 何かを隠しているかのような笑みを浮かべる生徒たち。

(二度と……同じことは繰り返さない)

 充太は笑みを浮かべる生徒たちに聞こえないほどの声でそう、呟いた。










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