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その男 異世界帰り   作者: 西南の風
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今後は週に数回投稿予定となります。

暫くこの物語に注力予定となりますので宜しくです。


尚自衛隊について記載していますが、特に内部状況について誤りがあれば、ご指導の程、お願いいたします。

会議室には今回のメンバーが今や遅しと待機している、遅れたことを詫びて早速質疑応答に移っていく。

皆が先ほどの興奮を引き継ぎかなり活発な質問や討議が進められていった。


やはり皆の懸念は 魔素 の正体と、供給量の確認、安全性に至るまで疑問に感じたことを太蔵は分かる範囲にて答えていく。

基本太蔵にも魔素を用いての武器開発には拡張性がかなりあると睨んではいるが、その正体を正確には把握していない。

当面は国の機関と協力して魔素の正体とどこまでの武器応用が利くのかも、合わせて至急に解明しなければならないと一致する。


そのうち一段落ついたのか、仲間内での利用法について話が進みだす。

丁度太蔵も一息入れたときに、太田一尉が近寄り太蔵にそっと座席表による名前の入った一覧を手渡していく。


 有難う と小さく感謝をして座席表に書かれた名前を確認していく。


先ほど指令の部屋から出るときに彼に依頼していた座席一覧表である、実はこの会議に入ってすぐに太蔵は人物判定スキルをフル回転していた。


通常時や、特定の質問時にこのメンバーの心の動きをしっかりと観ていた。

そんな太蔵が気になっていたのは、このプロジェクトが最低軌道に乗るまでは特に知られたくない他国の話をわざと実名で並べたときに、皆がこの話にもっともだと同意しながらある人物が口とは別にオーラが黒く濁り始めたのを見逃さなかった。


 やはり 居た、それも二人も......。


その後いろいろな話題に移りながらもその国の話になると、疑惑の二人は途端にオーラが変化していく。


 ざんねんながら 間違いないと 太蔵は確信していた。


そのうちの一人が質問があると太蔵に手を上げると喋り出した。


「供給問題ですが、先ほども伺いましたが老師以外にも訓練すればこの魔素回収は行えると考えて宜しいのですか?また その訓練期間はどの位を考えれば?」


確信の部分に入って来たと太蔵は感ずく、他国も今後この話を入手すれば一番の興味がある事項になる。


「そうですね、実は私の指導の下、弟子の一人が今回それに関しては成功しています。実際にお見せしましょう」


左隣に座っている久保田に目線を移す、途端に眠そうな目の久保田が目を大きく開き 見せても良いのかと 太蔵に目で確認をする。


太蔵が頷くと 久保田が片手を前に突き出しながら集中し始める。

メンバー全員が彼の掌に注目し始めた。

かなりの集中が必要なのか久保田はうっすらと汗を浮かべていたが。


 おおー--  会議室にどよめきが沸く。


久保田の掌から確かに屈折力の違う空間が発生していたのだ、 だがそれは長くは続かなかった。


 ふぅぅ  と小さな声と共に彼の掌からその現象が消えうせる。


「ははは まだ最近覚えたもので、少し持続コントロールに難があります、ここまで私の指導で二か月近い時間が経過しております。またこれほどの成果を見せたのは常日頃の特殊な精神修行をさせたことも影響しているのではないかと推測いたします。つまり全くの素人が数か月の修行でホイホイと 魔素 を気楽に出せることはほぼ無理かと思いますが、それなりの修行を続ければ会得出来るものと思います」


