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その男 異世界帰り   作者: 西南の風
91/235

91 【第四部完】

【お知らせ】

今回一身上の都合で一ヶ月ばかり小説活動が出来なくなりました。

ご迷惑をお掛けしますが再開時には皆さんにご連絡いたします。

 成る程 流石アナーシャと太蔵は感心して彼女の入手した内容を聞いていた。


「ねぇ 老師に尋ねるけど、老師とタガワは異世界から転移して、、いえ 正確には異世界からこの世界に戻って来た? と聞くべきかしら」


「さてと それに関してはノーコメントとさせてもらおうか・・」


彼女の本心はそれで間違いないと思ってはいるが、太蔵は流石にお互いの立場上素直に認める事は困難だ。


「・・可能なら 私も異世界に連れて行って欲しいのだけど?」


「・・可能なら楽しそうだね」


アナーシャはその言葉に不満そうな顔で黙り込む。

残念ながら彼女に応えられる満足な回答は無理と判断したようだ。


「・・残念ね 異世界なんてとても興味のある場所なのに」


「そうだね 私もこの年で何となくわくわくするフレーズだね」


彼女は大きくため息をつきながら退室していった。


「・・老師 彼女をあのまま放っておいて?」


小田切がどうするのかと尋ねるのだが。


「構わないさ 真実だとしても此方が肯定しなければ真実ではないだろう?」


「・・彼女 例の叔父さんに報告するかな?」


久保田も何となく割り切れない気持ちに襲われていた。


「かなり高い確率でありえるな、だが何となく黙っている気がしているよ」


別に報告されてもいいと 太蔵はそう思っていた。

だが彼女は何となく報告しないと 根拠のない確信が太蔵はあった。


「さて 今後の事だが・・・」


高弟二人に異世界への移動に関して語り始める。


「・・三人での実験ですか?」


小田切は太蔵の提案を繰り返して確認した。


「そうだ 当初は儂一人でのトライアルであったが、二人は不満足だろう?」


「あ 当たり前だ、何としても同行したい。是非に連れて行って欲しい」


「はい 私も老師のガードの為にも同行したいですね」


小田切は久保田の興味本意ではないと 力説する。


「けっ それは俺も同じだ!」


「さてさて お前は女性絡みの興味が大きいのでは?」


「お高く留まるな!そっちだって・・」


もう そこまでにしろと太蔵は苦笑いして二人の言い合いを止める。


「大事なのは 一人と三人ではどのくらい魔力の必要量が違うかによる」


それをしっかり把握していないと 最悪大空からのダイブとなる。

それだけは御免だと太蔵は笑い出す。


「ただ これは実験結果でしか分らないが、何となく一人の時とそんなに必要量は変わらないのではと 儂は見ている」


何度か実験をしなければならないが、過去にあの召喚にて2・3人同時召喚もあったと聞いていた。

ただ 何人が生き延びたのかは知らないが・・・。


「・・そうなのですか?つまり個人対象ではあるが魔方陣の中であればそのエリア内で対応できる?」


「うむ 個人であるなら誤って数名召喚されたらその召喚は失敗になる筈だからな、、」


「・・ああ 実際には複数の召喚もあるのなら、その倍の魔力が必要ではないと言う事に?」


「そう思うのが筋道としては合っているように思うのだが、まぁ実験を何度となく行って確認しよう」


「なぁ その召喚の死亡例がかなり高いと聞くが、大丈夫なのか?」


「ふん 怖いならここで留守番していればどうだ?」


再び二人が何やら言い争いになりそうだ。


「まぁまぁ 久保田の心配もわかる、それに対しては一つ手がある。それも実験にて判明する」


太蔵は考えがあると頷く。

二人からは少し安心した様子が伝わってくる。


「・・私も行ってみたい、、いえ これは失礼しました」


思わず大宮も本音が漏れて、慌てて失礼を詫びる。


「ははは そうだな、今回無事に往復できたのなら大宮さんも次回はご招待してもいいかな?」


「「「次回? あるのですか?」」」


「ああ、、これはあくまでその必要性があればの前提ですな」


三人の目が輝いている、いらぬ一言であったかなと太蔵は反省したが、太蔵は今回成功したなら少し考えていたことがあり、つい言葉に出てしまったのだ。


「・・老師、何やら良からぬ事を考えては?」


