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桜と向日葵 (上海 冒険旅)  作者: いずたく
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3.桜


 「だから言わん事ない。」と達也は呆れた声を出して溜息をついて車を走らせた。

 「余計な仕事を。」と達也は思った。

 達也を乗せた四駆は事故現場にやって来て四駆を止め、車が落ちた場所に駆け足で行った。

 「おーい。大丈夫か。生きているのか。」と、達也はちょっと迷惑そうな声で言いながら車に近づいて行った。

 各車のエアーバッグが開いており車の中に居る人は無事らしく、黒い車から男達がヨロヨロと出て来た。

 男達は赤い車に近づいて割れたフロントガラスから手をかけて運転席のドアロックを解除してドアを開け、中に居る女性を力ずくで引きずり出して達也の所に近づいて来た。

 達也は状況が読めなかったが、男達は銃を持っていており達也に剥けて何か達也に話掛けながら近づいて来た。

 日本人ではなく、話している言葉から中国人のような気がした。

 達也の四駆を貸せと言っている様にジェスチャーから見えた。

 彼らは事故のせいでまだ足元がふらついていた。

 その時、蝦夷鹿が湖から山に戻ろうと道路をまたいでおり一瞬、男たちの視線がそれた。

 その瞬間を達也は見逃さなかった。

 達也は走り込み飛び上がって両腕を広げてラリアットを決めてまず銃を持った二人を倒し、赤い車のフロントの上に乗り跳ねように飛び返り、女を抱きかかえていた男の顔面に飛び蹴りをくらわせた。

 そして、最後の一人には素早く後ろに回り込みバックドロップを決めた。

 一瞬の内に男四人を倒した。

 これも日々のトレーニングの玉物であった。

 達也はまだ意識が朦朧としいる女性を持ち上げ、素早く四駆に乗せると車のエンジンを掛け、その場所を急いで離れ行った。

 達也は四駆を走らせて哲夫の居る職場に戻り、急いでビールとおつまみを哲夫に渡し走って愛車に戻り猛スピードで四駆を走らせて山の奥に帰って行った。

 哲夫は、その様子をポカーンとした顔をして達也の行動を不思議そうに見ていた。

 「どうしたんだ。あいつ。」

 達也の家は山の奥にあり、家までの道は舗装されていない山道を登って上がった場所にあり、身を隠すには適していた。

 人気の無い山の中で休みの日は鳥や小動物を部屋の窓から見るの日課であった。

 特にシンシンと雪の降る夜の光景は最高であった。

 達也の家はキャンピングカーでありトイレは工事現場にある簡易トイレで、下水道は昔に人が住んでいた廃墟となった空き家まで引いており、飲料水類は大量に買っており、トイレや風呂等の水は井戸の水を使用していた。

 達也は家に着くと回りを見て人が居ないのを確認してから四駆を降り後部座席のドアを開けた。

 後部座席には先程助けた女性が寝ていた。

 家の回りには達也の帰りを待っていた小鳥やエゾリス、キタキツネなどが遠くの方から見てた。

 皆んな達也がくれる餌を待っていた。

 達也は、その女性を軽々と持ち上げるとキャンピングカーにあるベッドに寝かせた。

 達也は奥手で女性経験もなく優しい性格の為、その女性には危害を加える気は無かった。

 達也は動物達に餌を与えるとキャンピングカーに入り鍵をかけてソファの上で夜勤疲れと今日の出来事の疲れいつの間にか寝てしまった。

 深い眠りの中、昼過ぎまで寝ていたが目を覚ますと一瞬なぜ自分がソファーの上で寝ているのかと考えると、急に起き上がり辺りを見回してからベッドある隣の部屋まで急いで走って行った。

 しかし、ベッドで寝ていたはずの女性がいなかった。

 達也は慌てて辺りを見回しキャンピングカーのドアの鍵が開いている事に気が付き達也は裸足のまま外に出た。

 すると、その女性は小鳥や小動物に囲まれていた。

 女性は達也に気が付き笑顔で言った。

 「ニイハオ。」

 「え、えと、ニイハオ。」と達也つられるように答えた。

 「二ー、ゾウテン ワンシャン オー シャスケ シェシェ。」と彼女は嬉しそうに話した。

 「えっと、中国語。分からない。」と、達也は困りながら言った。

 「オ シャン チ。」と彼女がお腹を押さえながら言ったので達也は気が付き言った。

 「お腹が空いたのか。じゃあ、なんか作ろう。」と達也は答えキャンピングカーの中に入った。

 達也はハムエッグにパン、サラダを作りコーヒーを入れた。

 卵は近所の農家から貰った物でサラダの野菜は自家製であった。

 キャンピングカーの前にテーブルを作り昼を過ぎていたが遅い朝飯であった。

 彼女は嬉しそうに食べていた。

「ハウ チー。」と嬉しそうに達也に語り掛けてきた。

 達也はぎこちない顔で苦笑いしていた。

 達也はスマホを取り出してアプリをダウンロードした。

 そして、スマホの画像を彼女に見せた。

 女性は微笑みながら達也の顔を見て答えた。

「ワ ダ ミンズ。インズ。」と言って達也のスマホを取り上げてメモに文字を書いた。

 そして、達也に見せた。

 この当時はiPhone 4 や4s が支流で中国でも人気があり給料を全てはたいて買う中国人もいたので、彼女もiPhoneの使い方に慣れていた。

 「へー、君の名前、桜子て言うんだ。日本の名前に似ているんだ。」と達也は不思議そうに言った。

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