再びメンバーが この件についてがやがやと今後の対応を討議に入っていく。


 久保田 ご苦労さん。


太蔵は彼を労わる、少し誇らしげな顔になる。右隣の小田切は逆に少し不満げな顔をする。

その後も何人かの質問に対応して、時間も経過した事により一旦この場はこれまでとなり、皆が帰り支度を始める。


太蔵は倉田将補にそっと目配せを行う、その雰囲気で何かあったなと将補も感じ少し緊張した顔で後ろにいた太田一尉に小さな声で指示していた。


三々五々会議室から出ていくメンバーが最後に太蔵の傍により、挨拶を交わして部屋から出て行く。

皆の顔から今後の期待感が感じられていた。


さてと 腰を浮かした太蔵に太田が近寄り、小声で私に付いて来てもらいたいと先頭に立って太蔵3名を案内していく。


案内されたその部屋は何か特別な部屋であると、太蔵一行は気づく。

その部屋の中には更に小部屋が用意されており、その小部屋には窓がなく、入口の扉もかなり厚くいかにも密室の場所であると思わせる。


暫くこの部屋でお待ちを 只今お茶を入れてきますと 太田はいったん出ていく。


 何だ この部屋は、、、  無頓着な久保田でさえ気にかかる部屋のようだ。


太蔵達のお茶を運んで、また太田はこの部屋から退室する。


 老師 この部屋は......


小田切が注意深く部屋を観察しては言葉を発した。


 うむ 恐らく盗聴防止を兼ねた特殊な部屋であろう  太蔵も頷く。



15分ほど待たされて、ようやく将補が軽く息を弾ませて入室してきた。

運動不足と思われる小太りの体で急ぎこの部屋に向かって来たのではないかと推察された。


「いや お待たせして申し訳ない、帰りしなに皆がかなり興奮して少し話し合っていたもので、、」


額の汗をぬぐい 苦笑いを浮かべながらも嬉しそうに語る。

部屋に入ったのは倉田だけで太田は扉の外で警戒しているようだ。


「今後更に上の者と皆が話し合うつもりで、対応なども相談を受けましてね」


 ほう 上の者からこの倉田にそれなりの評価が高いようだ。


「いやいや トップの大滝総合幕僚長に少しだけ目をかけてもらっているもので、、、ところで会議室の一件はいかがでしたか? あっ この部屋はお感じでしょうが、特殊な部屋で外には会話や盗聴等の心配はありませんから ご安心を」


やはりそんな特殊な部屋であったのかと 太蔵は頷いた。



太蔵は静かに懐から 太田氏から貰った席順のリストを広げて 倉田将補の前に差し出した。

その席順リストに書かれた各名前の上に 太蔵が書き込んだチェックが二人の人物に書き込まれていた。


 こ これは......。


席順表の名前の上にチェックが入った人物は倉田もよく知る人物である。


 うーむ... 疑うわけではありませんが、その根拠を教えてください。


小さく唸るような声で太蔵に問いかけた。

隠そうにも隠せない動揺が倉田から感じられていた、それ程その中の一名はよく知る人物であった。


そんな気持ちを察して太蔵は丁寧にその根拠について説明していく。


「そうですか...その国名が上がるたびに、 オーラ?ですか 彼等のオーラが黒く濁っていったと、、」


リストの名前を睨みつけるように倉田は顔を赤くして唸りこむ。

倉田の心の中で物凄い角藤が繰り広げられていると推測される。

暫くの沈黙とこの場の雰囲気が固まったままの時間が流れた。


「...わかりました、この私の責任の元、この件は対応させて頂きます」


ようやく悲痛な声と共に倉田は対応を約束する返事を返した。

時間も時間であるので太蔵一行はこの後に大宮一曹の運転する車にて道場へと送られていく。




彼らを見送り部屋に戻った倉田は椅子に力なく座り再びリスト表の名前を見ながら考え込んでいた。


「ふぅー しかし何故に 飯島一佐と金森書記官の二人が、、、」


倉田は空を仰ぎながら力なく呟いて、その後気を取り直して デスクの上の電話から、さる人物の直通番号に連絡を入れていた。


その人物に自分の進退をかけてのお願いがありますと頼み込み、二人の調査依頼を無理やり承認してもらう事になった。

その結果がでるのに二週間も必要がなく、全てが明らかになる日がくる。

   

一週間に数回の投稿予定になります


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