根室
33.根室
朝一で達也達4人は百恵さんに見送られながら車で根室を目指したが、北海道は広かった。
根室のホテルに着いた頃は夕方になっていた。
「ヤバイわね。上海の時と同じじゃあない。これて」と桜は言い百恵さんからもらったは大きなバックを開けた。
中にはガスマスクが三つ入っており、他にも色々なものが入っていた。
「これて銃だよね。それに刀。ドローンもある。」と向日葵が言った。
大きなバックの中はガスマスクが三つ、拳銃 トカレフと銃弾、刀にドローンなどが入っていた。
「拳銃てまずくない。」と哲夫が言った。
「あんな奴ら相手にするんだからしょうがないじゃあない。」と向日葵が言った。
「まずはドローンを飛ばそう。」と達也が言った。
達也はホテルの窓を開けてドローンを飛ばした。
四人はタブレットでドローンから映し出される外の様子を見ていた。
ドローンは港に近づいてきた。
ドローンから映し出されている海の様子は大きな紫色の霧がオーロラのように発生して大きく襲いかかって来ている。
紫色の霧は大きな髑髏の顔を表しながら近づいて来た。
「見つからずに隠れるのはいい場所だな。日本人は近づけないものな。」と哲夫が言った。
ドローンからは沢山の古い船が根室港に近づいて来ているのが見て分かった。
「なんだこれ、映画で見た事がある。」と達也が言った。
「パイレーツオブカリビアンだな。」と哲夫が答えた。
「不死なのは似ているわよね。」と向日葵が言った。
「ここまでして、何故桜を狙っているんだ。」と達也が言った。
「分からないわ。」と桜が言った。
「桜はあの紫色の霧でも大丈夫、だから最初は桜の体質を利用しようとしている者達に狙われていると思ったが、今は何故か別の理由な気がしてきた。本当に王が生きて居るのかとも思えて来た。」と達也が言った。
向日葵が言った。
「百恵さん昨日言っていたわ。百恵さんの旦那は奴らに殺されたのよ。というか、ウォーカーになった旦那を百恵さんが殺したらしいわ。それで百恵さんは奴らの事を調べて、少し分かったは奴らは新しい王を探しているらしい。」
「王て男だぜ。」と哲夫が言った。
「そう、王はあの紫色の霧の中でも生きられ、しかしも太陽の光にも生きて居られる。そのような者を探しているのよ。」と百恵さんが言うと、桜、哲夫、向日葵の三人は達也の方を見た。
「ちょっと待て何言ってるんだよ。」と達也が言った。
「なんとなくそうかなぁ。と思ったんだ。私じゃあなく達也を狙っているような。」と桜も言った。
「えっ。じゃあ、桜の役割は。」と達也が言った。
「桜は新しい王を導き出す役割。」と向日葵が言った。
「とにかく、ウォーカー達が達也を狙いに近づいて来て居る。」と哲夫はドローンからの映像を見ていた。
「桜か達也、どちらが狙われているか確認しましょう。」と向日葵が言った。
「どうやって、」と哲夫が言った。
「達也が外に出てホテルから離れたら、奴らがどちらに行くか見てみる。」と向日葵が笑いながら言った。
「で、達也の所に行ったらどうするのよ。」と桜が怒りながら言った。
「私達は助かる。」と向日葵が言った。
「駄目に決まっているでしょう。」と桜が言った。
「それで行こう。」と達也が言った。
「達也、冗談よ。」と向日葵が慌て言った。
「いや、俺が狙われているなら、三人には被害がなくなるし、三人は動きやすくなる。それに、一人の方が動き易い。」と達也は言い、銃に刀を持ち出した。
達也はホテルを出た。
車に乗りエンジンをかけると車を走らせた。
すると、紫色の霧は達也の車の方を追いかけるように走り出した。
その様子を三人はドローンの映像から見ていた。
「この紫色の霧は意思で動いているのか。」と哲夫が言った。
「この紫色の霧が意思を持っていてウォーカー達を動かしている。」と達也が言った。
「この紫色の霧自体が生命体で太陽の紫外線に弱いわ。」と向日葵が言った。
「あの洞窟の中体にまとわりつく感じはあったが、私の体の中には入って来なかった。なぜ、血からなの、免疫。」と桜が言った。
「達也の場合、免疫は桜の輸血から中の免疫は増えるの減るの。」と向日葵が言った。
「分からない。免疫はあるが達也の血もある。」と桜が言った。
「あ、だから紫色の霧は達也の体に入れるのでは。」と哲夫が言った。
「どう言う事。」と桜が聞いて来た。
「つまり、普通の人だと、紫色の霧が体に入るとウォーカーになるが、達也と桜はならない。達也の体内に入り、体を手に入れれば、この世の蘇ると言う事。」と哲夫が言った。
「それが、始皇帝が求めていた永遠の命。」と向日葵が言った。
「誰かの体を借りて、魂だけ入れ替わり永遠に生きていく事が出来る。」と桜が言った。
三人はドローンからの映像を見ながら達也が根室港に辿り着きそうなのを見て大きなバックを哲夫が背負い、ホテルを出た。




