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その男 異世界帰り   作者: 西南の風
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当面一週間に一度の投稿となります(基本各土曜日)


「魔物? それはどんな存在です」


田嶋氏がレベルアップに必要なのは魔物を退治することだと教えてくれたが、太蔵には実際にどんな魔物を指しての事か意味が分からない。


 河童? 妖狐? まさか鬼退治…。


どれをとっても空想上の魔物で現実味が浮かんでこない。


「いや 此方の世界では ゴブリン・スライムに始まりオーク・ギーガそしてドラゴンとそれらは空想上ではなく、現実にこの世界には多種な謎の生物が生きている」


「ゴブリン・ドラゴン?」


「そうだ。近々また退治に出かける予定がある」


「…よく分からないけど、要はその魔物を倒せばいいのですか?」


「そうだな。それらの魔物の頂点が魔王となる」


 なる程 そこに継るのか…。

 そうなると勇者とはそれらの魔物を倒すのが役目なのだな…。


「…魔物たちの強さはどの程度なのです?」


「ピン キリだ。弱い魔物からそれこそ騎士が何十・何百と集まり一体を倒す事もある」


「…へぇ それは、、」




この世界にはダンジョンなる不思議な構造物があると説明される。

ダンジョンにて魔物が生まれダンジョンにて死亡するとその遺体はダンジョンに吸収されダンジョンの糧となるらしい…。


無論ダンジョン以外にもこの世界は魔物が巷に溢れているらしい。

都市郊外の村では魔物に依る襲撃事件も珍しくないことだと教えられる。


太蔵は平安時代の 百鬼夜行 が現実にある世界だと重ねて説明を受ける。

昭和の世であれば信じるものはいないであろうが、、、




「・・実際に見るまでは正直 半信半疑ですね」


「はは その気持はよく分かる、我らだって当時は同じ様な気持ちだった」


田嶋氏と岡田氏も苦笑いしている。


 なる程 そんな信じられない魔物が居る世界か、面白い。


強くなってあの皇女に一泡吹かせてやろう。そう心に決めた太蔵である。


「田嶋さん岡田さんその節には私も同行したいのですが」


「無論付き合ってもらうよ、でもその前に覚えてもらうことが沢山ある」


「その通りです、でも私としてはもう少し貴方の事が知りたいです」


今まで黙っていたアレックスが言葉を挿む。


「私の事ですか?」


「はい 貴方はまだ何か隠していますよね?」


隠していると言われればそうかも知れない、これまで数百年続いてきた流派である、太蔵自身まだ教わっていない事があるのは知っている。


「・・現時点ではそれ程隠している事はないですよ」


「太蔵君 すまん口が滑ったのは私が原因だ」


どういう事かと尋ねると古武術なら組み手にも造詣が深いはずだとアレックスに漏らしたのだ。

彼は武術に特化しているエキスパートなので興味が湧いたみたいだと、、。




希望により素手での手合わせとなったが、結果はアレックスの三回に及ぶギブアップにて終了。

アレックスの素手での攻撃は現代で言えばボクシングの初期レベルであり、基本腕力+軽いフットワークのマネごとでは到底相手にならないレベルであった。


太蔵の組手は戦場にて甲冑を着込み互いに肉弾戦に及んだ時に効率よく相手を倒し、その首級を奪うやり取りから生まれており、場合によってはかなりえげつない手で倒すこともありえる技術だ。


ただ相手を殴ってKOさせる目的のアレックスとではかなりの差があった。

極める・固める・急所打ち・頭から落とす…一度決まれば生死が決まる荒技のオンパレードとなる。


「ふう 是非とも私も教授願いたい」


あまりの技の違いにアレックスも気付かされる。


「かなり現在の技とは違いがあるんだな」


岡田氏が対戦を見ながら感想を述べた。

甲冑組討が基本なので現在のスピードに対応するにはまた別の組討もあると太蔵は説明した。




午前の訓練が終わり食堂にて今後の打ち合わせ及び装備品について話し合う。

剣はソードが基本だが、鍛冶師に交渉して日本刀もどきができないか聞いてみると田嶋氏からの申し入れがあった。


出来れば修行で慣れた刀のほうが良い、当面はソードで代用となる。

午後から武器庫に案内され好みの装備を選ばされた。


基本太蔵は身軽を希望し、金属の胴当てと金属の手甲・脚絆を選ぶ。


午後からは各装備品に慣れるために訓練場内を駆け回り素振りを繰り返す。

そして待望の魔法に依る体力強化と火球の魔法を教わる。


「ふぉー ようやく火球の魔法が・・」


この技の習得により離れての攻撃に厚みが増す。

魔法に関しては岡田氏の協力の元夕方までにはそれなりの技術を覚え込んだ。

後は慣れることが重要になる。




夕食時の食堂は賑やかなよそおいに満ちている。

一日の終りに城兵達も気が緩みアチコチで楽しそうな会話で盛り上がっていた。


「えーと 一つ質問いいでしょうか?」


ふと思い出したように太蔵は正面の岡田氏に顔をむけた。


「私達が勇者の従者予備員として召喚されたのは理解しましたが、肝心の勇者の予備員は?」


「いない、、と言うか勇者は死なないんだよ」


 はい? 死なない人など考えられないが・・。


「いや 正確には遺体さえあれば復活できるらしい」


無論それには小さな国なら財源が傾くほどの金額により作られた魔法薬があっての話だ。


「別名 賢者の薬 と呼ばれているようだ。正確には不明だ」


この帝国の豊富な財源でも何個も所持するのは困難となる。

元々は王族の秘薬として開発されたが、今回魔王対策に活用されているらしい。

従来までは勇者にも予備役が召喚されていたが、勇者クラスは育成するのに他者より時間がかかり効率的にかなり悪いらしい。

それでも成長すると途轍もない力が備わる勇者は正に無敵に近い無双ぶりを発揮する。


「勇者のみが使用する事を許されている薬を持参している」


 な なるほど。この世界色々と驚くことが多い




一週間後基礎的教育が無事に完了して、太蔵は仲間と一緒に初ダンジョンに挑む。

軍から借用した軽減袋を背負い、用意した食料・着替え等を入れ込む。

更に予備の鎧・剣を入れ込んで背負うとあまりの軽さに驚く。


仲間に借用した軽減袋について尋ねると、魔法袋の一種で実際の重量より1/10になるという。

入れることが出来る重量は最大百キロであるという。


最大重量を入れても背負えば実際には10キロの重量分しかない事になる。

感心していたら、世の中には重量を感じなくなる魔法袋が存在していると教えられる。

それも最大1トン入るとの事、欲しい、、。


可能であれば持ち帰りリストの一番に上げておこう。




目的のダンジョンは城の北門から出て約一日の行程となる。

ダンジョンには上・中・初級ダンジョンと分類される。


今回は太蔵に合わせ初級ダンジョンと決定。

ここで魔物の対応に慣れたら上のランクに挑戦して個人レベルを更に上げる事になる。


太蔵は今回武器は通常のソードの他、短槍を持って参加となる。

槍と弓も古武術では基本の装備品である。


昔の合戦では刀より槍がメインであり、これを使いこなせる者は生存率を上げることにもなる。

魔物退治に多少の不安を抱えながらも目的のダンジョンに歩き出す。


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