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【お知らせ】
今回の投稿後は 暫く投稿できません。
4月の中旬ごろに投稿再開予定になります。
宜しくお願いします。
宿屋にて4人部屋を一つ予約する。
慣れてくれば個室で対応するが、二人はまだ異世界での勝手が良く分かっていない。
言葉も理解できないで個室は色々と面倒であろうと対応したのだ。
「さて 予約は終わった、隣の店で装備を揃えよう」
「因みにいま支払った硬貨の価格基準は?」
「ああ 素泊まりで一人3銀貨で計9銀貨だな。小金貨1枚で釣りが来た。およその貨幣金額は小金貨1枚で1万円と考えればいいかな?」
ついでにこの世界の貨幣種類を教えていく。
「・・ふむ 意外と覚えやすいのかな?」
「まぁ しっかり覚えたころにはこの世界とはおサラバだろう?」
太蔵の後ろを歩きながら二人は話し合っていた。
「御免よ お邪魔するぞ」
太蔵は少し離れた店に入り込み声をかける。
「老師・・この店は、、」
「うむ まぁ何でも屋に近いかな、安い武器や防具も置いてある」
「・・いらっしゃい」
店の奥からでっぷりと肥えた店主がのっそり出てきた。
「防具を見せてくれないか、この二人が使う」
「・・中古だが いいか?」
「ああ 当面はそれでかまわん」
「其処に置いてある以外に奥に何個かある、持ってくるか?」
頼む と言うと暫く待てと店主は中に戻っていく。
「な なんか汗臭くて汚れているな・・」
「・・これは革製ですか?」
手に取って二人はなんだかんだと言い合っていた。
「待たせた、 後はこれだけあるが・・」
店主が奥より更に何個かを運んできた。
「金属製より革の方が身軽に動けるな・・」
「・・そちらの二人は 初心者か?」
そうだと答えると ならば革製にすべきだと店主は中古の中から程度の良いものを選び出す。
「後は肘当てと膝当ても頼む」
一揃い二人は装備して調整をしてもらい落ち着いた。
「・・全部で金貨2枚だ」
かなりの中古品だが日本円にて20万程の値をつける。
少し高いと思いながら財布より金貨を取り出す、ふとその手を止めて・・。
「そうだ 亭主、これはいくらで引き取ってもらえる?」
魔法袋からボールペンを1本取り出して提示する。
「・・・ペンか?」
店主は不思議そうに見つめていた。
「うむ インクがいらずにかなり沢山の文字が書ける、ほら 真ん中の部分にインクが・・・」
太蔵は説明しながら余った紙にぐるぐると線を描き出す。
「・・ほう、この中のインクが無くなる迄書けるのか?」
しばらくボールペンを不思議そうに触りながら、自分でも紙に書いてみる。
「・・小金貨3枚でどうだ?」
「小金貨4枚だ、ここにも仕入れの商人が来るだろう?彼等から貴族たちに売ればかなりの金額で売れると思わないか?」
安定の日本商品だ、品質には問題がない。
「後4本 計5本ある。悪い商売ではないぞ」
「・・わかった、それで手を打とう」
商談成立となり 結果的にボールペン5本にて中古の装備一式二人分がチャラになった。
「・・老師 ボールペン5本で20万ですか?」
「あこぎな商売を・・・」
店から出て宿屋に向かう途中で二人は太蔵を責める。
「・・そうは言っても 貴族等なら1本10万でも買うと思わないか?」
苦笑いしながらも ある程度の生活費確保の為に少々持ち込んだと太蔵は告白する。
「しかし 良く思いついたよな・・」
「その調子では まだ他に高価な品も用意して?」
「ははは まぁな・・・」
それ以上は話したがらない老師であった。
翌日から特訓としてダンジョンへと移動した3名である。
「ここが初級ダンジョンになる」
「・・始まるんだな」
「結構な数の冒険者?がいますね」
宿屋から15分程歩いた場所にそこはあった。
ダンジョンと呼ばれる特殊な場所は早い時間ではあるが何組かのパーティが朝食の準備をしていた。
その他の何組かのパーティは今まさに洞窟の中に入ろうと準備の真っ最中である。
「地下5・6階までは二人にとっては問題ない筈だが、油断はしないようにな」
