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その男 異世界帰り   作者: 西南の風
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今後は週に数回投稿予定となります。

暫くこの物語に注力予定となりますので宜しくです。


尚自衛隊について記載していますが、特に内部状況について誤りがあれば、ご指導の程、お願いいたします。

三橋 太蔵の中間報告書を抱え、倉田将補のドアをノックする。

事前訪問を知らせてあったので直様に部屋のドアが開き中から司令官付きの太田一尉が顔を見せ、飯島一佐に間違えがないと扉を大きく開いて、部屋に招き入れる。


「おお 飯島一佐ご苦労様」


気さくな感じの小太りで柔和な顔が微笑んでいる。


「はっ 指令、遅くなりまして。例の人物に関しての中間報告書を持参いたしました」


デスクで書類整理をしていた倉田将補のデスクに紙袋を差し出す。


「ふむふむ 報告書は楽しみにしていたんだよね、君から届けられた動画を見て興味が湧いてね」


提出された書類を手に取り中身を確認しながら、ニコニコ微笑んでいる。


「ほうほう この地に住んで40年、地元ともトラブルなしで住民からも慕われている。昔から基地所属の自衛官が何人も指導を受けているんだね。通っていた当時の自衛官たちの証言にも危険な思想持ちとは考えられないとの報告が多数だね…」


「人物的にも問題ないと思いますが、今回はその提案が提案ですので…」


「ははは 本当であるなら嬉しい提案じゃないか、なんせ自衛隊は予算がきつく満足に実弾訓練も出来ていないし、部下たちには申し訳ないと思っているんだ」


「はぁ 確かに皆そんな環境下でも頑張って訓練を続けていますな…」


「うん 魔法でも何でも良いから、是非本当であって欲しいね ははは…」


いつもの捉え処のない応答に飯島もつい釣られて苦笑いを浮かべる。


「で どうします、会いに行くの?」


興味が満々の顔で飯島に尋ねる。


「はい これ以上の調査でも今後大した新事実も出てきそうにありません。会える日にちを大宮一曹に確認させようと思っています」


「私も行きたいですね」


「…暫くお待ちください 結果をお楽しみに、、」


本物だとするならば、この基地に自衛隊の重鎮達や背広組のトップクラスを呼び最終決定をせねばならない、どうなるかはまず面談次第となる。




後日 大宮一曹の手配にて面談日が決まり、社用車の運転手役と案内役の大宮ともう一名を加えての3名にて目的地の道場へと移動した。



結果的には疑いもなく事実であると信じるしかなかった。

目の前で起きることはだれが見てもトリックなどで対応できる事態とはかけ離れていた。

老師の言うことを信じるなら、武器の弾薬に関するコストはタダ同然? と言うことになる。


実際にはそれなりの代価が必要であろうが、それに関しては後日まで考えておくと太蔵からの返事を持ち帰ることになる。帰りの車中にて…


「ふぅ 信じるしかないだろうな 池田君 貴官はどう感じた?」


「はっ 申し訳ありませんが呆気にとられたと言うのが正直な感想です」


飯島は補佐役の池田三佐に尋ねる、彼は特別任務として派遣されてきた、情報部の人間である。


「当初は何を馬鹿なと思っておりましたが、あそこ迄色々と見せつけられますと…」


彼も本部にどの様に説明すべきかと考えていた。

今回のビデオ撮影に関しては大宮が撮影していたので、そのコピーとお土産?の魔素入り特殊ケースを膝の上に抱いてため息をついていた。


前回モデルガンのマガジン内に残っていた魔素は時間経過とともに漏れ出し、検査機関に届いた時には何とも判断に困る状態であった。

今回より密閉に関しては厳重な容器を用意しての訪問となったのだ。


「今回この魔素とやらの正体が判明すれば良いのですが…」


「ふむ 全てはその解析に掛かっている 頼むよ」


池田は力強く 期待に沿うように頑張ると返答した。




その検査結果が判明したのは飯田が持ち帰った日より半月ほど経過してからのことであった。

基地のトップである 倉田将補 へのトップシークレット扱いの報告書である。


「ほうほう 届きましたか、君 飯島君を至急この部屋に…」


倉田将補が待つ応接間に飯島一佐はノックと共に飛び込むように入ってきた。

その慌てぶりからもこの件が気がかりであったと推測された。


「申し訳ありません 気が逸って…」


倉田に言い訳がましい説明をしながら無調法を詫びる飯島であった。


「はは いつも冷静な君にしては珍しいと思ってね、どれこれが正式な報告書だよ」


目の前の報告書を手渡され、じっくりと読み始める。



「…つまり 基本的には正体不明と?」


深いため息と共に倉田に小さな声で確認する。


「うん その様だね、報告書にあるように研究所では何も成果が出ずに、国の素粒子機関に万一を考え持ち込んだみたいなんだ」


「…宇宙線と思われる素粒子を検出した、本来この様な容器に残留するとは思えない、、」


「そうだね 報告書にあるように、本来あってはいけない物が見つかったんだね…」


「…どう考えれば、、」


「…さて? 報告書に書かれているそれ以上でもそれ以下でもないと考えるべきかな?」


「…つまり」


「あるがままを受け入れる それしか凡人には手がないよね?」


二人はその報告書を肯定も否定も出来ない、つまり素粒子学の専門家ではない二人には判断など出来ないと再び互いに報告書を見つめる。




「ど どうだ老師? こんな感じでいいのか?」


太蔵から魔素回収の手ほどきを受けている久保田が訪ねる。


「ふむ なかなか筋がいいぞ、後少しかな?」


その返事に愛想を崩し喜ぶ久保田がいた、それに反し小田切は少し浮かない顔をしていた。


「へへ…済まんな小田切、先に俺の方が習得しそうだぜ?」


このひと月以上二人は太蔵から魔素回収の教えを受けている。


「…ふん 何も考えない空っぽな頭の方がこれに関しては有利かもな」


先に習得しそうな悔しさからか小田切はつい憎まれ口を吐く。


「…何だと 上等だ、今日こそ片をつけてやる。表に出ろ!」


そう言うと表に駆け出す久保田だ、それに答えて小田切も続く。


「おっと こら待て まだ修行中…」


太蔵は慌てて声を出すが。二人には届かない…。

小田切にちょっかいを出す久保田はこのところよく見かける、持っている体力と修行の差で小田切が優勢だが、この半年ほどで急速に久保田も力をつけてきた。


近じか師範代になる小田切に久保田は軽い嫉妬心があるのかもしれない、何かにつけよく絡み始めた久保田ではある。


暫く互いに争っている気配が続いていたが、のっそりと小田切が帰ってきた、顔に痣がついているが小田切の勝ちのようだ。

暫くして同じく顔に痣と腹を抱えて猫背の久保田がよろよろ戻ってくる。


 くそ 畜生め もう少しなんだが…。


なかなか懲りない久保田ではある。




「そうだ 飯島さんより連絡が届いたぞ」


修行が終わり一息ついた時に太蔵は思い出したように二人に報告した。


「おっ ようやくですか、で日にちは?」


「うん 二週間後の水曜日だな、大宮さんが迎えに来るそうだ」


「へへ…面白くなってきたな、どれ披露の為にもう少し修行するか?」


久保田が意地悪く呟いていた、小田切の顔が少し引きつる。

久保田は二週間後までに魔素回収の技を覚えるつもりなのだろう。



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