途端にそっぽを向いた太蔵であった。




「どうだ 気分は?」


とある寂し気な場所に夜間に転移実験した三人であったが、同行した二人は少し気分が悪く顔色が青白い。


「「・・大丈夫です」」


初めての転移行為に高弟二人が戸惑っている様だ。

誰しもが経験する乗り物酔いに近い現象でもある。


「・・しかし この近距離でこれだけ気分が害されるのですね、異世界となれば当然リスクが、、」


距離的には道場から10キロ程度の移動距離であった。

ある意味自分の庭に近い場所でもある。


「うーん、、この気分の悪さは特記ものだな・・」


久保田は懸命に吐き気と闘っている様だ。


「なれどあの距離をほんの数秒にも満たなくて移動できるのは便利な魔法ですね・・」


転移魔法を知ればこれほど便利な事はないと小田切は考えていた様だ。


「ところで 魔力の消費具合はどうなんだ?やはりそれなりに・・」


「・・少し距離が近かかったのかはっきりとはしないが、左程一人の時と違いがないように感じるな、、ステータス板が出れば正確な数字で判断できるのだが・・」


「その ステータス板は此方の世界では再現できないのですか?」


「そうだな・・神の恵みなのかもな、、」


「「・・神の ねぇ、、」」


何んとも理解できぬと高弟二人はそんな顔をしていた。


「さて・・帰るぞ、体調はどうだ?」


ふらつきながらも二人は姿勢を正して問題ないと答えた。


「えーと 帰りは例のスキルを発動すれば良いのですね」


「そうだな それで体調の変化が確認できるだろう」


太蔵は用意が出来た二人を再び転移にて大宮氏が待っている道場の応接間へと転移を開始した。




「お帰りなさい 老師」


光と共に転移してきた三名が大宮の目の前に現れた。


「ああ 只今、二人は・・・」


具合はどうかと尋ねる太蔵に 高弟二人は何とか耐えている様だ。


「お陰で 行きよりはかなり楽な気分ですね・・」


それでも二人はソファーに座り込んで大きく深呼吸をしている。


「・・いや 確かに帰りはかなり楽な気がするな・・」


久保田は感覚的にかなり違うと実感している様だ。


「今日はここまでだ、明日の晩にまた実験だ」


大事をとって無理をせずに、何回かに分けて実験を行う予定にしている。




翌日は片道20キロ地点まで、そしてさらに次の日は30キロ地点に転移実験を行う。


「うっぷ かなり慣れてきたが、、、」


「いや かなり楽になってきたぞ・・」


二人はまだ転移酔いからは完全に解消されていないようだ。


「・・それで老師 魔力の変化はどの様な感じですか?」


大宮氏が心配そうに尋ねる。


「そうですな、、一人増えると一割の魔力増・・かな?」


太蔵は感じた魔力消費量を答える。


「おお それならば当初の予定した魔素結晶の量で?」


予定の結晶量で間に合うのかと 大宮は安心したようだ。


「魔素結晶を用いた実験は明日の最終にて結論が出ると思います」


太蔵は静かに頷いて、全ては明日と決意を固めた。




「よし 全てはこれにて完了だな」


最終の片道50キロの往復を終えて、消費した魔素結晶量を確認した太蔵は嬉しそうに一人元気にはしゃいでいた。


「・・元気だな 老師は」


「うむ 何よりではないか・・」


高弟二人の冷めた目線を知らずに太蔵は異世界へと向かう準備に追われている。


体調の完全回復にと二日間の休息に入り、各自はそれなりに準備に追われていた。太蔵は大宮氏の運転にて大きな町に出かけ、何やら買い物を済ませてきたようだ。



「では 出かけよう」


この道場ではアナーシャの目がある、彼女は何やら太蔵等が動き始めたのには承知していたが、敢えて何も言わずに皆を見送っていた。


ついた場所は麓の基地内のある一室であった。


「「「では 指令行ってきます」」」


この基地の指令と大宮氏の二人が見送る中、太蔵は転移魔法にて異世界への再訪問に向けて魔法を発動する。


強烈な光が3人を包み その光が消え去った時には老師と高弟二人の姿は搔き消えていた・・・。

    

                【第四部 完】


【お知らせ】

今回一身上の都合で一ヶ月ばかり小説活動が出来なくなりました。

ご迷惑をお掛けしますが再開時には皆さんにご連絡いたします。

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