二人の背中の荷は太蔵の魔法袋に収容してある、身軽な二人にとって油断さえしなければ順調に進んで行ける筈だ。
二人は多少緊張しながら初めてのダンジョンへと歩み始める。
「「ここが セーフティーエリアか・・」」
5階にある安全地帯に入り込み二人は一息入れた。
「うむ 少し休憩しながら先に進むか検討しよう」
エリア内には数パーティが先に休憩中であった、二人は空いてる場所に座り込み岩壁にもたれて緊張感を和らげていた。
「ふーう 意外と考えていたより魔物は元気だな・・」
「ああ しっかりと倒さないと反撃しようとする・・」
生命力の違いと言うべきか死の直前まで暴れまわる魔物たちに感心していた。
それは下の階に進むごとにひしひしと二人は感じられていた。
「魔物も死にたくないだろうからな、一撃で倒せる工夫も必要だな」
太蔵の言葉に頷く二人であった。
「ところでレベルは幾つになった?」
「「・・3に上がった」」
この5階に到着する迄何体の魔物を倒したのかと思い出す。
このダンジョンは地下15階まであると教わった。
計算上は1/3進んだことになるが、この先魔物は手強くなる。
最下層に到着するのにはまだ時間がかかるだろう。
「・・今日は初日だ、無理をせずに早いがここで泊まり込むぞ」
二人の精神的な疲れを考えると初日はここまでと割り切る老師である。
「・・少し早くないですか?」
「初日はこんなものよ」
明日は一日かけて10階層の安全地帯へと移動する予定だと老師は二人に伝える。
ならばと野営の準備に入る。
魔法袋より異世界から持ち込んだ多人数用のテントを広げ始めた。
見慣れぬテントに周りの冒険者達がちらちらと視線が注がれた。
「おう 横になると楽だ、少し昼寝をさせてもらう」
エアーマットに寝袋を置きその上で寝転がった久保田は仮眠の態勢に入る。
それを見て小田切も苦笑しながらも彼も横になる。
次の日はほぼ一日かけて安全地帯に転がり込んだ二人である。
「はぁはぁ 昨日よりは手間どったな・・」
「ああ 強さや機敏さそれに老獪さも加わって来たな・・・」
「いや 二人共魔物初心者にしては頑張っておるぞ。魔物に対するコツも分かり始めたしな」
レベルは共に5迄上がり少し余裕も出てきたように見える。
「昨日からトータルすると二人で百体程倒しているからな」
ほら と魔法袋より回収した魔石を多数取り出す。
「・・でも 俺達が預かっている魔石に比べれば大きさが見劣りするな?」
「ははは あれは儂が上級ダンジョンにて集めた魔石だからな。比較対象にはならん」
そんなものなのかと改めて自分等が持っている魔石の凄さが理解したようだ。
「・・早く上級にチャレンジしたいものだな」
「うーん まぁレベル10に達して中級へと進まねばな」
「老師 少しお聞きしますが何故にこれほど冒険者達が多いのでしょうか?それなりの経験者と思われる者達も見受けますが、中級ダンジョンへ行って稼がないのですか?」
「うん? 話していなかったかな・・当然中級の方が稼ぎが良いが危険度は桁違いだ。人にもよるが無理して金を稼ぐより初級の下層で充分暮らしていける金を稼げるからな。結婚して子も妻もいる者が多い、命は一つだから無理する必要もない。それに・・」
この世界の人々はレベルの上がり方が異世界人とは決定的に違う。
異世界人のレベルの上がり方は異常だと言う。
最低でも数倍以上のペースで上がっていく。
「・・つまり我々が30レベルに上がった時に此方の人達は10レベルにようやく上がる?」
「それに近いかな だからこの国は異世界人を召喚すると言う方法を取ったのだと思う・・」
更にスキルの効能もこの世界の人々とは桁外れになる、異世界人が狙われた原因でもあろう。
「へぇー そうなんだ・・」
「じゃあ 俺達が二日でレベル5なんて通常は、、」
「そうだな この世界の人達では考えられぬ上昇となるな」
「・・正体は隠した方が良さそうですね」
「だな ばれると色々と面倒になるな・・」
二人は何やら納得した顔で考えている様だ。
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